宇都宮へ
宇都宮へ
殺生石近くの温泉でひと息ついたリーダーは、宇都宮を目指し、出発した。
山を下り、平地に出ると山と山の間を宇都宮へ向かった。
平坦な道が続くので、リーダーにとっては、楽な道のりであった。
昼間、山を背に林の陰に隠れ、潜んであると、キツネが歩いてきた。
その先の川の手前で、水を飲み始めた。
リーダーは弓を構え、
シュッ、シュッ
2連発の矢は見事に刺さり、倒れた。
川辺で、焚き火をして準備をすると、血抜きしたキツネの肉を裁き、肉が取れた。
肉を細い木に刺し、たき火で炙る。
焼き上がりの半分を食べ、もう半分はホオノキの葉に包んで保存した。
一息ついて、川を渡り、宇都宮に向かった。
日が暮れる前に鬼怒川の手前についた。
時間的に余裕があったので、木とカヤを拾って来て、簡易のテントを立てた。
その前に焚き火を焚いて、保存していたキツネの肉を食べた。
川の流れの音と夜風が緩やかに吹いていた。
簡易テントの床には余ったカヤを敷き、ゆっくりと寝た。
よく朝、日が出る前に焚き火を始末し、簡易テントを壊し、鬼怒川を渡った。
鬼怒川を渡ると、林が続き、獣道のような道が微高地に向かっていた。
宇都宮の集落は微高地から反対側に広がってるはずだ。
林の木に鳩が止まっている。
リーダーが手を上げて、挨拶する。
鳩は、飛び去り微高地の方にいった。
ようやく、林を抜けて、微高地を登ると小屋があった。
その先に広場があり、老人達が草を編んでいた。
広場を抜けて小屋を見渡した。
一通り見たが、小屋に異常は見られなかった。
そこでリーダーは広場の前の小屋に向かった。
網を編んでいた老人の一人が立ち上がり、リーダーに質問した。
「何ようじゃ?」
「俺は、ケヤキの集落の者だ。北川辺の大巫女の伝言を巫女様に伝えに来た」
老人は、待っていろと伝え小屋の中に入った。
侍女とともに出てきて、侍女がリーダーを促した。
小屋に入ると、広くなっていて、真ん中に火が焚かれていた。
人がいない。小屋の隅に、カヤで作った盾があった。
侍女が、ケヤキの集落のものが北川辺の大巫女様の伝言を持ってきたと伝えると、小さな声で返事があった。
侍女に繋がされ、リーダーが盾の中に入っていった。
「ケヤキの集落のものです。北川辺の大巫女様の伝言を持って来ました。」
頭を下げて、リーダーが伝えると、宇都宮の巫女は、鳩を抱え、ニコッと笑った。
鳩が、グルルと鳴いた。
宇都宮の巫女は、何かを聞いているように鳩を抱いている。
小屋の中は静かで、音がしない。
巫女の前には小さな火が焚かれていた。




