三殿台と移住
三殿台と移住
翌朝、族長は皆を降ろし、三殿台の微高地に入って小屋を作り、田んぼのための水利を探した。
川を見つけ、水利の工夫をして田んぼの場所を決めた。
さらに小屋づくりが終わると、三殿台の真ん中に大きな小屋を作るために皆で地面を掘り固めた。
柱や屋根のためのカヤを集めるために動いた。
乾燥も必要で改めて小屋を作ることになった。
「大きい小屋は、ゆっくり作ればよい。ここでの暮らしを早めに落ち着かせないといけない。田んぼづくりも来年までに出来ればよい。水利は見えてきた。」
族長は、暮らしの形を早く作ることを優先しているようだ。
一方、静岡からの弥生化した住民が舟で千葉へ向かう者たちがいた。
彼らは伊勢の舟よりも先に千葉に向かっていた。
海の巫女は、やはり許容した。
微高地から浜辺の海の漁を邪魔しないなら湿地帯での田んぼづくりも許可していた。
移住してきた者たちは、海の巫女に従い、弥生化した者が、新たな住民として、微高地のしたにあった湿原に田んぼを作り、住民が増えていた。
弥生化が忍び寄る関東だったが、北川辺の大巫女は、鷹を使い、ケヤキの巫女に連絡しリーダーを呼んだ。
「リーダー、西の勢力が、北川辺に来たので、退けたが、関東の何処かに拠点を置くと思うと、伝えてくれ。」
リーダーは大巫女の言葉を受け取り、関東の巫女へつなぎをつけるために動いた。
土浦は、千葉との交流で米のやり取りが始まっていた。
丸木舟を使い、千葉へ行くと、海の巫女が、弥生化の住民を受け入れていた。ここに来ているのは静岡のものらしい。
水戸の巫女に聞くと、那珂川の対岸の平地に新たな住民が来始めてると話した。
那須の巫女、宇都宮の巫女は、二人揃ってとうとう始まったかという表現だった。
北川辺の大巫女の所へ戻ると、ケヤキの巫女も来ていた。
「大巫女様、ただいま戻りました。
千葉の海の巫女の所では、伊勢とは違う静岡からの新たな住民が入っていて、新たな米作が始まっていました。」
「ご苦労だった。時代の流れじゃのぉ。」
「はい、那須や宇都宮の巫女は、とうとう始まったかと仰っていました。」
ケヤキの巫女が感想を伝えた。
「新たな技術をもった住民は、引き入れても良いんじゃないかと思う。
私の所でも米を持って来たものと毛皮を交換した。」
「来るものを断る理由は無いと思う。我らは我らの生活を堅持すれば良いと思う」
リーダーは巫女たちが世の中の動きに逆らわない。自らの生活をしっかりと堅持する思いに、大いに賛成した。
鷹がピーと、青空の下でくるくると旋回していた。
爽やかな風が吹き抜けていた。




