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忘れられた王国  作者: 熊さん
第二章:弥生化の波
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物々交換

物々交換



族長が、前に進み、挨拶をした。


「我らは、伊勢から来たものです。我らは移住する場所を探しに来ました。」


北川辺の大巫女が、答えた。


「大きな舟じゃな。我らの微高地は、小屋がいっぱいじゃぞ。どうするつもりじゃ?」


族長は、拒絶じゃない事に安堵したが、湿地帯では暮らせないなと考えた。


「そうですか。見させて頂いても良いでしょうか?」


「良いぞ、見てこい。」


大巫女はにこやかな笑顔を見せて族長に伝えた。


族長は、何人か降りてこいと伝えて、何人かを連れて微高地を登った。


その時、北川辺の男がついていった。


族著は、微高地の小屋を過ぎて、歩いていった。

男が族長に告げた。


「大巫女様の言ったことは本当です。微高地の先は湿地帯になっています。」


族著は微高地のはじまできて周りを見渡した。

広い大地が広がっていたが、湿地が続いていた。


その先に草が立ち並ぶ場所もあったが、ここでの暮らしは、無理な事が分かった。


皆と一緒に浜辺に帰ってきた。


「大巫女様、分かりました。ここまで来たのですが、戻ります。」


「せっかく来たのだ。火打ち石と毛皮を渡そう。何か持って来ておるか?」


「あ、すみません。米と宝剣を持ってきております。如何でしょうか?」


「米はどのようにして食べるのじゃ?」


「はい、水で煮立てれば食べられます。お試しください。」


米は、草で編んだ大きな袋に入っていて、宝剣とともに交換した。


舟の向きを動かす為に、舟の皆が、水に入り、動かしている。


すると大巫女が、集落のものに


「手伝ってやれ」


と、言い、皆が協力して舟を反転させた。


舟に乗り込み、族長が、感謝を述べて下っていった。


大巫女が、それを見て呟いた。


「大きな舟を持ってきて、力を示したのぉ」


大巫女は、振り返らず、小屋に戻った。


それに引きづられ、案内した男も大巫女の小屋に入った。


「大巫女様、どうなるんでしょうか?」


「良い、交易はしても良いぞ、ソナタが仕切れば良いじゃろう。大きな舟が来たので顔を出したが、後は任せる」


「また来ますかね?」


「伊勢から来たのじゃ、伊勢の大巫女様のお言葉もあったのじゃろう。何処かに場所を見つけるじゃろう」


男は頭を下げ、了解したと付け加えた。


舟はどうしただろうか。


相変わらず、鷹が空高く舟を見守っていた。


舟は、河口に近づき、少し揺れて東京湾に出た。


族長は、右側に行くと千葉があることは理解していた。

舟を左側沿に進め、横浜の先の三殿台に着けて、様子を伺うことにした。


三殿台の微高地には、人けがなく、ここならと思い、舟をしっかりと止めて、皆で降りる事にした。

日はまだ高かったが、明日、皆を降ろすことにして、舟で休むことにした。


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