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ガチャとRTA持ちだけど、早く帰って昼寝したい  作者: parade
第二章/『本物のダンジョンと、昼寝の防衛戦』

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第17話 下層・夜の階層と、眠れない律

 下層は永遠の夜だった。偽物の月、鳴かない虫、温度のない風。

 そして、この階層に入ってから、あの夢の声が近くなった。


 ――深イ。モウ、スグ。オイデ。


「りっちゃん、三日寝てないでしょ」

 野営の焚き火で、陽菜が隣に座った。ごまかそうとしたが、幼なじみに睡眠のごまかしは利かない。

「声がな。近いんだ。寝ると、引きずり込まれそうになる」

「……最深部の何かが、りっちゃんを呼んでる?」

「鍵を呼んでるんだろ。開けてほしくてさ」



「怖い?」

 陽菜がまっすぐ聞いてきた。俺は少し考えた。

「怖いっていうか。開けた先で面倒が始まるのが嫌だ。俺はただ、昼寝がしたいだけなのに」

「なら、こうしよ」陽菜が指を立てた。「終わったら、打ち上げ。部室で、みんなでお昼寝会。あたし、ブランケット持ってく」

「……なんだそれ」

「ゴールの用意。りっちゃん、ゴールが決まってると速いから」

 視界の隅で、RTAのタイマーがわずかに輝いた気がした。ゴール設定:完了、とでも言うように。

 その夜、俺は久しぶりに、声の聞こえない眠りに落ちた。

 残り、七日。

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