シカ狩り
シカ狩り
広場に大巫女が小屋の前に立ち、その前の焚き火がバキ、バキと燃え上がっている。
大巫女の周りで、侍女たちが踊っていた。
親父たちが、その横で見守っている。
権現堂の巫女達がやってくる。
ケヤキのリーダーも集落の者共を連れてきた。
ケヤキの仲間に女も混じっていた。
大巫女が目を空けて皆を睨んだ。
「皆のもの、よくぞ集まった。今日は、天気もよく、風も順調だ。」
皆が、オーっと大きな声を上げた。
ケヤキのリーダーが声を上げる。
「権現堂の巫女様、皆様、我らが、二人づつ、先導します。タイミングは、伝えているので、彼らが、案内し、合図を入れます。」
皆様に、宜しくお願いすると激をいれ、大巫女が、にこやかに彼らを見送った。
場所は北川辺より、上流の場所だった。
湿地帯の先の茂みのある場所にケヤキの者が先に入り、シカをゆっくり追い込んでいた。
権現堂の巫女達を、風下の茂みの中に隠し、その後から北川辺の親父たちを引き連れていった。
ケヤキの者共が、シカの群れを川辺に追い立てていた。
その後にリーダーともう一人が竹弓を構え、ついていく。
さらに数人が後を追っていた。
川辺でシカが水を飲み始めていた。
追い立てているケヤキのものは、シカ皮を身に着け匂いを誤魔化してる。
オオジカが、尻の尾をピクリと動かし川に頭を下げ、水を飲もうとした時、
権現堂の巫女が立ち上がると、次々に矢を持つ男が立ち上がる。
シュン、シュ、シュ、シュ、シュ
「もう一射」
と、権現堂の巫女が叫ぶと、さらに
シュン、シュ、シュ、シュ、シュ
するとその後ろから、オーという声を出して大きな網をもった男たちがシカを捉えられる。
リーダーが、叫んだ。
「もう一射、放つぞ。」
シュン、シュシュシュシュシュ
北川辺の一匹用の網を持った男達が、襲い掛かり、ケヤキの者共も、襲い掛かる。
逃れたシカをリーダーが、さらに射抜いた。
ウォー、一斉に皆が叫んだ。
大網が四頭、一匹づつが、北川辺が四頭、ケヤキが三頭、網も使わず、権現堂の竹弓の餌食になったのが二頭、合計、十三頭の収穫であった。
これを血抜きし、足をそろえて、木を使い、皆で運ぶのが大変だった。
権現堂の巫女と北川辺の親父、リーダーが先頭になり、北川辺の広場まで行進した。
集落に入ると子供たちが、何事かと近寄って来て、はしゃぎ回った。
皆は笑顔でそれをなだめながら、広場へと向かうであった。
ピー
空高く鷹がくるくる回っている。
広場に入ると、大巫女が出て来た。
風が吹いている。
ケヤキの小屋のケヤキも風を受けて、サラサラとなびいていた。




