十三 書屋ノ裏
人間は、人間として産まれ、人として生き、そして、人間として死ぬ。
人間には、見えるものと見えないものがある。
見えるもの。それは、信号機、ビル、スマホ、オムライス、コーヒー、スプーン、蝶、花、猫。
見えないもの。それは、空気、時間、音楽、価値、心、嘘、神様、幽霊。
人には、ミエル者とミエナイ者がいる。
ミエル者。それは、幽霊が見える者。
ミエナイ者。それは、幽霊が見えない者。
江野本 智輝 (えのもと ともき)
西見 友里恵 (にしみ ゆりえ)
森崎 (もりざき)
楠見 (くすみ)
押切 (おしぎり)
13
いつも通りの通勤電車だった。
向かい側に座った男が、その隣の女に刺されるまでは。
前日に『誰かのヒーローになれたなら』というタイトルの感動ものの映画を見ていなければ今も俺は生きていただろうかと、江野本智輝は自身十八回目の命日を迎えた。
あの時は、悲鳴すら聞こえなかった。
無我夢中だった。
急いで車両を移動する人々に揉まれながらも、ナイフを振り回す女を抑えようと必死になった。
短い人生の中で護身術を学んだわけでもないのに、ひょろひょろでガリガリの細身の体が刃物相手に無傷でことが済むはずもないのに、頭ではそれらを明確に理解していたはずなのに。
人間とは、時に、不思議な生き物だ。
前日見た映画の影響を受けていなければ、勇気と呼ばれる心情を久しぶりに使うこともきっとなかった。
女が隣の男と口論になる前、いや、女がグミを食べ始めて男が注意した時くらいに俺は他の車両へ移っただろう。音をたてながらものを食べる人は、俺も得意じゃない。
自分が危機感を感じる状況からは、なるべく避けてきた。
だからだ。大人になってからは、つまらない映画のエンドロールが終わるのを待っているような生活だった。それが終わった後に、何かがあると期待していたのかもしれない。それは作品のおまけパートかもしれないし、真エンディングかもしれないし、次回作品の予告かもしれない。
もしかしたら、何もないかもしれないのに。
それが、予想もしていなかった終わり方を迎えた。
人に殺されるという予定は、自分にはないと思い込んでいた。
今考えれば、それはおまけパートだったのかもしれないし、真エンディングだったのかもしれない。もしくは、それ自体が次回作の予告だったのか。来世は死なずにヒーローになれるシナリオ。まさか。でも、だとしたら、それはそれで興味深い。だが、文庫本でいい。俺の人生なんて、ハードカバーにしては高すぎる。
下の階から朝のニュース番組の音が聞こえてきて、畳から体を起こした。
外は晴れていて、小鳥の囀りがした。
寝る前に読んだ本を、本棚に戻す。その前に、栞のページを覗く。本が全て棚に戻るころには、朝のニュースが昼のバラエティー番組に変わっていた。
階段を降りると、この家の家主が居間でカップラーメンを啜っていた。
味噌ラーメン。
醤油や豚骨より頻度が高い。察するに、一番好きなのだろう。
偶然、俺もだ。
隣に静かに座る。
家主に幽霊の俺の姿が見えるはずもないので、まるで当たり前に、家主の日常に今日も加わった。
テレビでは、芸能人がクイズをする様子が映っていた。正解者には、豪華景品として松坂牛の肉が送られるらしい。
芸能人が回答するフェーズの後に正解が映ると、賑やかな音声が居間を流れた。家主はそれを見て小さく頷きながら、時々、鼻水を啜っている。
涼しい六月の風が部屋に入り込んで、庭に干された一人分の洗濯物が風で靡いていた。
ここが、今の俺の居場所。
幽霊の俺の暮らし。
揃えた割り箸を空になった容器の上に置くと、家主は手を合わせた。声に出さない声で、ご馳走様と言った。
昼のドラマの続きを家主の隣で見て、その後は、その日の時間がきた。
今日は、店の掃除らしい。
扉を解放して、風通りがよくなった店で家主ははたきやらドライペーパーやら雑巾やらで展示された商品を整えていった。
その間、俺は本の整理をすることにした。
家主に習って、適当に埃を払っては整頓した。
随分前に読んだ本を懐かしんではページを捲り、最近読み終わった本と入れ替えた。
一度も読んでいない本もあれば、何度も読む本もあって、それぞれ並べた。
自分の中でコレクションしている栞も、本の内容にあった物に入れ替えてみた。
ある程度整理がついたところで、本の発注にとりかかった。今の俺の仕事だ。
俺は、本屋。
この世に残る亡者に、本の紹介や貸出、販売をしている。
営業時間は、雨が降る日。
理由は、取引に電話機を使うから。
そうこうしていると、お鈴が鳴る音がした。
下に降りると、仏壇の前で家主が手を合わせている。
隣に静かに座る。
仏壇には、女性の写真。多分、奥さんだ。
そして多分、俺が使っている二階の部屋は、この方の部屋だったのだろう。今はもう、カーテンすらない。日焼けした畳と空の棚だけの、片付いた部屋となっている。
毎日必ず、同じ時間に、この時がくる。
毎日欠かさず、家主はここで、しばらく座っている。
俺も、隣で座っている。
