長野盆地へ
長野盆地へ
外に出ると案内してくれた弓使いが座っていた。
婆様との話で、長野盆地への移動も案内してくれるという。
「話は終わった。ありがとう。明日から、長野盆地への移動を案内お願いする。」
弓使いは、立ち上がり、奥に並んでいた小屋の1つに入った。
リーダーは、付いていった。
小屋の中では石で組んだ焚き火の上に鍋のようなモノをのせ、炊いた。
草やキツネの肉で夕食を食べ、眠った。
翌朝、弓使いが先行して森の中に入った。
森の移動は、リーダーにも経験が少なかった。
弓使いの動きは、道なき道を行くイメージだった。
それでも、リーダーは何とか付いて行った。
暫く走って、リーダーが息を吐いた。
「弓使い、少し、早いんじゃないか?」
「悪い、ちょっと飛ばしすぎだな。了解した。次の谷の手前で止まる」
初めて弓使いの言葉を聞いた。
リーダーは、言われた通り、谷の端で止まった。
風を読む弓使い、そこで、谷底を睨み、弓を構える。
シュッ
谷を降りてキツネの足を持ち上げた。
「リーダー、この先に大物が居るはずだ。お手並み拝見だ。」
キツネを腰にくくりつけ、前方に歩みだした。
風が前から吹いて来た。
茂みに隠れる弓使い、リーダーに指で指し示す。
木の陰やオオジカが堂々と歩いていた。
先の小川に向かってるようだ。
リーダーが竹弓を構えた。
シュッ、シュッ
オオジカの目元と首筋に当たった。
すかさず、弓使いが駆け出し、首筋を切りつけた。
オオジカが倒れた。
「さすがだな。」
リーダーは面はゆい顔をした。
「竹の弓か、すごい威力だな。」
先の小川の川辺に移動して、皮を剥ぎ、肉を捌いた。
焚き火を用意して、さばいた肉を焼いてホオノキの葉に包んだ。
オオジカとキツネの加工には時間がかかった。
簡易のテントを作り、肉をほおばった。
弓使いは、竹弓に興味があるようだ。
「それって凄い威力だな。」
「これは権現堂の巫女様のお陰で手に入りました。」
「難しいのかな?」
「簡単ではないけど、コツを掴めばできるよ。長さのバランスは難しいが、、、」
弓使いは、竹弓を触らせてもらい、あちこちを見て触って感じていた。
リーダーはオオジカやキツネの皮を石で削り、干して、テントの中に頭を入れて休んだ。
翌朝、皮が軽くなってることを確認して、皮を丸めて担いだ。
保存食としての肉もあり、一気に荷物が増えた。
道らしい道はないが方向は理解してあるようだ。
森の中で休んだ後、森を抜けた。
湿地帯のある岩場が出て来た。
森を抜けた所に小屋が立ち並んでいた。
湧水があり、田んぼもあり、暮らし良さそうだった。
空が赤みを帯びていた。
風が緩やかに吹いていた。




