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ドロイドサイリウム ー 漆黒の猫 序の章  作者: 三海怜


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17/24

序ー17話

両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。


そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。


この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。

「しかし、この部屋って1人用だから、2人で何かするのに向いてないよね!? プロジェクターのスクリーンはこっちの壁面にして、この反対側に2人で座れるローソファーでもおいた方がいいのかな?」

「いいわね!ラブソファでしょ?? カップルぽくて楽しそう!!」とエリカが嬉しそうに言った。


ヒデは、そのエリカの言葉に対して『本当の気持ちなのか?それとも明るくからかっているのか?』判断がつかずに「ハハハ・・・」と苦笑いをするだけであった。

「それじゃ、明日帰りがけに駅ビルに寄って買いましょう!! 楽しみね!!」とエリカから笑顔が溢れていた。


どうにか、2人でアニメを観る体制を整え冒険者ものを見始めた。

そして、買ってきたポッポコーンを摘みながらコーラを飲んでいる。

『人生初!! こんな風に女の子と過ごす時間って楽しいな!! やっぱり、こうやって一緒に過ごしてもエリカはカワイイ!!』と降って湧いたような幸せを噛みしめているのだ。


「ねえ、ヒデ? 今週末はもし何事も起こらなかったらどこか行かない? 

私 この世界には来たばかりだからこのあたりしか知らないのよね・・・」

「えっ いいね! なんか本当のカップルみたい!」

「何言っているの?私たちカップルじゃない!!」

「君がそう言うんだったら、そうだね。ハハハ…」

「じゃ、どこに行く?? ねえ、どこに行く??」

「その前に、ジェットはいつも一緒なの??」

「ジェットね、まあ、そうよ!用心棒だからね。」

「ペットが入れないところも多いんだよね。」

「そうか! ジェットはペットと言うことになるのね!? 私ね。この世界はまだよく知らないの。だからこれから色々と知っていきたいかな・・・ あなたとジェットと一緒に。」


ヒデはそれを聞いて考えている。

『折角の初デートなのにジェットと一緒なのか・・・でもいったいペットと行けるところってどんなとこがあるんだろ?? うーん・・・

ショッピング系はNGだし、遊園地もダメ・・・ やっぱり猫と一緒だとほとんどダメだな。一体どんなところがあるんだろ??』


「そうだ! 都内も初めて?」

「ええ、そうね。」

「じゃ、『初めて物語』で千代田線で表参道駅まで行って、表参道を散策して代々木公園に行くってのはどうかな?普通のデートコースぽくていいと思うんだけど・・・

でも、電車に乗るときはジェットをバッグに入れないといけないけどね。」

「いいわね! このバッグはじゃダメ?」と言ってエリカはネイビーのアディソンスクエアガーデンのバックを出してきた。

「へえー そのスポーツバッグカッコレトロでいいね!! ジェットはちゃんと入るのかな?」

エリカはジェットを抱いて入れてみると、ちょうど頭が出るぐらいであった。

「入ったわよ! じゃ、そうしましょう! 楽しみね! また何事も起こらないといいんだけどね〜」


そして、2人は交互にシャワーを浴びてベッドに入った。

言うまでもなくエリカの隣でヒデはまたもや物凄く緊張しているのだ。

「ねえ、ヒデ? 起きてる?」

「ああ」

「私にとってこの世界は異世界だから、今とても楽しいの。ありがとう!」

「何言っているんだよ!エリカが僕を守ってくれてるんだろ!礼を言うのは僕の方だよ!」

「実は私の世界って、全然楽しくないのよ〜 だからガーディアンになることを志願したの。」

「そうなんだね?君の世界っていつか行けたりするのかな?」

「うーん、私は戻る気はないから難しいと思うわ。 だって、私たちはずっと一緒なんだから。」

「ハハハ、ありがとう!! 僕はすごく嬉しいよ! じゃーエリカのことを彼女だと思っていいのかな?」

「だって、カップルってそう言うことでしょ? いつも一緒にいるって私の世界の教科書で学んだんだけど。」

とあっけらかんとしている。


ヒデは「まあそうだね。」と言ったものの、

『でも、もしかしたら、彼女やカップルの定義が僕らの世界とは少し違うのかな?』とも感じめていた。

『いずれにしても、どこまでが彼女が思うカップルなのかは今のところ不明だけど、この状況でも全然いいから、これからゆっくりと進めて行ければいいのかな。』と思ったのだった。


「そうだ!エリカの好きなことってあるの??」

「私の好きなこと? うーん、冒険かな? そうだ!ヒデ! あなたに剣技を教えないとね!!」

「そうだったね!僕もいざという時は役に立ちたいからね。よろしく頼むよ!」

「それと、ジェットってこの前空を飛んだじゃない? 僕たちを乗せてこの世界でも飛んで移動できるのかな?」

「うーん、多分できるわよ。」

「そうなんだ!? へえー じゃ、色々冒険できるんじゃないかな?」

「どんな?」

「バレないように金曜の夜に移動して遠いどこかに行くんだよ!」

「世界は広いから、日本以外にも色々あるんだよ。例えば、ヨーロッパやアメリカ、僕はヨーロッパに行ってみたいな! だけど、飛行機で最低でも13時間ぐらいはかかるからな。ジェットだとどのぐらいで着くんだろう・・・」


「いいわね!そのアイデア! 調べてみるわ! じゃ今週は都内に行って、来週はその外国行きを検討してみましょう!」

「うん、なんか楽しくなってきたね!!」とヒデはいつになくワクワクしてきていたためまたもや寝るどころではなくなってしまった。

と言っても、隣から聞こえてくる彼女の寝息が更に想像力を掻き立ててくるのであった。


こうして同棲2日目が終わろうとしていた。











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