共闘の準備
共闘の準備
三殿台は、田植えが順調に進み、弥生化が進んでいた。
田んぼの区分けが増え、縄文の者が参加し集落が大きくなっている。
伊勢との交流も進めていた。
族長は、伊勢からの巫女の移住を求めた。
伊勢では、近畿圏の拡大により、巫女の卵の育成が行われており、三殿台にもすぐに送られることになった。
米作の収穫などが安定すると、千葉や利根川への交易も始まっていた。
利根川の中流に集まった。
北川辺、権現堂、ケヤキの集落の共闘が始まろうとしていた。
ケヤキのリーダーは、男を数人、鹿の巣の探索を命じ、自らは、まず、北川辺の親父の所に向かった。
「北川辺の親父さん、今回は、鹿を狙おうと思っている。細かい場所は、家で調べている。そちらでは、網を用意してほしい。」
「ほぉ、どのようにするつもりだ。」
「鹿の群れを多く捕まえたいので、大きな網があれば良いのだが?」
「よし、大きい網がある、4人ぐらいなら広げられる。後は、シカ1頭なら捕られ得られる網が、そうだな5つぐらいなら用意できるぞ。」
「シカの群れを追いやり、権現堂の巫女様に、数人で仕留めてもらいます。それで四、五頭を捕らえます。その捉えるのをお願いします。」
「ほお、良いぞ」
「その後、シカがバタ、バタ動くので、我らと権現堂の巫女様たちが、あと数匹打ち取ります。それを1頭づつ網で捕まえてください。」
親父は大いに納得した。
次にリーダーは権現堂に向かった。
権現堂の巫女は、広場で弓の試写をしていた。
シュン、ドン
広場の小屋の反対側に大きな木があり、そこへ目掛けて試写をしていた。
その速さ、勢いにリーダーは感心した。
「流石ですね。巫女様。」
巫女の竹弓の距離感も掴めた。
「おぉ、リーダーか。シカ狩りだな」
「はい、いま、シカの群れをおいかけています。明日、朝、北川辺の広場にお集まりください。」
「待ち望んでおったぞ」
「権現堂の巫女様方は、シカを追い立てた後、合図でいっせいにし、五頭を狙ってください。それを北川辺の網で捕まえます。」
「四、五頭捕まえられるか?」
「はい、四、五人がかりの網があるようです。その後、一呼吸おいて、バタバタしたシカを一頭づつ射抜いて下さい。」
「あい、分かった。」
リーダーは、シカの群れに今日も人を送っており、シカの群れの癖を掴んでいるはずと伝え、宜しくお願い致しますと、巫女に頭を下げて、去っていった。
ケヤキの集落に帰り、巫女の小屋へ入った。
「巫女様、共闘は、上手くいきそうだ。」
「北川辺の親父殿が、きっかり話を聞いてくれた。権現堂の巫女様は、相変わらずだった。」
「リーダーの先触れが上手いのだわ、ご苦労様」
「明日の朝、北川辺に集合し、狩りに向かう。ケヤキに祈っていてくれだされ。」
リーダーが小屋から去ると、巫女がケヤキの根におもむろに触り、焚き火の火が、バキッと鳴った。
小屋の外のケヤキの木に、夕日が赤く染まりかけていた。
風がビューと吹いていた。
リーダーは、明日は晴れると思った。




