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忘れられた王国  作者: 熊さん
第三章:武力の拡大
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浅間山の婆様

浅間山の婆様



弓を肩にかけていた案内した男は穴の前に座った。


大岩の先には、いくつか小屋が立っている。


大岩が重なるところから、リーダーは、穴の中に入った。


その中は、奥が以外に深く、穴の奥に明かりが漏れる所があった。


中に入ると、石を組み合わせた炉のような構造で焚き火が燃えていた。


その奥に影のようにゆらゆらして見える影があった。

その影から声がした。


「よう来た。お前はケヤキの巫女の所から来たのだな。」


リーダーは、先読みされるんだろうなと構えていた。


「そうです。婆様、、、ですね。」


「ほほう、中々慣れたもんじゃのぉ。」


「北川辺の大巫女様がいつもされてるので、大巫女様は、、、」


「よいよい、北川辺の大巫女は知己じゃ。」


リーダーはさらに恐縮した。


「お前を褒めてるんじゃよ。峠を越えてきた感想を聞かせておくれ。」


リーダーは、一息ついて答えた。


「はい、佐久平の草原に知らない獣が群れをなして走っていました。集落まで見ませんでしたが、米作も進んでいるようですね。」


「どう思うのじゃ?」


「そうですね。しかし、我らは気にしません。あの獣は何なのでしょうか?」


「は、は、は、そうか気にせんか。あれは、馬じゃ。あれに乗って走ると速いぞ。」


「そうですか。馬ですね。了解しました。」


「その内、峠を越えて関東にも入るじゃろぉ。」


関東は平野だ、馬は活用できるだろう。とはいえ、状況は分からなかった。


「山歩きはどうじゃ、大丈夫かな、秋ほどの弓使いを案内させるからな。」


リーダーは世話をかけるのが、悪いとは思ったが、知らない土地だから案内は助かる。


「山を行くんですか?」


「そうじゃ山を一泊して、長野盆地に入る。そこに縄文の集落と弥生化した集落がある。」


「なるほど、知らない集落を見れるのは楽しみです。あの、近畿圏という勢力はどうなんでしょう?」


「近畿圏は、遠い昔、海の向かうから来た勢力が奈良盆地に米作を始めた者たちじゃ。伊勢の大巫女が縄文のものを共生させた新たな勢力じゃよ。」


「はは、支配勢力なんですかね。」


「まぁそうなるかな。」


「北川辺の大巫女様の所にも伊勢から巫女の卵が来て、縄文の理について、色々話があったみたいです。」


「北川辺の大巫女なら大丈夫じゃろぉ。伊勢もごちゃごちゃ煩いからのぉ。でも我らは理に逆らわず、生きていけばよいのじゃ。」


リーダーは巫女たちが同じことを言う事に感心していた。


「あのぉ、婆様は、巫女なのでしょうか?」


「率直な質問じゃな。我は我じゃ、巫女ではないよ。この山を知っているだけじゃ。」


リーダーは、婆様が、巫女ではない事には、理解できなかったが、おっしゃる通り受け取った。


焚き火の薪がバキッと音を立てた。


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