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ガチャとRTA持ちだけど、早く帰って昼寝したい  作者: parade
第一章

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第6話 最速より、間に合うほうがいい

 狼の群れに大和が正面から突っ込み、俺は横から回り込んだ。

「詩織、硬直の瞬間だけ教えろ。ガチャ回す時間を作る」

「三秒後、まとめて隙。……今!」

 俺は石を全部つぎ込んで、ぶん回した。当たれ。頼むから当たれ。


 ――SR『爆ぜる火薬瓶』獲得。

 ――SR『時間差の落雷符』獲得。

 ――R『足止めの粘着網』獲得。


 外れじゃない。今日はガチャの神様がこっち向いてる。俺は網で群れを縛り、火薬瓶を投げ、落雷符を置いて後退した。

 数秒後、七階の巣が光と轟音で埋まった。



「陽菜、立てるか」

 俺は転んだ陽菜に手を伸ばした。膝を擦りむいて、ちょっと涙目になっている。

「……りっちゃん、逃げなかったの? 記録、大事なんじゃ」

「記録より、置いてくほうが後で面倒。夢見が悪いと昼寝の質が落ちる」

 陽菜がふっと笑って、俺の手を取った。回復スキルが淡く光って、擦り傷が消える。

「ありがと。あと、その言い訳へたくそ」

「うるさい」


 RTAのタイマーは止まったままだった。それでも不思議と、悪い気はしなかった。

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