インタビュー・ウィズ・ワイブズ。
対魔 蹴速。コウチ、ダイコウチを代表する最強実在。魔神が表立っていない以上、事実上の対人最強と言っても良い。若年ながら、その男には、妻が居る。20人程。今回は、その妻達の問答集を紹介しよう。
コウチナンバーワン。一一人 有我。
初対面の印象は、最悪だったね。梅ちゃんの見てない所で、さくっと斬っとこうと思ってたもん。まあ、出来なかったけど。斬りたくなかった、のではなく。斬れなかった。ボクより強かったから。初めて会ったよ。斬れるか斬れないか、分からない相手に。他国ナンバーより、コウチナンバーより、ボクより強いかも知れない。出来るなら、ボクの代では会いたくなかったってのが本音。斬れないなら、一一人は終わるしかない。斬り捨て生きるか、斬られ死ぬか、どちらかの生き方しか無いのだから。
それでも、その強さ。いや、動じなさと言うのかな。自分が立ち塞がれなかった魔神を相手に、退かない者。一一人の理想を体現していた。
あと、ドラマを一緒に見れそうだから、結婚しちゃった。
コウチナンバーツー。二神 太郎花八郎神無。
俺か!そうだな、奴は強かった、俺よりも!故に!
以上だ!
コウチナンバースリー。三鬼 梅。
何故、蹴速だったのか、か。特に、これと言った理由も無いな。実は、な。
恩人だからかな。あえて理由を探すと。この国を守ってくれた。私を守ってくれた。命の礼は命で返す。至極当然。何の不思議も無いだろう?自然のなりゆきで、普通に一緒になった。それだけの、この世界に良く有る夫婦さ。
3名家直属、蹴速亭警備員筆頭。平 特盛。
いや。なんか分かんないけど、流れだ。
先ず、おれについて説明する必要が有るんだろうな。今でこそ、獣沓や合沓、初三千世界に続三千世界を指揮してるけど。本来おれは、ただのぺーぺーだ。梅さんに取り立ててもらったけど、別に何の才能が有ったわけでもない。同期の中で抜きん出てたって事もない。本当に、ただの一兵卒だったんだ。そのおれが、なんでこんな所に居るのか。蹴速の嫁になってるのか。全部、梅さんのおかげだ。
梅さんってのは、あの三鬼梅だ。幾ら何でも知ってるだろ。この世で最も偉い3人の内の、1人だな。
兵学校の時によ。おれ、あの人に付いてたんだ。側仕え、とかじゃねえぞ。当時、おれはまだ、3名家、三鬼梅の顔を知らなかったんだけどな。それでも、尋常じゃない太刀さばきだった。んで、この人に付いていけば、強くなれるんじゃねえかって思ったんだよ。
んー。おれの生まれもか。面倒くせえ。まあ、良いや。おれは、普通の家の子だ。親の仕事が何かなんて考えた事も無いような、ただのガキだった。それがまあ、隣近所に武器屋が在ってよ。何かの行き帰りの度に見るわけだ。ピカピカの刀剣を。それで、思い始めたのさ。振ってみたい。斬ってみたい、ってな。だからって、家じゃ包丁も危ないって言われるんだぜ。
だから、行ったのよ。堂々と剣を振るえる、兵学校に。そこで、梅さんに会った。御徳さんや量猟ともな。それで、その人らにくっついて行ったら、何時の間にか魔神だの何だの、もうわけ分かんねえ事になってよ。
不安も有った。おれ如きが居て良いのかって。どう考えても、雑用すら出来ねえ。3名家付きの作法なんて知らねえぞ。
それでも。誰も、おれを邪魔だって言わなかった。から。
勝手に、生きてる限りに、付いてった。いつも通り。
もし。梅さんに、残ってろって言われてたら、おれは残ってた。それで、普通のコウチ兵として生きてた。もしかしたら、たまに梅さんに会えるかも、と期待して。そんな普通の人だったんだよ、おれは。
今でも、すげえのは、周りだからな。夫だろ、他の嫁さん達だろ。なんか知らんけど、すごい数になっちまった子供達も、もうおれより強いの居るし。
分かんねえよなあ。言うまでも無いが、こんな予定じゃなかったぜ。おれの人生。
でも、まあ。剣を、振り続けられている。
だから、良いんだと思うぜ。これで。
コウチ砲兵隊隊長、及び将軍補佐。金甲 量猟。
初めまして。あ、ご存知でしたか。どうも、場違い感を拭えないものですね。私が、何故このような質問を受けているのか。
話せば、短いものですよ。私の上官が3名家の覚えが良く、私はそのおこぼれに預かり、蹴速様に取り入る機が有ったと言うわけです。単純でしょう?
残念ながら、これと言ったロマンスも有りませんね。ただ、契機としては。それなり、でしたか。
初めて蹴速様の稽古に付き合った時。私に取っては、こちらの砲を無力化する敵と相対した状況を想定した訓練。本当に、当たっても効かないのですから、最初は笑ってしまいました。
人間は、この大地には勝てません。山を削り、岩を砕き、住みかを築いてきた人間でも、地そのものを消す事は適いません。蹴速様は、大地そのものに思えました。
そして、足止めの方策を習い、新しく考案し、神無様に付いて寝屋にもお邪魔し。言ってしまえば、なりゆきですね。見もふたも無い。
そして、居ついた。それが私です。あまり、面白くもないでしょう?
