20/36
第20話 お昼寝会と、次の夢
深層接続は静かに閉じた。学園ダンジョンは元どおり、地図にない階段は消えた。
協会の精鋭が四十日目に到着したときには、報告書一枚で全部終わっていた。曰く『原因は解消済み。対応者、学園ダンジョン部』。
しばらく取材やら表彰やらで面倒だったが、RTAで最速で受け流した。
▽
そして約束の、打ち上げお昼寝会。
部室に持ち寄られたブランケットとクッション。詩織は「非効率」と言いながら自前の枕を持参し、大和は五秒で寝落ちしていた。勇者(仮)の睡眠力。
「りっちゃん、はい」
陽菜がブランケットを掛けてくれる。SSR枕に頭を沈めると、世界で一番正しい姿勢が完成した。
「なあ、陽菜」
「ん?」
「……週一の約束、あれもういいわ。普通に、毎日来る」
「! ……うん。待ってる」
まどろみの縁で、遠くから声が聞こえた気がした。あの管理者の少女の、穏やかな寝息に混じって。
――アリガトウ。イツカ、モット深イ場所デ。
深い場所。まだ、下があるのか。
まあいい。それは起きてから考えよう。今日の目標は、もう達成した。
――『RTA』:昼寝開始。記録:人生最速。




