蹴速が行く。外伝。魔王 アオ アイ。
魔王アカ ゲンキは、魔王ミドリ ユウキと遊んでいた。
「いやだから。ミドリがこっちに来たなら、おれは此処を攻めるよ」
「え、ええ。でも、僕が行かないと、この戦線崩壊しちゃうし」
「そりゃそーだよ。おれは、前線に最大戦力を集中してる。だからって、ミドリが来ちゃったら、それが目に見えた瞬間に、おれ自身は迂回してミドリの城に攻め入るよ」
「うーん」
「満遍なく配置して、バランスを取るのは良いんだけど。何にでも対応出来るって事は、何にでも最大集中出来ないって事。一点突破は容易いよ」
「ううーん」
「まあ、おれだって、ゲームの話だけどね」
「うん。だって、魔王同士で戦ってもしょうがないもんね」
「まあねー」
あの子と、戦ってみたかったけどな。
魔王アオ アイ。新しい魔王。元人間で、現在も肉体は人間のままのはず。それでいて、実力で魔王に選ばれた存在。魔神から手出しを禁じられ、魔王でアオと戦った者は居ない。
強く、はないらしいが。おれより、魔族を屠ったとか。楽しそうな奴。
魔王アオは、魔王キ ユウジョウと魔王モモ ヤサシサの招待で食事会に出ていた。
「一応用意してみたが。口に合わなければ、食べる必要は無いぞ」
「ええ。ドンドン好きなものを食べてね!」
「ああ。遠慮無く」
魔王アオ。実年齢5才。人里からの迷い子。目立つ活躍をした後、魔神シロからのスカウトを受ける。全魔王へアオへの攻撃が禁じられ、キとモモには、適当に様子を見る事も命令が来た。
そして、2人には人間への興味も有った。アカやアオミドリは、人間との戦いも推奨されていたが、キとモモには軍団の統率維持、他魔王との共闘などが上位命令だった。まあ、命令と言っても、いきなり布団ごと目の前に現れ、クロの口を介した発言だったが。適当にやってくれい、との事だった。
しかし。不思議な生き物だ。魔獣とは全く違う。幾度か人間を狩った事もあるが。まさか、もてなす日が来ようとは。
可愛い!こんな小さいのに、牙を剥いている。本当に、小さな魔王だなあ。
2人は本当に遠慮無く食い漁るアオを興味津々で見ていた。
最近、良いメシを食えるようになった。とは言え、まだ栄養が足りてない気がする。食わねえと、死ぬ。
魔王アオは、元人間である。望んで、魔界に来たのではない。そのため、衣食住が全く足りていなかった。
だが、寝床は手に入れた。今までは、殺した魔獣の中で、結界を構築して寝ていた。寝ている間に、より強大な魔獣に襲われたならアウトだった。運が、良かった。
無意識と意識的との中間の感覚。魔力を常時用い、生命維持のためのエネルギー放出を常人の数百倍に高めていたアオは、全力でメシを食っていた。
ずいっと
「あんとな」
「なに。頼まれ事だ。気にするな」
「いっぱい食べてね!」
本当に、幾らでも食べるな。この小ささで、良く入る。アカのようだ。
モモはアオと一緒にニコニコしながら食べている。アオの近くの皿が空けば、キと共に取ってやる。
騒がしい晩飯だった。
暖かな寝床も用意された。ベッドにシーツ。枕も有る。骨や肉を枕にしていたが、大分マシになったな。
5年の人生も、まだ終わらないのかね。
アオ アイ。元の名を、青嵐亜意。
青嵐の家は、コウチ3名家に仕える家の一つ。3名家の下には幾つもの武家が有り、更に関係の無い民間人の家が有る。例えば特盛は、一般人の出だ。
三鬼の下に付く、魔道を司る家系。それが、青嵐。
だった。
魔力の操作に関しては、三鬼をも上回る青嵐は、よりにもよって、一一人の居る席で、青嵐を新たな3名家、あるいは4名家として取り立てるよう、嘆願した。
新たな3名家、と言う言葉が、一一人の逆鱗に触れた。その場で青嵐の代表及び関係者は斬殺された。コウチへの謀りとみなされたのだ。
