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ドロイドサイリウム ー 漆黒の猫 序の章  作者: 三海怜


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序ー18話

両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。


そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。


この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。

「おはよう!」

また、朝が来た。

そして、エリカは昨日と同じように先に起きていた。


「あっ、おはよう! よく眠れた?」

「ええ、眠れたわよ。ヒデは?」

「なんか、旅行の話をしたから色々と想像してなかなか眠りにつけなかったんだよ・・・」

「とりあえず、コーヒーとトーストは準備したから朝食にしましょう!」

「えっ、そうなんだ! ありがとう!! さすが、気がきくね!!」

と、2人はデスクに座ってコーヒーを飲み始めた。

「2人で飲むモーニングコーヒーっていいもんだね!!」としみじみと言うと、

「そうね、やっぱり1人より2人の方が同じものに共感できるし過ごせる空間も広がるわよね。」

と、予想外の深い言葉が返ってきたのだった。


「そういえば、昨日のスピーダーでヨーロッパに行ったらどのぐらい時間がかかるか?って言うことなんだけど。私、起きてからジェットのスピードでヨーロッパのスペインに行ったらどのぐらいかかるんだろう?と思って計算してみたの。」

「そうなんだ!? で、どのぐらいかかるの?」

「6時間ぐらいかな? オートパイロットモードで。」

『と言うことは、飛行機の半分ぐらいになるんだね!?でもそんなに早くつけるのか?』と驚いた。

「そのオートパイロットモードっていうのは、寝てられるってこと?」

「そうよ。」

「いいねー!!、それだったらエリカも楽だし、せっかくの夏休みだから行ってみようか?!!」

「わかったわ! じゃ楽しみにしておいてね!!2人で感激できることやりましょう!」とエリカは嬉しそうであった。


「それじゃ、今日のところは普通に学校へ行きましょう!」

「でも、別々に行かないとね!」

「そうだったわね。じゃ、私が先に出るわね。行ってきまーす!」と言ってすでに制服を着ていたエリカはジェットと一緒に出ていった。

ヒデは、このわずか1ヶ月もしないうちに全く変わってしまった生活に驚くと同時に、このあり得ないカワイイ女子との共同生活という人生初の甘い幸せを噛み締めているのだ。


そして、いつも通りに学校に着いた。

「おはよう!野崎さん」

「あっ おはよう、石塚くん!」

まだ、誰にも怪しまれていないようで偽装は上々である。


「清水、おはよう!」

「おう!おはよー!」

漫研の仲間もいつも通りである。

すでに週末に起こった異世界での出来事は夢の中の話となっていた。


須藤と浅井もいつも通り一緒に登校し、ヒデと清水、そして野崎のいるあたりに近づいてきた。

「おっはー!!お前たち、夏合宿どこがいいか考えてきたか??」

すると、野崎エリカが、

「私、やっぱり温泉がいいかなーって。」

「温泉なのか・・・まあ、高校生は3年間あるから、どうしてもっていうんなら今年は温泉でもいいんだが・・・ でも、混浴がいいかな!?」と須藤が言うと、

「アホ!あの2人がまた怒るぞ!!」と浅井が嗜めた。

そして、ホームルーム開始のチャイムがなった。


一限目は英語の授業が始まった。なんと英文学のシェイクスピアなのだ。

オーラルイングリッシュならばまだ実用的なので気分も上がるのだが、ヒデも昔の文学作品を今更学んだって意味あるのだろうかと思っている輩の1人なのである。

とは言っても、担当の駒崎先生はこの高校の先生の中では大学を卒業したばかりの貴重な美人先生のため、見ているだけでも気分が上がるのでだった。


『だかしかし・・・もし中世の異世界に転移したとしたら、言葉もその時代の外国の言葉を話しているのだろうか? だとすると、その言葉を知らない僕らと会話は成り立つのだろうか??』と転移先での会話をイメージしながら、ふと気づいたのだった。

『でも、僕らが行ったあの未来社会では、今更だけど言葉が通じたよな!?いったいどういう仕組みになっているんだろうか??』とボーッと校庭を眺めていると、


『あれ!あれってもしかしたらジェットか!? もう1匹と喧嘩してるじゃんか!

相手は同じような黒猫だけど、これってもしかしたらジェットと同じような『漆黒の猫』なのか?

てことは、アンドロイドがいる??

それともそこら辺にいる普通の黒猫なのか??』


そのうち、喧嘩の勝敗がついたのであろうか? ヒデが再度校庭を見回した時には2匹の猫の姿はすっかり消えていたのだった。


「はい、石塚くん! さっきから校庭ばっかり見えいて、気になる女の子でもいるのですか?」と駒崎先生に見つかり怒られてしまった。

それを聞いた他の学生にも「なんだ、石塚、やるな〜!! もうお目当ての女子を作ったのか?隅に置けねえな!!」と揶揄われてしまったのだった。


『しまった〜 意外に先生見てるんだな! 美人の駒崎先生には好印象を持っていて欲しかったのに・・・』と顔が赤くなってしまったのだった。




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