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ガチャとRTA持ちだけど、早く帰って昼寝したい  作者: parade
第3章/『全国大会と、深すぎる場所』

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第22話 開会式と、視線の刺さる音

 会場の孤島・竜骨島(りゅうこつとう)は、島そのものが巨大ダンジョンだった。

 半世紀前に出現した国内最大級の海上ダンジョンを、協会が競技用に管理・整備したものらしい。港に降りた瞬間、俺の視界が勝手に走り出した。


 ――『RTA』:超大規模ダンジョンを検出。スキャン中……階層数、推定五十以上。

 ――未知領域:地下深部に《計測不能》の空洞を検出。


「計測不能、ね」

 管理者の姉とやらは、RTAでも測れない深さで眠っているらしい。まあいい。まずは大会だ。三百万だ。ソファだ。



 開会式は派手だった。全国から三十二校。スタンドには観客とカメラ。俺たちが入場した瞬間、場内が変にざわついた。

「見ろよ、あれが例の」「深層接続を四人で止めたって高校だろ」「一年生だけらしいぞ」「眉唾じゃねえの」

 値踏みする視線が刺さる。大和は手を振って応え、陽菜は緊張で同じ側の手足が出ていて、詩織はいつも通りの無表情。俺は欠伸を噛み殺していた。昨夜、移動の疲れでよく寝られなかった。


「――随分と余裕だな、特別枠」

 声をかけてきたのは、白い制服の集団だった。先頭の男は俺と同年代なのに、歩き方に一切の無駄がない。

聖鐘学園(せいしょうがくえん)如月冬夜(きさらぎとうや)。今大会の優勝候補、って言えば分かるか」

「遊佐律。昼寝がしたい」

「……は?」

「こっちの話。で、何か用?」

 如月は俺を上から下まで眺めて、ふっと笑った。

「深層接続の解決、協会の報告書を読んだ。四人で、装備も並で、三十日制限の未知深層を二十五日で踏破。……最初は誤記かと思ったが」

「誤記だったら楽だったな」

「俺のスキルは『千里眼』だ。この島の全ルート、全湧きポイント、既に頭に入ってる。情報戦じゃ誰にも負けたことがない」

 視界の隅で、RTAの線がちらりと揺れた。似てる。こいつの見てる世界は、たぶん俺のと少し似てる。

「だから分かる。お前の目、俺と同じ側の目だ。――決勝で当たろう。どっちの《目》が速いか、白黒つけたい」

 言うだけ言って、白い集団は去っていった。

「なんか、ライバルっぽい人来たね!」陽菜が楽しそうに言う。

「約束はしてないからな。俺は準決勝で負けても構わん」

「その手抜き宣言、フラグって言うのよ」と詩織。

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