一応、表では、一一人のやりようを以って、コウチ3名家は一枚岩であると喧伝したが。青嵐の損失は痛い。二神も三鬼も、代表のみ斬れば良かったと、一一人を咎めた。そして、一一人は例によって引きこもった。
一一人の前に参集した青嵐は皆殺しにあった。だが、青嵐の鬼子。戦場で、大々的にお披露目するはずだった亜意は、家に残されていたため、生きていた。
三鬼の影が走り、亜意に三鬼の下の他の家に落ちるよう、通達。間違い無く、青嵐は、潰される。だが、亜意の力は惜しい。他の家の麒麟児として世に出でよ、と。
亜意は、拒否した。
何者の意に従うのも、嫌だった。
だが、現在、一一人には、3名家には勝てない。何をどうやっても。そして、一一人には、相手が幼子と言ってかける情けは、無い。だから、一一人なのだ。
僅か5才の幼児が、黒穴を空に開き、手を振り消えるのを、影は見守るしかなかった。その身に纏う魔力は、影の持っている武器では、通りそうも無かった。
さあて。うるせえ親は消えた。だが、庇護してくれる家も消えた。あたしは、何処へ行く。
取りあえず、フォーデス山脈に乗り込んだ亜意は、目に付いた魔獣を殺し、魔力を補充。エヒメ、カガワ、トクシマ。あるいは、海を越えてみるか。亜意は前途洋洋たる未来を思い描いていた。いっその事、この世で最も殺害数の多い者になってやろうか。そうして、いつか、一一人も、コウチも、殺してやる。
恨みではない。むしろ、自由のきっかけをくれた事に感謝さえしている。だが、亜意は、己の上に立つ者を要らないと思っている。一一人も、コウチも、邪魔だ。全て消してやる。
亜意の野望は、しかし長くは続かなかった。
ず、お
「なんだ・・?」
周囲に魔力は感じなかった。魔獣ではない。高位の魔族か!
亜意の体が、引き寄せられる。己が開いた、穴のような、何かに。
この時の亜意は、知る由も無い。それが、己の魔力を遥かに超える化け物の開いていたものだとは。
そして、開けたるは、濃厚な魔力。周囲を覆い尽くす無数の魔獣、魔族。
魔界だ。
「はん?・・・」
周囲、5匹を即殺した亜意は、さて、殺し尽くせるか計算。
無理。
魔力は殺した魔獣で幾らでも回復が効く。だが、集中力が保たない。こちらの攻撃は相手を一撃で殺せる。だが、相手も同じ条件だ。亜意の肉体強度は、あくまで5才児。それを魔力強化しているに過ぎない。同じく魔力を纏った魔獣、魔族相手に、縦横無尽とは行くまい。
目星を付ける。最もデカい魔力を持った奴。
・・よう。
結界を構築、隠密。そして魔力を手に集中。
悠々と歩く4足獣。その身は、亜意が現れるまで、近隣に敵は無かった。己の身体の1000分の1にも満たない者が、己の体中に魔力を撒き散らし、魔力死をもたらすなど、想像も出来なかったに違いない。
数十トンは有るその身を、体内に構築し張り巡らせた新たな結界を用い、亜意の思い通りの筋肉運動をさせる。まるで、昼寝でもしているかのように、横たわらせ、亜意は、その口に寝る。
5才の亜意は、魔獣の口が閉じていても尚、潰される事のない大きさだった。
結界が使えて助かった。あの家の教育も、まるっきり無駄ってわけじゃなかったな。
当たり前の話だが、魔獣口内は、臭かった。消化液の匂い、魔獣が食べたものの匂い。それらを嗅いでいれば、あるいは亜意の体にも毒だったかも知れない。
亜意は結界を魔獣口内から、外に伸ばし空気を得ていた。別に毒でなくとも、酸欠にはなるのだから。
これで、今日はしのげる。明日は、気付かれているだろう。参っちまうなあ。毎日、魔獣さんをぶっ殺さなけりゃなあ。
楽しいなあ。
数日が経過した。
亜意の魔力総量は、2倍になり、操作もより柔軟に、強靭になっていった。
それを見ていた者が、2人。
その1人。高位魔族が、亜意に声をかける。
「君。ウチに来て働かないか。衣食住は保証出来る。それに、」
亜意は、言葉なぞ、聞いていなかった。
確かに周囲に気配は無かった。こいつ、強い。目の前に居るが、あたしより速いのか?
