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ドロイドサイリウム ー 漆黒の猫 序の章  作者: 三海怜


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序ー15話

両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。


そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。


この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。

「この部屋がお前らの部屋だから、いつでも自由に使ってくれ!」と言いながら地下街の繁華街近くにある規則的に並んでいるドアの一つを開けた。


部屋の中を見ると、広いリビングダイニング、ベッドルームにシャワールーム・トイレがついていた。

「へえー 広くていい部屋ですね!」とヒデが言うと、

「だろ! このサイズはカップル用なんだ。お前らみたいな。」と言って笑っている。

エリカは嬉しそうにL型の大きなソファに飛び込んだ。

「このソファ、いい座り心地よ!」と初めてはしゃいでいる姿を見せていた。


「こういった家具類も森からとってきた木材で作られてるんだ。」

「なるほどね。だから木材が必要なんですね。でも、キッチンはないんですね?」

「ああ、俺たちは食物の有効活用のため無駄を排除するために自炊はしないんだ。だから、街で買ってきて食べるとかレストランで食べるとかになるな。」

「でも、私は料理が好きじゃないから、その方がありがたいわ!」とエリカが苦笑しながら言った。

「ここにインターフォンがあるから、何かあったら押してくれ!コントロールルームに繋がってるからな。」と言って出ていったのだった。


「へえー、いいね!! 僕の部屋より全然良いというか まるで天国みたいだよ!!」とヒデもはしゃいでいる。

「なんか、頻繁にきちゃったりして! ここ私達の部屋なのよ!」とエリカも満足そうな顔をしている。

「まあ、今回は初回のリープだったけど、ここまでできれば導線確保ということで言うことないでしょ!! この世界の人とも関係が作れて住居もゲットできちゃったわけだしね!!」

「うん、そうだね! 僕もまだよくわからないけど何故か楽しい気持ちになってきたよ!」

「じゃ、そろそろ、現実の世界に戻りましょうか?」


リビング空間は広く、あのタイムマシーンのような物体が入っても余裕がある空間であった。

そしてエリカはベッドに座って寛いでいたジェットをそこに呼んだ。

コントロールパッドを接続して「シェイプシフター・トランスファー!」と掛け声をかけると、また前回のようにジェットは変形しシルバーカラーの物体が現れた。


「さあ、帰りましょう!」と言い、エリカはヒデを後部座席に誘導しダッシュボード上の座標をコントロールしているようである。

「用意はいい?私達の世界へ戻るわよ!」と言いながらボタンを押した。

すると、ここに来た時と同じような現象が起こりその後に振動が止まった。


「ついたわ!」とドアを開けると、そこはヒデのいつもの小さな部屋の中であった。

「チェンジバック!」

その物体は再度変形しジェットに戻っていった。


「ジェット、今回もありがとうね!愛しているわ!!」と言いながら、ジェットを抱き寄せると、顔に近づけて頬擦りしている。

「しかし、無事戻れてよかったよー!! でも、なんか、あんな世界に行ってたなんて信じられない心境だね。」

「そうね! 初回の冒険としてはまあまあでしょ! でもちょっと、やらなくちゃならないことが・・・」

というと、ポシェットからパームサイズのコントローラーを取り出し、画面を見ながら何かをインプットしているのだ。


「何しているの?」

「ここを襲おうとしたアンドロイドの周波数を探知してあるから、それをインプットして今度来たらアラームで知らせる設定にしたのよ。」

「えっ 僕を襲おうとしたのはあの世界のアンドロイドなの??」

「うーん、アンドロイドはアンドロイドなんだけど、ちょっと違うのよね。もっと進化したアンドロイドなの。

未来世界では、女性型フィーメイルアンドロイドと男性型メイルアンドロイドが紛争をしていて男性型のメイルが人類を滅ぼそうとしているのよ。 まあ、このお話はおいおい詳しくしてあげるわね。あまり詰め込むとキャパオーバーになっちゃうでしょ!?」

「まあ、そうだね、今週末起こったことだけで目一杯だからね。そうしよう!」

なぜか、あれだけ異性を意識し無口だったヒデがエリカとだけは驚くほどに普通に会話ができるようになっていたのである。


「さて、冒険談は今日はここまでにして明日からまた学校なんだから学生らしく準備しましょう!」

「準備って??」

「私ここに住むことにしたでしょ?だから・・・」

「ああ、そうだったね。でも、部屋はスカスカだから君の荷物は入れられるとして・・・どこで寝ようか?」

「だって、このベッドはダブルサイズでしょ?私なら全然その半分を貸してもらえれば大丈夫よ。」


「えっ 一緒に寝るってこと??」とヒデは物凄く驚いた。

「イヤなの??」

「いやー いやってことじゃないけど・・・僕たち高校生だし、刺激が強すぎるっていうか・・・」

「ヒデが嫌なんだったら、私、全然床でもいいわよ。」

「えー それは可哀想だし・・・ 僕が守ってもらうのにもうしわけないっていうか・・・

じゃ、今夜は試しに2人でベッドで寝てみようか!?」

「わかったわ。気を遣ってくれてありがとう。」


と言う流れで驚くことに2人は一つのベッドで寝ることになったのであったが・・・

ヒデとしてはこともあろうにこの会ったばかりの美人女子と一つのベッドに一緒に寝ると言うことが、情けない事に人生の一大事であり不安でしかないのだった。






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