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ガチャとRTA持ちだけど、早く帰って昼寝したい  作者: parade
第二章/『本物のダンジョンと、昼寝の防衛戦』

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第16話 ガチャの天井の、その先

 中層を抜ける鍵は、巨大な水門だった。開くには膨大な魔力が要る。うちに魔力タンクはいない。

「ガチャで魔力系のアイテムを狙うしかない、けど……」

 詩織が渋い顔をした。「確率、相当低いと思う。SSRの中でも特定品狙いは」

「ピックアップもすり抜けもあるのがガチャだ。でも――」

 俺はスキル画面を眺めていて、初めて気づいた。隅に小さく、見慣れない項目がある。


 『天井交換所:未開放』

 『開放条件:累計排出、木の棒×100』


「……おい。木の棒、今まで何本出た」

「記録してる」詩織が即答した。「九十八本」



 周回二周で、記念すべき百本目の木の棒が出た。交換所が開いた。

 並んでいたのは、今まで引いたハズレたちと交換できるアイテムのリスト。木の棒百本の交換先に、それはあった。


 『大水門の緊急開放レバー(一回きり)』


「ピンポイントすぎるだろ!」大和が叫ぶ。

「つまりこのガチャ、ハズレも含めて全部……このダンジョンの攻略パーツだったのね」詩織が眼鏡を押し上げた。

 外れの木の棒にすら、意味があった。俺は少し笑ってしまった。

「回した奴が、最後に勝つ」

「格言っぽく言ってるけど、ただの物量よ」

 水門が開く。下層への道が、口を開けた。残り、十日。

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