「更に強くなれば、あるいは、」
ア
空気が破裂した。亜意が空気中に魔力を拡散、それらに糸を付けておき、任意の時に集中。空気に入りきらない、存在しきれない魔力は行き場を求め、荒れ狂う。
爆発寸前に結界を纏った亜意はともかく、魔族は死んだはずだが。
「話の途中だったな。続きだ」
向こうも結界を張っていた。亜意とは違い、瞬間の反応のみで。
不味い。
「こう見えて、私は魔神様直属の100人衆が1人。決して怪しげな者ではない」
聞いちゃあいねえ。だが、どうする。
亜意は、3名家級の相手と組手をした事は無い。身内の間でだけ訓練をしてきた。その戦法は、剣士の後ろから魔力強化、あるいは治癒、あるいは攻撃。敵と直接ぶつかってはいけない、と教えられてきた。
だが、目前の敵には、それでは勝てそうにない。しゃーない。
のそり
亜意は歩く。魔族も、それを認め、喋るのをやめた。
速度を上げてはいけない。相手に無意識のカウンターを発動させてしまう。相手の火力が分からない以上、無謀な真似はしない方が良い。
「止まる事をオススメする。もったいない」
ふん。三鬼の使いと言い、こいつと言い。お人好しが多いものだ。
残念ながら。亜意は、お人好しでは、ない。
魔力結界を、細い糸にする。それを魔族周辺に散らし、引っ張る!
キシ
そして、集中。
亜意の目論見通りなら、細切れになった魔族の姿があるはずだが。
「痛う」
切り傷には、なっているようだが。
致命傷では、全くない。
それでも魔族はやる気では、無さそう。
こちらを、恐るべき敵とは、みなしていないのだ。
にこやかに笑んだ亜意は、魔族に触れ、傷口から魔力を全て注いだ。
事、ここに至って、魔族も危険性に気付いた。魔力を、逆流させられている!
後に残ったのは、内部から死んだ魔族と、その抵抗を受け、腕をちぎられた亜意。
抵抗が遅くて助かった。だが。
冷や汗を垂らし、呼吸荒く、痛みにのたうちまわる。
意識を失ったら、死ぬ。冷静に。死んだ魔族から魔力は補給出来るのだから。先ず、腕を修復する。
オオッ
ふん。魔獣共が、周囲に。
亜意は、食らいかかって来た最初の一匹を、復活させたばかりの右腕で掴み、引き裂いた。純粋に魔力のみの攻撃で。次のそこそこの大型を、引き裂いた最初の肉をバラ撒き接近を一時的に止める。そして、その肉に仕込んだ魔力糸から起爆。大型の頭部を砕いた。そして、大型に隠れるようにして接近していた複数の中型を、更なる魔力糸を形成、周囲一帯全てを引き裂く。それを躱した個体からの攻撃を、左腕で防御。一応は魔力を集中したが、魔力の大半を糸に持って行っていたため、腕はまたもちぎれた。右腕で屠りつつ、左腕を修復。なに、魔力ならそこら中に散っている。
それは、濃密な血と魔力の世界。
魔族が、魔獣が、ゾロゾロ湧いてくる。
「あたしの独り立ちの祝いか?歓迎するぜ」
周辺に散った魔力に糸を伝わらせ、集中、爆発。
1割程は死んだ。残り、100体以上。
幸い、寄り集まった魔獣は、統制が取れていない。互いに襲い合っているものも。
問題は、魔族。先程の勝利は、幸運。相手が底抜けの間抜けだったから。こいつらが、あれを見ていたなら。もう油断は無い。死ぬだけだ。
子供だ
人間の子供?
