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「ねえ、リトってあの子のこと好きなんでしょ?」

部活を終えた帰り道、同級生の女子であるモニカにそう訊かれ、俺は目を丸くした。

「あの子って・・・」

「とぼけないでよ、さっきプリマヴェーラ寮の女の子と話してたじゃん。あの子のこと、好きなんでしょ?」

「ローラのこと?確かによく話す友達ではあるけど、彼女とは付き合ってないよ。俺、恋愛感情とかよく分かんないし」

俺は顎に手を当てながら、少し自信なさげに答える。

「へえ、ローラちゃんっていうんだ。可愛い名前。アンタの方はあの子のこと意識してないの?」

「意識・・・どうなんだろ、それもよく分かんないや。確かに可愛い子だなとは思ってそれは口にしてるけど、それが恋愛感情かどうかは」

「少なくともアンタとの長い付き合いの中で、ウチがリトの口から可愛いって飛び出すのを聞いたのはこれが初めてだよ。それが何よりの答えだと思うけど」

「そう、なのかな」

そう力なく発した声は、普段の元気溌剌とした俺自身の様子からは想像ができないほど弱々しいものだった。

これまでにいつだって自信満々で、自分のことについて断言できなかったことなんてなかったのに。俺が自分自身の様子がおかしいことに気が付き頭を悩ませていると、モニカは横から優しく声を掛けてくれた。

「まあ、今日ローラちゃんを一目見ただけのウチがアンタの感情まで決めつけるってのもおかしな話だからね。ウチ以外だけじゃなくて誰の意見にも左右されることなく自分の気持ちに正直になることが一番だよ。ただ、相手が彼女じゃなかったとしてもここにアンタの恋を応援する味方がいるってことは覚えておいてよね」

「・・・うん、ありがとうモニカ」

「どういたしまして」

こちらに微笑みかけてくる彼女にこちらも笑顔で礼を伝えながら、俺は星の輝く夜空に目を移す。空に視線を泳がせつつローラのことを考えているその隣で、その相手が私だったらよかったのになとモニカが呟いていたことをこの時の俺は気が付けずにいた。

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