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ドロイドサイリウム ー 漆黒の猫 序の章  作者: 三海怜


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序ー12話

両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。


そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。


この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。

お互い出方を見ていたのだが、まずエンリケが力を込めて大きな一刀を振り下ろした。

エリカはそれをヒラリとかわし左によけた。

すると、振り下ろした剣を瞬時に返しエリカがいる位置まで振り上げたのだった。

通常であれば、そこで一本となり試合終了であるが・・・

エリカは身を屈み、俊敏にその振り返りをかわしたのだった。


「ははー 機敏だな。」とエンリケが言うと、剣を中心に構えエリカの正面に向かって右振り左振りと素早く突っ込んできた。

エリカはその振りを木刀で受けながら後退していったのだが、エンリケが決めようと振り上げた時であった。

瞬時に剣を横に構え、目に見えないような速さでエンリケの右横に出た。

その時、エリカの剣はエンリケの横腹に当たる寸前で止まった。


「決まったわね!」とエリカが言った。

「だな! 意外にその細い身体でやるんだな!!わかった、では明日実際に試してみよう。ただ、キメラはコアである心臓を突かないとまた再生してくるから注意しろよ!」


そして、2人には宿泊場として簡易的なシングルベッドが2つある部屋を与えられた。

「このカードも渡しておくよ。この街のカフェ・レストランで使えるから自由に夕食をとってくれ。これは俺からのささやかな歓迎だよ。じゃ、明日は8時に出発するからな。」と言って出ていったのだった。


早速2人は雰囲気が良さそうなカフェに入ってサンドウィッチらしきプレートを頼んだ。

「しかし、エリカ!すごいんだね!! ほんと驚いたよ!! そんなに強かったんだ??」とヒデは余韻冷めやらず興奮状態である。

「まあね、いつも鍛錬してるって言ったでしょ!?」

「まあ、そうは聞いたけど、あんな屈強な戦士をやっつけるとは思わなかったよ・・・」

「僕にもそのうち教えてほしいな!」と驚くほどヒデは興味を持っている。


「ええ、わかってるわ。私の予定では日曜の夜には元世界に戻るわ。そしたら、その後は剣技の鍛錬をして行きましょう!」

「今日は金曜日だから・・・そうだね、明後日に戻るってことになるんだね。でも、戻ると僕を狙っているヤツってのはいなくなってるわけ?」

「いいえ!」

「えっ、じゃどうするの?」

「これからは私があなたを守るわ!」

「えっ、でもどうやって??」

「一緒に生活しましょう!」

『え、マジ?? こんな綺麗な女子と一緒に住むってことか?? それは嬉しいけど・・・』と驚きの表情となった。


「それって、僕の部屋に一緒に住むってこと?」

「ええ、そうよ。その方がすぐに対応できるから安全でしょ! ジェットも一緒だけどね。」

「なるほど・・・」

「嫌なの??」

「嫌じゃないけど、年頃の男子と女子が一つの部屋で生活するのって恋人同士みたいなことでしょ?」

「そうね、別にいいんじゃないの!? ヒデが嫌じゃなかったら。」

「えっ そうなの?? でも、緊張するな・・・君は全く抵抗ないのかい?」

「ないわよ」

「全く??」

「全く」

不思議とヒデはそんなことを気にしている方がおかしいような錯覚になってきた。

「・・・・・ わかった。じゃとりあえず試してみようか・・・」


この夢の中のまた夢のような出来事に身体も麻痺し、疲労したヒデは簡易ベッドの上ですぐに眠りに落ちてしまったのだった。


「ねえ、起きて!朝よ!」と言うエリカの呼び声でヒデは目を覚ました。

『ここはどこだ?? あっ そうか! 異世界に来てしまったんだった。』と思い出した。

「私は出かける準備をするけど、あなたは? ここに残る?」

『そうか!エリカはヒューマン達の護衛をするって言ったんだった。』と昨夜のことをやっと思い出したのだった。

「いや、僕のためにやってくれてるんだから、僕も行くよ! でも、足手纏いにならないかな?」

「あの人たちと同じ行動をしてくれれば問題ないわよ。」


そして、2人は集合場所に向かっていった。






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