恐らく
どうする
魔神様に献上しては?
ああ。良い魔力だ
それが良い
先程の魔族を殺したのは、問題では無さそうだ。良かった。
油断していてくれよ?
魔力糸を、地中からも這わせる。亜意の後ろからも伸ばし、空を経由して垂らす。先程は、全く魔力が足りなかった。今は、この一帯の魔力を取り込みつつ、魔力糸に送り込んでいる。亜意はポンプのような役割をし、起爆。
数人の魔族にダメージを与え、数十の魔獣を殺した。だが、残っている。今度こそ、油断は消えたろう。真っ向勝負かあ?
硬そうな魔獣の牙をもぎり、盾に。そうして魔族に近付き、同じく、魔力を逆流。抵抗は、まだ薄い。魔族は馬鹿の群れか?
やっと、戦闘の姿勢に入ったか。
ダメージは有る。だが、亜意と同じ条件なのだ。治癒もこの大量の魔力の漂う場なら、問題無く進む。
?
動きが、鈍い。
どうしたんだ?
魔族は、抵抗も攻撃も見せた。だが、その勢いは鈍く遅い。亜意の元々の身体機能では、もちろん追いきれないが、魔力強化した身なら、むしろ亜意の方が速い。
死にかけつつ、しかし、亜意は生き残った。
先例に則り、魔獣の口の中を寝床とし、考察。考えないと、次は死んでしまう。
原因。1。場の魔力をあたしが取り込んでいたため、大量の魔力が足枷になった。2。より強い何かが、直ぐ側に現れた、魔族はそれに気付かれぬよう、動きが遅くなった。3。全員、ただの間抜けだった。
2は無い。それなら、逃げるだろ。3は、もう考える意味も無い。それならそれで構わんがよ。
1?有り得るのか。実験してねえから、分かんね。
スウ
空気が流れる。考え込んでいた亜意の居る魔獣の口が、開いていく。魔獣は、無論、死んでいる。自発的に開くわけは無い。
開けた奴が居る。
自身に重点的に結界を張りつつ、魔力糸を幾つも伸ばす。口が開ききったら、爆破する。それに紛れて脱出。戦闘は、外に出てからだ。魔獣を囲まれていては、洒落にならんからな。
亜意が走り抜けられる広さになった所で、起爆。魔獣の頭ごと吹っ飛ばしたので、それほど考えなくても良かったか。
急いで寝床から抜け出す。
口の側に居た奴も巻き込んだはずだが。生きてる可能性は高い。あたしが居る事に気付いたんだから、警戒もしているはず。結界が間に合った可能性は、かなり高い。まず、無傷と思った方が良い。
「愛いの」
女の声。まだ粉塵が舞っていて、相手の姿は見えない。
取りあえず全周囲に即座に張った魔力糸を巻き取る、そして魔力を集中。かっ切る。
糸が、切れた。相手の皮膚を切った感触も無い。前の奴らより高位か。メンドくせえな。
傷口を作れなかった以上、口か、無傷の皮膚か、口はガードが間に合いそうだ。頭部は、優先的に無意識に守ろうとするから。決定。腕を掴んで、反射的に腕を払いに来るまでに、殺す。
己の魔力を拡散、人型に構築。あたかも魔力を持った人間が、周囲に散ったかのように錯覚させる。相手も魔力探査を行っているだろう。これで、先手を取れる。
ゆるり、と歩を進める。急げば、相手は空気の動きに気付くかも知れない。相手を、強敵と認識しておくべきだ。
ここで、亜意の小ささが役立つ。亜意は敵視界内に、恐らく居ない。腕に触れた。即、魔力を全力で流す。死ね。
相手は、微動だにしない。
亜意の魔力は、確かに注ぎ込まれている。自らの魔力の移動は感じているのだ。今の時点で、亜意の魔力総量はコウチトップクラス。例え3名家と言えど、無防備にコレを受ければ死ぬしかない。3名家ならば、亜意が腕に触れた瞬間に亜意の首を落とす事も容易なのだが。亜意は賢明にもそれを分かっている。だから、無駄な戦いは、やらない。
だが。会ってしまったなら、話は違う。生き残るため。もっと楽しむため。敵は。殺す。
亜意は強敵の体から離れ、魔力糸を全力で作り出し、濃密に敵に絡めさせる。そして、全力集中。折角獲得した魔力だが、死ねば意味は無い。全て出して、目の前の敵を倒す!
