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ガチャとRTA持ちだけど、早く帰って昼寝したい  作者: parade
第二章/『本物のダンジョンと、昼寝の防衛戦』

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第19話 最深部の主は、よく寝ていた

 扉の先は、白い部屋だった。

 中央に、大きな寝台。そこに横たわっていたのは、竜でも魔王でもなく――少女の姿をした、半透明の存在だった。


「……アナタガ、鍵」

 少女が身を起こす。夢で聞いた声、そのものだった。

「ワタシハ、コノ試練場ノ管理者。長イ長イ休眠ノ途中。ダケド装置ガ壊レテ、休眠ガ《暴走》ニ変ワッタ。三十日後、ワタシノ夢ガ溢レテ、地上ヲ呑ム」

「モンスターの氾濫って、あんたの……寝相か」

「有リ体ニ言エバ」

 脱力した。都市を三つ消した大災害の正体が、壊れた安眠装置。

「鍵ノ力デ、装置ヲ直セル。『可能性ヲ引ク力』デ部品ヲ、『最短ヲ視ル力』デ手順ヲ。……オ願イ。ワタシハ、タダ、静カニ眠リタイダケ」



 俺は少女を見た。理不尽に暴れる存在じゃない。ただ、眠りたいだけの存在。

 ――こいつ、俺だ。

「大和、詩織、陽菜。手伝ってくれ。こいつの安眠、俺たちで直す」

「お前がそんなに乗り気なの初めて見た」

「同志だからな」

 ガチャを回す。天井交換所に、いつの間にか『安眠装置の部品』の列が増えていた。木の棒も、かじりかけのパンも、全部が部品に換わっていく。RTAが修理手順を光の線で描く。

 最後の部品をはめた瞬間、白い部屋に、柔らかな寝息の音が満ちた。


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