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ドロイドサイリウム ー 漆黒の猫 序の章  作者: 三海怜


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序ー28話

両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。


そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。


この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。

「私たちには彼らに恩があります!」

「僕も手伝うよ! あれから僕も鍛えたんだからこういう時には役に立たないとね!!」とヒデも加勢することにした。


そして、エンリケと作戦会議が始まった。

「まず、私達2人がスピーダーに乗って、その闘技場に飛んで行き彼らの拘束を解きます。

アンドロイド達とは戦闘体制になると思うので、その時は私は未来から来たと叫びながら、あなた達とは違う種族だということを奴らに理解させます。そして、人キメラ5人と私ら2人の7人だったらギリギリ、ジェットのシェイプシフターに包みこむことができると思うので、それで、まずは私達の世界にリープして逃げることにします。」


「なるほど・・・その後は?」

「ただ、人キメラ達が私達の世界に出現すると大ごとになるので、そのまますぐに再リープして、この施設の私達の部屋に戻ってきます。その後は彼らをお任せしても宜しいでしょうか?」


「その話を聞くだけだと成功する可能性はあるが、アンドロイドの攻撃網はすごいぞ! 全てコンピューターで正確に制御されていて闘技場には壁面に4つのレーザーキャノンが目を光らせてるんだ。それにアンドロイドのソルジャータイプも武装してるからそこそこ強いしな。」


「ヒデ、あなたにジェットのコントロールパッドの使い方を教えるから、私が交戦している間にシェイプシフターのコントロールをお願いしたいの!」

「あっ わかった!!」この時のヒデは珍しく力強かった。


そして、その夜、エリカとヒデはスピーダーに跨りシティ内の闘技場に偵察に行った。

「しかし、こうして夜の空中を飛んでいると、これが現実の世界だとは思えないよね!?」とヒデは感傷的になっている。

「そうよね。私には日常的なんだけど、ヒデにとっては普通こんな経験はないはずだからね。でも、明日はくれぐれも気をつけてね!あなたに何かあったら取り返しがつかないから。」

「うん、わかっているよ。ただ、彼らにあの時の恩返しはしたいんだ。」

「そうね、私もそうよ。」


そして、怪しまれないように闘技場付近を低空飛行しながら、断頭台が設置される場所の確認とレーザーキャノンの位置を確認することができた。

「ヒデ、なんとなくステージでの戦闘イメージはできた?」

「うん、この闘技場ってローマ時代のコロッセオみたいな形なんだね!? 材質は違うみたいだけど。」

「そうね、アンドロイド達は何だかんだ言っても人類の文化の後をなぞってるだけなのよ。オリジナルティがないから。」

「そういう事なんだね。」

「それじゃ戻るわよ!」


当日になり、2人はスピーダーに乗り予定通りまずはシティ内に潜入した。

警官服を来ているポリスアンドロイドに見つからないように、地味に移動しながら闘技場付近まで到達できた。

「ここまでは問題なかったわね! 昼過ぎだからそろそろ始まる頃ね。」

すると、アンドロイド達で満員の会場が賑やかになり盛り上がりを見せ始めた。

「ウォー!!」 罪人が登場したのであろうか?

そして、このショーを仕切るアンドロイドのアナウンスが始まった。


「ジェット、この壁を登って見てきて!」とお願いすると、ジェットはコロッセオの壁面を登りエリカにその映像を送ってきたのだった。

ジェットが見ている映像はエリカの眼球に植え付けられているチップに反映されて共有できるのである。


「見えるわ! やっぱり、昨日見たところに断頭台があって、その前に人キメラ達が拘束されて並んでいるわね。」

「へー そんなこともできるんだ!? 君たちってすごいねー!!」

「そろそろかしら! ヒデ、いくわよ! 気持ちの準備はいいかしら?」

「うん、昨日教わった通りにやるよ!いざとなったらこのレーザーソードを使うから!」と今までに見たことがない気迫を感じられた。


「シェイプシフタースピーダー」と号令し、ジェットはスピーダーに変化した。

そして2人はそれに跨り空に飛び上がった。

スピーダーは直線距離で飛んで行き断頭台があるステージに難なく着地できたため、人キメラ達が並んでいる側に寄せて止まった。


エリカはスピーダーから降りると、レーザーブレードを抜き宙に掲げるとコロッセオの観衆に向かって、

「私は、あなた方の未来社会から送られてきました。この人キメラ達は無実であり未来世界では必要な方々です。ここで命を奪わせるわけには行きません!」と叫ぶと、レーザーブレードで5人の拘束を解いたのだった。

闘技場の観衆は、このイベントの演出だと思っているようである。


しかしながら壁面のレーザーキャノンを見てみると4機がエリカを狙って砲塔が動いているのがわかった。

「ヒデ、来るわ! 頼むわよ!!」と叫ぶと、エリカは猛スピードで走り出した。

彼女は一つのレーザーキャノンに向かっているようだ。


そして、残り3機がレーザー砲を撃ってきた。

会場には大混乱が起こっていた。

エリカはレーザー攻撃をアクロバットのようにヒラリと交わすと飛び上がり、まず1つ目のレーザーキャノンを破壊した。

そして、もの凄い速さで次のレーザーキャノンに向かっている。


その間、ヒデは指示されたように人キメラ達をシェイプシフター付近に誘導し、スピーダーをリーパーに変形させる操作をしているのであった。

「あっ、きみか!? ありがとう!!助かったよ!恩にきるよ!!」とエンジェルが叫んだ。

「まだ、安心するのは早いですよ! まずはここから無事脱出しましょう!」


すると、ソルジャータイプの武装したアンドロイドがこっちに向かって走ってきているのが見えた。

『きたな!』 準備が済み残った操作としてはエリカを待ってアイコンをタップするだけとなっていたのである。


ヒデはキメラ達の前に一歩出て、エリカから預かったレーザーブレードを手に握ると青く光る刀身が出てきた。

「シュウィーン!」

そして、エリカから鍛えられた通りに構え戦闘体制に入った。


まずは5体のソルジャー達がソードを抜いてヒデに襲いかかってきたのだった。

ヒデはエリカと訓練した時のように、その攻撃をレーザーブレードで防いでいる。

『僕って、こんな闘いができるようになったんだ!!』と感激しているようだ。

自信を持てたヒデは、すぐに攻勢に転じ冷静に1体2体と破壊していったのであった。

エリカから学んだ型により敵の攻め方に応じた対応ができているため、あまり力がないヒデでさえもアンドロイド達よりも俊敏に動くことにより先手を取れるのであった。

その結果、ドンドン削っていくことができ最後のソルジャーキャプテンと格闘中である。


一方、エリカは3機のレーザーキャノン攻撃を俊敏に避けながら、全てのレーザーキャノンを破壊することができた。

そして、すぐにヒデが待ち構えているステージに戻ると、ヒデが格闘中の最後のソルジャーの背後から一振りで背面を切り割きヒデの横に立った。


「よくやったわね!!さあ、さっさと戻るわよ!」と辺りを警戒している。

ヒデは、ドキドキしながら「みんな、僕のそばに寄って!」と叫んでアイコンをタップした。

すると、スピーダーは変形し7人をギリギリ包み込むようなバルーン状に変形していった。


その瞬間、エリカは座標を示すスクリーンパッドをタップすると、リーパーが起動しあたりの風景が変わっていったのだった。


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