しかし。同じ。
糸が、敵に擦り傷一つ作る事無く、切れた。
こうも、己の魔力を頼りなく思った事は、かつて無い。
何者だ。
現れたは、真っ黒な魔族。服も髪も目も、纏った魔力も。魔力の底が、見えない。
「元気な子じゃ」
「何だ、お前」
「わしは、魔神シロ。通りすがりの親切魔神じゃ」
イカレてんのか。魔神?魔王なら、聞き覚えが有るような無いような。
「いやいや。確かに魔神よ。のう、亜意ちゃん」
あたしの名前を。それに、魔神に疑問を持った事まで。
「うむ」
「心を視たのか」
「そーゆー事じゃな」
舐めた口を聞いたので、魔力を全開で集中した拳を顔面に叩き込む。
殴った音は、1キロ先まで届く程だったが。魔神とやらの、頬も唇も、歪んでさえいない。たわみすら、起きていないのだ。
何だ、こいつ。
亜意は、自身の体が震えている事に気付いていない。
意識は、魔神の強さに持って行かれているため。
「立ち話も、なんじゃな。おいで」
魔神は亜意に手を差し出した。親しげに。
逃げ、られない。どうする。どうやれば、殺せる。何も効かなかった。
「亜意ちゃんは、せっかちじゃの。時を重ねれば良い」
魔神は、亜意の手を取り、飛んだ。
飛んだ!
亜意の知識の中に、飛行はまだ存在しなかった。亜意並みの魔力を持っている人間の出現が希なために、技法は伝わっていなかったのだ。かつて、三鬼が可能とした事は、今は秘されていると言うのも有る。
亜意は、柄にも無く、夢中になった。魔界の空と言えど、空を、世界を、自在に。こみ上げるものが、有った。
「うむ。ウチにおいで」
「ああ?」
「先程、欠番が出た、100人衆、いや。魔王、やってみんか?」
「魔王を、あたしが?バカが。人間だぞ、あたしは」
「そんな括り。亜意ちゃんは、好きじゃったかの?」
ぐ。
う。
「今日の晩ご飯は、コトコト煮込んだシチューに、プリンを添えよう」
・・・
ぐびり
「明日の朝は、フレンチトーストかの。上手い料理人が居ってな」
ぬう・・!
「おいで亜意ちゃん。ご飯を食べに」
「・・・メシだけだ」
「おお!歓迎するぞい!」
コウチ最高峰の魔力の持ち主であっても。
食には、勝てなかった。
・・・・・・・・・・・・
「色々有ったぜ」
「ほう・・・。面白い話よ」
「亜意って、結構苦労してたんだねえ」
「苦労は、してねえな。どの道、魔力で快復出来る程度の傷しか負った事は無いんだからな」
「でも、ジンに似いちゅうわ。生まれた頃から強かったんやな」
「おれも思った」
「お前も?」
嫌そうな顔を作りつつ。亜意は、ジンへの親近感を増した。
今は昔の話。魔王アオアイのお話。今は、寝物語。




