Lesson13 キャラクターくじは消えてくれ
みなさん、お久しぶりです!アニメオタク兼アイドルオタク兼ボブオタクの一ノ瀬健介です!
『まもなく秋葉原でございます。お足元にお気をつけください』
「みろ!!! タマゴちゃんの姉のユデ・タマゴちゃんのえちえち広告が!!!」
「ぐほぉおおおお!!! あれはプロデュースオーディションで一番輝いていたレモンちゃんじゃ!!! 下積み時代には秋葉原のメイドカフェではたr……」
駅から一歩出た瞬間左右から汚い歓声が僕の耳に響き渡る。
なぜこんなに騒いでいるかって?それは今日が土曜日……学校が休みの神の日だからです!
軽くこの人たちの自己紹介をするとタマゴちゃんと言うエロゲの違法ロリに恋してる『顔だけイケメン』のノンデリエロゲオタクの渡辺。
そして、看板を指差しながら話題のアイドルプロデュース番組の推しに対してグホ声を出しているのが広瀬というメガネひょろがりアイドルオタクだ。広瀬は普段は真面目である……
「そんじゃ! どこか行くとしますか!」
俺はこのまま二人を放っておいたら何かしらの法を犯してしまいそうな気がして二人の肩をガシッと掴み少し食い気味に提案した。
「タマゴちゃん! タマゴちゃんの!!! えちえちフィギアを拝みに!!!!」
渡辺はイケメンな顔を限界まで変態にし俺が肩に置いた手を振り解こうとしていた。
そんな時、広瀬があることに気づく。
「あ、あれ……キャラクターくじ売り場あんなとこにあったっけ?」
広瀬が少し驚いたようにある一点を見つめていた。
「あ、あんなとこに今まであったか?」
「言われてみると見たことないな……」
俺たち三人は興味本位でゲームセンターの下にちょこっとあるキャラクターくじ売り場に近づく。
「「「こ、これは!?」」」
俺たち三人の目線がある一点に集まった。
そこには、俺たちが仲良くなったきっかけでもある『むちむちパーティーはもう懲り懲り!』というアニメのキャラクターくじがあったのである。
「く、くじなんて初知りなんだが……」
「毎日情報追ってたのに……」
「お金大丈夫かな……」
三人はそれぞれ軽くパニクリ始めた。
そんな時俺はある考えに辿り着いた。
「で、でも! 話題になってないことはそんなにいい商品がないはず!!!」
「た、確かに! お前やっぱ天才だな……心の友よ……」
渡辺が泣きながら俺に抱きつき、肩を何度も軽く叩いてきた。きっとここだけ切り取られたら友情スポコン作品と勘違いされるだろう。
「い、一ノ瀬……」
広瀬がガタガタ震えながら渡辺に抱きつかれている俺の肩を何度も叩いてきた。きっとそれほど残念な景品だったんだろう……そう思っていた。いや、そう思いたかった。
「広瀬……どんだけ酷い景品だったんだ……」
俺は広瀬の方に振り返った瞬間フリーズしてしまった。なぜかというとそこには俺たちの推しを含めた作中のヒロイン四人のフィギアがあったからである。
「ん……? ん……???」
俺は何度も目を擦ったがどうやら夢ではないようだった。
「ふぇ……???」
同じく渡辺もフリーズしていた。
「こ、これさ……」
広瀬がガタガタ震えながら残りくじ数のところを指差す。
「「30/80!?!?」」
あまりの凄さに俺と渡辺はまた抱き合い泣いてしまった。何が凄いのか解説すると、キャラクターくじの一ロットは80枚でそのうちの70枚ほどが下位の賞それだから50枚引かれているなら四体あるフィギアが一体くらい引かれてもいいはずなのに……引かれていない!!!
言葉には出していないがこの時三人は同時に脳内に同じ言葉が何度もよぎったと思う。
ここで逃げたら漢ではない……と。
しかし、バイトをしていない学生の懐事情は厳しくここで一人が引ける数は限度額は4000円一回が700円なので一人五回チャンスがあるということになる。
「はい、これ」
「俺先いくわ」
「じゃ最後は僕で」
渡辺が何事もなかったような平然とした顔でレジで渡すくじ券を俺と広瀬に渡し先頭に立った。くじを引く順番は渡辺、俺、広瀬の順番である。
最初はロリコンエロゲオタクの渡辺のターン。
「では、こちらから五回お願いします。あ、あよお客様……?」
「は、はぁ……はぁ……ユウコチャン……おじさんの家に来てよ……幸せにしてあげるからさ……」
「ひ、ひぃぃぃ!!!」
渡辺は何かの法に触れそうなことをぶつくさといいながら五枚引いた。若い女の定員さんはあまりの恐怖に白目を剥きかけていた。補足するとユウコちゃんは推定8歳の魔術師である。
「こ、こちら……缶バッジ賞が3つとクリアファイル賞がふ、2つです……」
店員さんは多分先程の渡辺の言動のせいでブルブルと震えながら袋に入れて渡辺に渡した。
「がああああああああ!!! ユウコちゃああああああああああんんんん!!!!」
渡辺は袋を受け取ると膝から崩れ落ち発狂した。
「ぎゃああああああああ!!!!!」
店員さんはレジの下にしゃがみ込み発狂していた。店舗内は強盗にでもあったかのような緊迫感だった。
「あ、あのじゃあ五回お願いします……」
俺は店員さんが怯えないようにそっと五回分のお金を置いた。
「は、はいぃ!!! 喜んで!」
「一ノ瀬これ完全に怯えてるよ……」
広瀬が言う通りこの店員さんは完全に怯えきっていてもう手遅れな気がした。
「は、はいい! ご主人様! 今引いた五枚をここでめくっていただいて……ください!!!」
「ご主人様……?」
広瀬が不思議がっている間に俺はぺりぺりと五枚を剥いた。
「え!?」
俺は何度も目を擦ったがこれは夢ではないようだった。
「ご主人様…?」
俺がめくった状態で放心状態になっていると店員さんが顔を乗り出して俺の引いた五枚を何度も見た。
「ええぇ!? さ、さすがご主人様!!! お、大当たり大当たりですううう……!!」
店員さんが震えながら小さいベルを何度も鳴らし小さい店内に祝福の音が充満する。
「は、はいぃ……ご主人様こちらフィギアが四体とマグカップ一個です……」
「「「えええええええ!?!?」」」
あまりの合運に俺は再度驚いてしまいそれに合わせるように広瀬と渡辺も声を上げる。
「あ、あの!ご主人様……よかったら連絡先を……」
先ほどまで怯えていた店員さんが俺と渡辺に近づきQRを見せてきた。今良いことが起きたばかりで断る気にもなれなかったのでそのまま友達追加をした。
「え……?僕は……?」
広瀬は店員さんから見向きもされていなかった。
「あ、あの……このフィギアは袋にお入れしますか……?」
店員さんが恐る恐る俺の顔を見る。
「じゃあ、四袋に分けてください」
「え?なんでですか……?」
「こいつらに上げるんで……」
「「一ノ瀬!!!」」
「ご主人様ァァァァァア!!!」
そうして、俺は二人のオタクに抱きつかれ一人の店員に変な声を出されながらその店を後にした。
余った一つのフィギアのキャラは夜桜の推しらしく夜桜にあげることにした。
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