長野盆地の巫女
長野盆地の巫女
千曲川の向う側に微高地があり、手前に田んぼが広がっていた。
微高地には、小屋が立ち並ん
でいるが、中央に広場があり、米倉と巫女の櫓が立っていた。
中では、巫女が焚き火の前で祈りをして、周りの侍女が足を踏み叩き、踊ってる。
何よりその中で小さな銅鐸をカン、カン、カンと振ってる音が異様な感じを出していた。
リーダーは縄文の小屋で起きた。
風が吹いて来ていた。
風に乗って、小さくカン、カン、カンという音が聞こえてきていた。
弓使いも初めて聞くようだ。
「族長、この音は?」
「ああ、これは巫女が祈りをしているんじゃ。銅鐸というらしい、近畿圏からのモノじゃ」
巫女の祈り、、、へーと感じたリーダーは、会ってみるのに期待が膨れた。
リーダーと弓使いは、族長に礼を言って、小屋を出た。
「リーダーよ、昨夜は楽しかったぞ、弓使い、浅間の婆様によしなにな」
リーダーと弓使いは、小屋を離れ、川辺に向かい、浅瀬を選んで渡った。
川向うは、田んぼが広がってる。稲が青みを帯びている。
草を刈る男が作業している。
遠くに兵らしき男も見回っていた。
溝を通り、微高地に向かい、小屋を通り過ぎで櫓にたどり着いた。
建物の前に兵が立っていた。
「我は峠を越えて来た関東の者だ。オオジカの毛皮を持って来た、巫女様にご挨拶をしたいのだが、取り付いてくれないかな」
兵にオオジカの毛皮を渡した。
兵が櫓の中に入ると、間もなく、侍女が来た。
「関東からの者と申すのはそちか。中へどうぞ。」
「こちらは案内をお願いしている弓使いです。一緒に良いでしょうか」
ご随意にという言葉で二人は櫓に入っていった。
焚き火の前に巫女らしき女の人がいて、隣に族長らしき男がいた。
侍女の誘いで、その前にたった。
「私は峠を越えて関東から来たものです。隣は浅間山で知り合った案内をしてもらってる弓使いです。宜しくお願い致します。」
すると、巫女が答えた。
「貴重なオオジカの毛皮を納めてくれてありがとう。峠の先が関東とは知らなかったが、どんなところなんでしょうか?」
「湿地が広がる大きな大地があり、最近、ようやく米を作るようになりました。」
「弥生化してる土地があるのですね。世界は広いですね。」
「私は、峠からの移動が最近起きてるようで、浅間山を見に来たついでに、見て回ってます。
ここに来る途中、弓使いの案内でオオジカを射止める偶然が重なり、献上品として渡すことができました。」
「その弓で射止めたのですか?オオジカが簡単に捕らえることは出来ないでしょう。」
「はい、これは竹弓で、威力があるので何とか仕留められました。」
竹弓の方に関心が向いたので、竹弓の話で盛り上がった。
関東の詳しい話は出来ないし、弓使いと浅間山の婆様との関係も話せないと思っていた。
巫女にも族長にも気取られず済んだと思った。
近畿圏の勢力が迫っているのは確かだった。
巫女は、好奇心が高いが政治的には族長が治めているようだった。
竹弓への興味で話は終わった。




