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ドロイドサイリウム ー 漆黒の猫 序の章  作者: 三海怜


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序ー20話

両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。


そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。


この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。


2人は各々家に戻ったところである。

すると、突然、エリカのコントロールパッドにジェットからのエマージェンジーアラームが鳴ったのだ。

ジェットの現在位置を確認すると、なんとまだ高校の校庭である。

「ジェットから緊急事態のアラームが鳴ったからちょっと行ってくるわね。ヒデはここで待っててね!」

「ああ、わかった!でも気をつけてね!!」


エリカはあの精悍なブラックスーツに早着替えをするとすぐに出ていってしまった。

そして彼女は高校までジョギングでもしているかのように走っていった。

『あ、あれだ!!』

誰もいない真っ暗になった校庭に2匹の黒猫が激しく争っている。

それだけを見ると普通の猫の喧嘩に見えるのだが、

その後方には背の高い男性が腕を組んで立っているのが見えたのだ。


「ジェット、こっちに来て!!」とエリカが呼んだ。

「まんまと引っかかったな!やっぱり、お前がガーディアンなんだな!」とその男が言った。

「そう言うあなたはメイル(男性の)アンドロイドなの?」

「そうだ、俺のシェイプシフター(漆黒の猫)からあの男を発見したとの通知を受けて早速リープしてきたんだよ。」


未来からのアンドロイドを持っても何故すぐにお目当てのヒデを抹殺できないのか?

それは未来から来た彼らであっても過去を改ざんすることは許されないためであった。

またそれに未来世界からの介入の証拠を残すことも許されないために、未来で使用する武器類の使用は禁止されているのであった。

ただ、アンドロイドのガーディアンに対する攻撃はそれが及ぶ範囲ではない。


メイルアンドロイドは自分のシェイプシフターから武器を引き出した。

2本のダガーである。

2人はお互いの漆黒の猫を後ろに従えて距離を取ってのファイティングポーズとなった。

エリカとしてはここでただならぬ騒音を出し誰かに気づかれるとまずいのであるが、彼女の武器の中では暗闇の中で目立ってしまうレーザーソードしか使えないのである。


すると彼女はコントロールパッドを手に持ちジェットを抱き抱えた。

そして、コネクターをおへそに差し込んで、「シェイプシフタートランスファー・スピーダー!」と命令すると、ジェットの形状が変化を始めてスピーダーへと変化した。

メイルアンドロイドの一撃を受ける前に、スピーダーに飛び乗った彼女は空中へと飛んで行ったのだった。


『逃げられた!!』

メイルアンドロイドも急遽自分の猫を抱くと、同じようにスピーダーに変身させてエリカの後を追った。

エリカは低空にて猛スピードで飛行し、まずは東京湾に出て行った。

空中戦の場合レーザーガンを使用するため人目につかない海上を選んだのである。

一方アンドロイドも猛スピードで彼女を追って来ている。


あっという間に東京湾を抜けて太平洋上に出てみると海上は灯りが確認できない真っ暗な空間であった。

『ヨシ!ここなら大丈夫!』と、エリカは方向を180度旋回し追ってくる彼のスピーダーを捉えた。

「レーザーマシンガン発射!」とトリガーを押し彼を狙った。

「ピュンピュンピュンピュン!」

その攻撃をアンドロイドは回避すると、今度は彼がレーザーマシンガンを放った。

同じようにエリカもその攻撃を回避した。

それを繰り返している状況で勝負がつかない状況である。

スピーダー2機は海上でレーザー攻撃をしながら行ったり来たりと交差し激しく空中戦を繰り広げているのだ。


そうこう繰り返しているうちにジグザグに動きが速いエリカの攻撃に押されて後ろを取られたアンドロイド機が被弾し煙をあげながら速度が落ちていった。

そして、遂に炎上しながら太平洋上に落下していったのだった。

『やったわ!! やっぱりメイルアンドロイドごときはそこまでね!! 所詮AIなのよね!!』

エリカは敵機の撃墜を確認すると再度内陸方面に飛んで消えていった。


「ジェット!やったわね!!大成功よ! 取り敢えずこれでよかったわ!! じゃ、戻るわね!」

エリカとしては、せっかくのチャンスにトドメを刺したっかのではあるが、トドメ=アンドロイドの爆発音となるため、この場で騒ぎを起こす事は得策でないと判断し海上にアンドロイドを残してきたのであった。


『しかし、あいつ! どこで破壊したらいいんだろう??』






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