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ガチャとRTA持ちだけど、早く帰って昼寝したい  作者: parade
第一章

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第3話 ガチャは、だいたい木の棒

 ボスは岩みたいなトカゲだった。RTAが弱点部位に赤いマーカーを出す。

「大和、右前脚。詩織、鑑定で硬直タイミング。陽菜は俺に回復張っといて」

「え、なんで急に指揮!?」

「早く帰りたいから」

 三十秒で終わった。トカゲが崩れ、光の粒になって、俺の視界に文字が出た。


 ――討伐報酬:ガチャ石×10 獲得。


「ガチャ石?」

 もう一つのスキルだ。石を消費して何かが出るらしい。せっかくなので十連ぶん回した。

 目の前に虹色の筒が現れ、光が弾け――ぼとぼとと落ちてきた。


「木の棒」「木の棒」「木の棒(N)」「かじりかけのパン」「木の棒」


「外れじゃん!」大和が笑い転げた。

「うるさい。あと一回で――」

 最後の一枠が、金色に光った。


 ――SSR『疲労全回復のまくら』を獲得しました。


 俺は無言でそれを抱きしめた。ダンジョンで昼寝できる枕。神引きだ。人生で一番いいものを引いた。

「なんでそんな嬉しそうなの……」陽菜が引いていた。



 部室に戻ると、顧問がしけた顔で紙を貼っていた。

 『ダンジョン部・存続条件:今学期中に《第十階層主》討伐』

「十階層って、うちの学園ダンジョンの未踏破区域だぞ」大和が唸る。

「歴代の先輩、誰も届いてないやつ」と陽菜。

 俺は枕を抱えたまま考えた。潰れると部室が消える。部室が消えると、この最高の昼寝スポットが消える。

「……やるか」

 枕のためなら、俺は最速で世界を攻略する。


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