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忘れられた王国  作者: 熊さん
第一章:関東の縄文
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水戸の巫女

水戸の巫女



水戸の巫女の小屋は、広場の先にあった。


巫女に促され、リーダーが中に入った。


侍女に布をもらい、汗を拭く巫女。

小屋の真ん中に焚き木が炊かれており、巫女はその先に座った。


リーダーに促され、反対側に座った。


水戸の巫女は、布を侍女に返すと、リーダーに聞いた。


「北川辺の大巫女様からの伝言とは何じゃ?」


「はい、北川辺の大巫女様は、西の方から新しい力が生まれておるようだと仰っていました。」


「大巫女様は、敏いな。」


「何か動きがありましたか?」


「いま見たじゃろ。刀じゃ。あの刀は、西から来たものからもたらさたものじゃ」


「刀?とは何ですか」


「刀は祭器に使うものじゃ、武器として扱えるかもと思い、振っていたのじゃ。」


「西からのものなんですか?」


「そうじゃ。二本、鹿の皮と交換した。」


リーダーは、驚愕した。


海の巫女のところにも、水戸の巫女の所にも新たな技術をもった西からのものが来ていた。


リーダーは、水戸の動きを聞いて、竹弓の事も聞いた。


夜まで、竹弓を見せてもらい、一泊する事にした。


次の朝、巫女に起こされ、リーダーは、巫女について那珂川方面の森に入った。


新しくなったケヤキの巫女の話をしながら、森の中を歩いた。


巫女が、話を制して、竹弓を構えた。


森の大きな木の陰にオオジカの姿が見えた。


木の幹を過ぎるとオオジカは堂々と歩き出した。


ウン、シュッ


ひと息で、弓が放たれた。


早くて、矢の軌道が見えなかった。


バタ


するとオオジカが倒れた。


周りから若いしが、オオジカに駆け寄る。


巫女は事もなげに、リーダーに向かって声をかけた。


「リーダー、次は那須だな。この那珂川をいけば那須に行ける。気をつけてな。」


リーダーは、事もなげに言う巫女に驚愕し、頭を下げた。


「送ってくださり、ありがとうございます。貴重な経験と話を承りました。」


リーダーは別れを伝え、那珂川沿いに登り始めた。


リーダーも深い森は久しぶりの事であった。


しかし川に沿って上がれば、那須の手前に着くことは分かっていた。


リーダーは、水戸の巫女の竹弓に興奮していた。


暫く那珂川沿いに歩いていくと、リーダーが立ち止まった。


リーダーは屈み込み、辺りの気配を探った。


暫くすると、カサカサと音がした。


じっと待ち受けていると、ヒョコ、ヒョコと、タヌキが木の間から抜け出してきた。


リーダーは屈んだまま、弓を構え、立ち上がると、


シュッ、シュッ


2発連続でタヌキを射抜いた。


タヌキを腰にくくりつけ、暫く歩き山を登って行くと、川沿いに手頃な空間を見つけ、休憩する事にした。


木を拾い、焚き火を起こし、大きな石を焚き火の上に乗せた。


近くの別の石で、タヌキを裁くと、焚き火の上の熱くなった石に肉を乗せ、焼く。


暫く、石の上の肉が焼き上がるのを待って、塩をかけ、ゆっくり食べた。


月明かりは明るく照らしていた。

夜の森は静かだった。


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