土浦の巫女
土浦の巫女
朝、日が昇る前にリーダーは起きた。
林が続く、陸地を歩くのは湿地帯を抜けた後は、小さな小川が見えてきた。
川に竹半分に切った罠があった。
女たちが集まってきた。
ピチピチ、跳ねる魚を笑いながら手づかみする女たち。
潮の香りが風に運ばれてくる。
湖面が見えてきた。
太陽が上がっている。
湖面を丸木舟が点在している。
小屋が立ち並んでいる。
小屋の先に広場があって、老人が網を編んでいた。
その先に巫女が居るはずの小屋があった。
そこに猟師のような男が立っている。
「ケヤキの集落の者だ。巫女にお会いしたい。北川辺の大巫女の使いと伝えてください。」
男は、小屋の中の次女に声をかけて、リーダーを促した。
焚き火の前に、巫女が座っていた。
周りに男たちが数人話しかけていた。
巫女が何かを伝えると、男たちが立ち上がり、去っていった。
侍女が巫女にリーダーの事を伝えた。
巫女がリーダーを見て話した。
「ケヤキの集落の者とな、北川辺の大巫女様は何か起きたのか?」
「巫女様、ケヤキのリーダーです。お久しぶりです。北川辺の大巫女様が、何やろ西の方から新しい力が生まれておるようだと仰って、巫女様の様子をみてくるように言われました。」
「西からの力か、、、我らの所は相変わらずじゃ、湖は静かなものだが、漁は上手くいってる。先ほども話しておった。」
リーダーは、話を海の巫女の話に変えた。
「すみません。私は、海の巫女への行き方が分かってません。ご協力お願いできますか?」
「海の巫女か、あそこは西からの力の影響があるかもしれんな。北川辺の大巫女の頼みじゃ、案内を貸そう。」
巫女が侍女に話をして、向き直った。
「お手数おかけします。助かります。」
「海の巫女は、外海の巫女として、土浦との関連も深い、交流があるので心配は要らない。」
「外海は違うんですか?」
「そうじゃのぉ、波が荒い、嵐にあうと厳しいところじゃ。」
「なるほど、わかりました。よろしくお願いします。」
リーダーが小屋を出ると、日が高くなっていた。
そこに男が近づいてきた。
「巫女様から頼まれました。海の巫女の所までご案内します。」
リーダーは頭を下げて、よろしくお願いすると伝え、浜辺に向かった。
浜辺には丸木舟が何艘か、置いてあり、少年が座っていた。
案内人が、丸木舟を選ぶと、少年が後ろを押した。
「巫女様の指示で海の巫女のところへ向かう。一艘借りるぞ」
少年が後ろを押し出すと、リーダーも遅れてはならぬと、さっと乗り込んだ。
湖に出ると、潮の香りがフーっと顔を撫でた。
湖は、静かで波がない。
案内人は、後ろを向いて、手漕ぎで漕ぎ出した。
走り出すと、風が顔を叩く、かなりのスピードになった。
空は青く、日の暑さが伝わってきた。




