序ー27話
両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。
そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。
この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。
「ジェットただいま〜」
するとジェットは玄関先で今まで見たこともない招き猫のような仕草をしているのである。
「あら? なんかジェットの様子が変ね!?」と言ってエリカはジェットを抱き抱えた。
「何かメッセージがあるみたいだわ。 そうそう、この前行った未来の異世界なんだけど、ジェットとはネクストワールドって呼ぶことにしたんだけどね、そこに異変を感知したみたいだわ。」
「ネクストワールド? その異変って重大な事なのかな?」
「詳しくは行ってみないとわからないけど、ジェットが気にするぐらいだから大切なことなんだとは思うわ。」
「じゃあ 準備して様子を見に行く??」
「疲れてはいるけど、その方がいいかもね!」
早速、エリカは全身ブラックのバトルスーツに着替えると、
「ねえ、ヒデ、今回は何が起こるか予測ができないから、これを渡しておくわね。」と言って、手のひらに収まる白い円柱らしきものを渡した。
「これは?」
「これ、私と同じレーザーブレードよ!」
「あ、あれか!! どう使うの?」
「そのグリップ部分を強く握りしめてみて、剣が出てくるから。でも、その時気をつけてね!」
「こうかな?」と言って、ヒデは強く握ってみた。
すると、「シューン」と音を立てて薄くブルーに光るレーザーソードが瞬時に伸びてきたのだ。
部屋の中なのでぶつからないように振ってみたのだが、
「これって、軽いんだね!? 何も持っていない感じ。」
「そうよ、でも、そのレーザーは鋭いから少しの力で対象物を切り落とせるから気をつけて使ってね。
それと、それは充電式だから連続使用時間は30分なの。また格納すれば自然に充電するけどね。」
「わかった。ありがとう! 今度は君から剣技の指導も受けたしお役に立てるように頑張るよ!」
「でも、ヒデの命が最重要だからもしもの時だけで無理はしないでね!」
「わかったよ!」
「それじゃ、行くわよ! ヒデ、私の後ろに来て!」
ジェットにコントロールパッドを差し込むと、いつものように「シェイプシフタートランスファー」と唱えた。
すると、また2人を包み込むようにジェットは成形していきあのタイムリーパーに変形したのだった。
「では、ネクストワールドに行くわね! 私に捕まってね!」と言うとスクリーンをタップした。
また、あの変化が起こり転移現象が起こった後リーパーは静止した。
ドアを開けて外に出てみると、そこは2人に与えれらたあの異世界の部屋の中だった。
「あっ、そうか、今度はこの部屋にリープできるんだね?」とヒデが驚きながら言うと、
「そうよ。ジェット、ジェンジバック!!」と唱え、
ジェットは漆黒の猫に戻った。
「この通信機で状況を聞いて見ましょう」と言いながら、部屋に備え付けのインターフォンを押すとコントロールセンターにつながったようだ。
「私、エリカと言いますが、サブリーダーはいますか?」
「あっ、エリカ様ですね!? 少々お待ちください。」という女性の声が聞こえた。
暫くすると、「エリカか?? いいところで戻ってきたな!」と言うエンリケの声が聞こえた。
「何か、この世界で異常がありましたか?」
「よくわかったな!大変なことになってるんだ。すぐにこの前のミーティングルームに来てくれ!」
「わかりました!」
「やっぱり、何か起こってるみたいね!」
「みたいだね。ジェットは僕が抱いていくよ!」
と2人は早速ミーティングルームに向かった。
「本当にいいところで来てくれたな!感謝するよ。
実は、破壊されたアンドロイドがこの森で発見されたんだ。それが原因で、シティ内のアンドロイドの間で噂が広がり、人キメラか我々ヒューマンがやったと言うことになってるんだ。」
「それでどうなったんですか?」
「ああ、やり口が剣で切られたような感じで、体が真っ二つに分かれていたとかで、ソードを扱えるのは人キメラか我々か?と言うことになったんだ。で、アンドロイド達の捜索が入って、でも、ここにはそんなアンドロイドのボディを真っ二つにできる武器はないと説明したら、人キメラに疑いの目が移り彼ら5人がシティ内に連行されてしまったんだ。」
「えっ じゃ、あの方達は捕まってしまったのですか?」
「ああ、そうなんだ・・・我々も彼らにはお世話になっているし、ある意味盟友だからなんとかしたいんだが・・・あのシティに入る術がないんだよ。」
「なるほど、で、彼らはどうなるんですか?」
「それが、シティ内のパニックを収めるために見せしめにするらしいんだ。」
「見せしめって??」
「明日、闘技場で処刑されるとか・・・」といってエンリケは珍しく頭を抱え込んでしまった。
『これは、まずい!きっとと言うか、絶対に、あの時私がアンドロイドをレーザーソードで切ったことの話だ・・・
あの時 ボディを処理すべきだった。森の中だから見つからないだろうとタカを括ったのが不味かったわ。
しかし、この事をエンリケに今言うことはできない・・・どうしたらいいのかしら・・・
そうだ!私が原因なんだから、彼らを助ければいいんだ!!』
「私が彼らを助けにいきます!!」といきなりエリカが言った。
「えっ、君が??」とエンリケは驚いた表情になった。




