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忘れられた王国  作者: 熊さん
第三章:武力の拡大
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長野盆地の縄文

長野盆地の縄文



リーダーは、気がついていた。

ここは、北川辺の集落に似ている。

縄文の理の中にある田んぼ。

三殿台からもたらされた新たな技術。それがここにもあった。


弓使いがひとつの小屋に入った。

リーダーは続いた。


「族長の親父さん、良いかな?」


小屋の中の親父が答えた。


「おお、弓使いか、久しぶりじゃのぉ。良いぞ、そちらの男は誰じゃ」


「峠を越えて来た関東のものです。ここは、縄文の集落ですか?」


「我らは縄文のままだが、弥生の集落の中にある。川向うに大きな集落ができておる。そこの巫女様を支持しておる。」


「弓使いの所の婆様は、どうなんですか」


「浅間山の婆様は、婆様じゃ」


「その川向うの集落の巫女様は?知ってるのですか」


「おお、そういうことか。知らないと思う。弓使いの事も知らないはずじゃ」


「どういう事ですか?」


「我らは昔から、此処におった。川向うに弥生の集落が出来て、吸収されたんだよ。」


「こちらには巫女様はいなかったんですか?」


「我らは浅間山の婆様の下にいたのじゃ、いまは、たまに弓使いが来てくれて山の動きを知ることができる。」


なるほど、リーダーはようやく事情を飲み込むことができた。


族長が続けた。


「時の流れに沿っているんじゃ。米を作るようになったので、暮らしが楽になったよ。」


確かに、とリーダーは思った。

ケヤキでも米を作るようになって、楽になった。


しかし、この族長は、縄文の理の中で生きてるようだ。話がスムーズだった。さらに族長が続けた。


「川向うには、弥生化した集落が幾つか出来てるようじゃ、八ヶ岳の向こうから、新たな動きが来ているようじゃ」


この族長は、いろいろ知っていた。


「八ヶ岳とはどういうところなんですか?」


「昔から石が取れる場所じゃよ。」


「弓使いは、八ヶ岳を知ってるんですか?」


「ああ、知ってる。」


弓使いは、知ってるようだ。


族長は、関東の話が聞きたいと言うので分かることを伝えた。

峠の先にも広い大地が広がってることに、興味津々だった。


族長にも竹弓は、興味を持たれた。


族長は、川向うの集落の巫女に会うことを提案してくれた。


昨日狩った、シカ皮を土産にすれば喜ばれるというのだ。


弓使いとリーダーは、ここに一泊させてもらった。


ホオノキの葉で保存したシカ肉を出したので、族長は喜んでいた。


夜になると月が白く輝いていた。


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