浅間山へ
浅間山へ
米作が順調に増えることで、米の保存が問題になっていた。
最初、大巫女の指示で、高床式の蔵の設置を指示したが、北川辺の男たちの工夫で、なんとか高床式の蔵が生まれた。
湿地の名残がある土地では、地面に置けば米が傷むのであった。
権現堂でもケヤキの集落でも、蔵造りが始まっていた。
ケヤキの巫女は蔵とは別に自分の小屋も高床式に変更することをリーダーに頼み、小さな高床式の小屋が出来上がった。
「リーダー、ありがとう。床を通して、小さなケヤキの苗も植えることも出来た。」
「地面から離した方が、良いんだろう。上手くできたな。」
「リーダー、気になってたんだけど、利根川の上流にも弥生化した集落が生まれてるようだよ。」
「そうなのか?、、、碓氷峠か、そうだなあ、今度は峠を通って行ってみるか」
「そうね。碓氷峠の先の浅間山には婆様がいらっしゃるはずよ。会って来てくれるといいわ。」
よし、行ってくると、リーダーが出発した。
まず、利根川に入り、丸木舟を使ってを使って、上流に向かった。
高崎辺りまで丸木舟を使い、後は徒歩で行くことにした。
ちょっと見ただけだが、宇都宮の状況と似ていて、田んぼの作付けが進んでいた。
ここらへんにも敵が生まれるかもしれないなとリーダーは思った。
安中に入り、左側に川をみながら山を登った。
狩りをして、一泊した。
次の日、山登りが始まった。
もう既に獣道というより、一本道が続いていた。
かなり急だが、それなりの道が続いている。
これなら暫くしたら人の生き来も始まるだろうなと、感じた。
かなり登ったが、平坦な道が緩やかな下り坂に変わった。
暫くくだると左側に大きな草原が見えてきた。
《ここが佐久平かな、、、なんだ、大きな獣が走ってるぞ》
草原が広がる先に、馬が列をなして走り回っていた。
リーダーは初めて見た。
その手前と先にも弥生化が始まっていた。
暫く走りを見ていたが、右側に山があって、その手前に森が広がっていた。
リーダーは、この中だなと感じて、森に入っていった。
森はかなり深かったが、獣道があった。
リーダーはついてくる人間の気配を感じていた。
立ち止まり、声をかけた。
「すまん、俺は峠を越えてきた、関東の者だ。ケヤキの巫女という者に浅間山の婆様に挨拶してくれと頼まれてのぉ」
ついてきた男は、木の陰から顔を出した。
彼は黙っていたが、頷き、顔を森の奥に向けて歩き出した。
《良かった、縄文の理の分かる奴がいた》
獣道だが、道が崖のようになってる険しい道だった。
リーダーは難なくついていった。
その男も、付いてこれることを確認して前に進んだ。
ちょっとした広場のような平らな所に出て、大きな岩が重なるように立っている所についた。
ここだ。と男は告げ、中に入るように言った。