でも、私の家族は面白いですよ。
そして。私の砲術も、面白がらせる自信は有ります。
ヤマトナンバーワン。三十鬼 三問。
運命だ。全ては、定め。
勘違いさせたか?最初から決まりきっていた、と言う意味ではない。おれ達の意思と力の行方。蹴速の力、邪馬様の力。そして、誰も彼もの意思。無論、おれの意思も。それら全ての行方が運命。
その最中、おれは蹴速と出会い、稽古し、契った。おれは蹴速に仇討ちを挑まなかったし、蹴速もおれを遠ざけなかった。だから、これはおれと蹴速の運命。
おれ達の子に、命を運べた。
クマモトナンバーワン。熊大将 壱日。
ううむ。いざ聞かれると、おれも考えてしまうな。特に理由らしい理由も無いのだ。恋情、では絶対にない。
うーむ。
子が、欲しかった、のかな。それも、最上の血を受けた子が。それには、一一人をも上回る怪物が相応しかった。以上だ。
付け足すなら。おれも、あの輪の中に居たかった。特盛、魔王、一一人。仲間を殺した仇ではある。しかし、良くしてくれた者達でもある。
おれは、仇討ちをしなかった。コウチに敵する道を選ばなかった。そして、コウチに付き従った。ならば、それがおれの道なのだろう。
別に蹴速に媚びる必要は無い。だが、興味は、有った。だから、肌に触れてみたし、触れ合ってみた。存外に面白かったな。ただ、浮気をすると大変そうだ。読心を使える魔王は蹴速の側。隠し事は出来ん。
面白いだろう?
策士を志すのであれば、心に嘘を飼う位は出来なければ困る。また、真っ直ぐに生きるのであれば、心を隠すのは自分への裏切り。
おれに取って、決して悪くない環境。それを享受するためにも、蹴速の嫁と言う立場は都合が良かった。
抱いてくれた手が、おれを離さなかった。それだけの理由でも、良い。
ミヤザキ参謀。南刀 仮要明。
確かなクサビが欲しかったので。完璧に政略結婚ですね。
ううん。それなら、コウチの重要人物なら誰でも良かったみたいだな。それこそ御徳さんでも良かったはずです。私の理性としては。
欲望としては。より強い男が良かった。同じ、ミヤザキとコウチのクサビになるなら、面白い方が良いです。御徳さんは、尊敬に足る人物ですが。イカレっぷりは蹴速さんのが高かったので。そちらに。
エヒメナンバーワン。一飲涙 美乗利。
何故だか、さっぱり。一応、私は、人質のつもりでした。今現在、居ても居なくても良いような存在感ですが。まあ、だからこそ家庭内での比重を意識的に増しています。こればかりは、3名家であろうが魔王であろうが不慣れ。更に家庭内での権力者の存在も早期に察知出来ました。その方に忠実に仕事を尽くせば、否応無しにその場に居場所が出来ると言うものです。
恋愛と言うものも、してみたかったのですが。良く有るお話の中の。現実には、世界支配者の夫の妾。これもまた、ドラマティックですね。
幸か不幸か、この家には、特盛さん位しか、常識人が居りません。そのためか、一般の人の集団にありがちな足の引っ張り合いが無いのは、楽でした。その代わり、裏切り次第死ぬでしょうが。私の存念にも気付いているでしょうが、私に二心が有ろうと、コウチへの裏切りではない。それは分かって頂いている。読心が可能と聞いた時には、真っ青になりましたけどね。
地球兵最高格。超騎士。
主と共に何処までも。それが主命。
地球兵最強格。ジン。
ま、結果オーライ。
地球兵最危険。無双双児。
え、2人一緒なの?なんだかなーですわ。
まー良いや。おれからね。元々、蹴速とは馬が合ってさ。一緒に活躍し回ったんだよ。まさか結婚するとか思ってなかったけどねー。毎日稽古出来る、すっごい恵まれた環境。これで、良いね。
では、私ですね。蹴速様との結び付きは狙っておりました。ただ、ライバルも多かったので迂闊な行動も出来なかった。そうして出し抜く機会を伺っておりましたら、このような異な場所に。まこと、蹴速様と在る事には、退屈する暇も有りません。
楽しいよね!楽しいです!
青星の兄。来星。
い、いや、何となくだ。好きとか、そんな、浮ついた感情ではなく。
何となくだ!
青星の妹。行星。
運命の出会い?みたいな。なんだかんだ良くしてくれましたし。あの人、お金稼ぎますからね。夫としては、最上級なんじゃないでしょうか。やっぱ経済的に安定してると、生活の不安も軽減されますよ。
それと、訓練相手としても最上級でした。蹴速さんをベースに「服」を作れば、何でも出来そうな気がします。素晴らしいデータです。これからも付き合って欲しいです。
魔獣。獣沓。
生存のためです。安定した生活の維持と守護。どちらをも満たしてくれる、優秀な生き物。良い飼い主です。これからも付き従いたいと思います。
元大魔王。初三千世界。
命令してくれれば、何でも従うよ!僕は蹴速君の大事な仲間だからね!
魔王達は省略。
この中からコウチが秘匿すべき情報を削り、表に出して良いもので構成された本がダイコウチ全域に配られた。それは雑誌の形を取り民衆の興味を引く。




