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第4話 嘲笑う上級生と、まくらの尊厳
「へえ、外れスキルの新人が十階層ぁ?」
翌日、廊下で絡んできたのは探索部の三年だった。攻撃スキル自慢の連中で、ダンジョン部を見下している。
「ウチらでも八階止まりなのに、廃部組が笑わせんな」
大和が食ってかかろうとしたのを、俺は手で止めた。争いは疲れる。疲れると寝られない。
「じゃあ賭けよう」と俺。「先に十階に着いたほう。負けたら二度と絡まない」
「はぁ? お前が挑発すんの?」
「早く終わらせたいだけ」
▽
彼らは装備を固め、ルートを研究し、三日かけて準備を始めた。
俺はその日のうちに潜って、無料単発ガチャを回しながら適当に走った。
――本日の無料ガチャ:『すり抜け防止のお守り』獲得。
「地味に有能じゃん、これ」
RTAが道を描き、ガチャが穴を埋める。二つが噛み合うと、外れは外れじゃなくなる。詩織がメモを取りながら呟いた。
「あなたのスキル……単体だと平凡。でも組み合わせると、探索効率が理論値に張り付く。こんなの、反則」
「褒めても枕はやらん」
「誰も欲しがってない」
三年生が準備を終える頃、俺たちはもう六階を踏破していた。