ただ静かに、日が落ちていく。
夜中から降り出した雨は、庭に水溜まりを作っていた。
昼のバラエティー番組を見ながら、家主はきつねうどんに生卵を落とした。七味唐辛子を少し振って、手を合わせた。
テーブルの上にはメモ書きがあって、『たまご』とか『ボディソープ』とかが箇条書きされていた。
熱いお茶を飲みながら昼のドラマを見終わると、メモ書きをズボンのポケットに詰め込んで、家主は出かけた。
好きだねーと、心の中で言った。
パチンコ。
家主は雨の日、店を閉めてパチンコに出かける。
以前に、何度かついて行ったことがある。
安い台に座っては、ぼうっと玉が転がるのを見て、夕方には店を出る。
儲けたいというよりは、暇つぶしとして好きなのだろうといった感覚だった。
濡れた地面を歩く足音が、遠くなっていった。
人がいなくなって、雨の音がよく聞こえた。
店のほうで、電話が鳴った。
しかし、鳴っているのは店の電話ではない。電源の繋がっていない商品のひとつの、黒電話。
仕事だ。
はい、と受話器をとる。
しばらく沈黙があった後、男の声がした。
「何も聞こえない」
雨が降る音が微かに聞こえて、相手が外にいることがわかった。それに、筒の中を伝って届くような響いた音。
ヒトツバカエデ公園の伝声管からだ。
懐かしい。
数年前に、その遊具で遊ぶ子どもたちに悪戯をして遊んでいた。わざと生者に聞こえる声を作って、驚かせた。そうしたら、幽霊の声がすると噂になって怒られたっけ。
噂を聞きつけた子たちがしばらく電話を鳴らしたけど、怒られてからはやめた。
そのうちに噂は薄れて、伝声管からの電話も鳴らなくなった。
この噂を知っている子たちは、もう大きくなっているのかな。
「お化けやさんはお留守なの?」
そうそう。
特に決めた訳でもないのに、子どもたちの間でその呼び方が広まって、それで幽霊が話すってことになってたんだよな。
俺の召喚の呪文みたいな。
「私を呼んだのは、お前か?」応えてみた。「この声が聞こえたならば、今日の夜、お前は悪夢を見るぞ。・・・なんて」
あの時はわざと聞こえる声を作っていたけど、さすがにまた怒られるのは嫌だから。
だから、相手に幽霊の声が聞こえるはずがなかった。
「うわー。お化けが話したー」
相手は言った。
大人か?
しかも、全然びっくりしてなさそうな嫌な大人だ。
「・・・え?!君、聞こえるの?!」
そんなはずない。
ありえない。
今まで何冊も本を、小説以外にも、論文や研究報告書、ブログや陰謀論まで読んできた俺ですら、知らない事実?!
「君、もしかして幽霊の声が聞こえるの?!」
「本を借りたい」相手は短く言った。
それで勘違いに気づいた。
相手は、顧客だ。
だから、多分亡者だ。亡者だから、幽霊の俺の声が聞こえて話ができるのだ。
切り替える。「あ。うん。本ね。何の本をお探しかな?」
「レコラエの最終文書」
「君、それ読むの?いいじゃん!いいじゃん!」スマホで本の名前を素早く検索する。「今探すからちょっとまっててねー」
画面にいっぱいに、ずらっと本の情報が映った。著者に、出版社、発行年月日。帯や評価まで、詳細な情報があった。
「この本いいよねー!俺もさー、一度だけ読んだことあるよー!もう覚えてないくらい昔だけどねー。この本はさ、あまり知られてなくてさ、なんか特別感あるよねー!」
その中の保管場所一覧を広げて、都合のいい場所を探す。
「あ!あったよー!綺麗な状態だ!君、運が良かったねー!」
探し出した本を早速注文して、本文のページを映した。
「でさー、この本のいいところはやっぱりあれだよね。著者の意図がめいっぱい詰まってる章、あの章ね。でさー、なんといっても心に響くのは」
「実は、初めて読むんだよね。その本」
「そうなの?!」相手が遮ってくれて良かった。「えー!いいなー!初めて読む本なんだー!初めて読む本いいよねー!ドキドキするよねー!なんでこの本読むことにしたの?なにか理由とかあるの?」
「次に雨が降る日に取りに行く」
「あ。うん!わかったー!待ってるねー!」
受話器から濡れた足音が離れていった。
久々の顧客に胸が踊った。しかも、久々に人と話ができる。
会話は、なんだかまぁ、あれだけど。
楽しみだ。
暗い灰色の空から、ぽつりぽつりと予報通りの雨が降り始めた。
まだ乾ききってない洗濯物をカーテンレールにひっかけてから、家主は財布をポケットにつっこんで店のほうに向かった。
いつものパチンコだ。
夕方までは帰ってこないだろうと、俺は再び開いていた本のページに目を落とした。
店の方から家主の声がした。「あれ。いらっしゃい、お客さん」
ちょうど客がきたようだった。
しかし、家主はお構いなく暖簾を中に片付ける音がした。「すみませんが、今日はもう終わりなんですよ。明日もやってるんで用があったらまた来てください」
傘を広げる音がした。
お客さん、すみません。本日はあいにく、パチンコの日なんです。
江野本が再び視線を本に落とすより先に、気配は店内に入り込んだ。
店の中を覗くと、先程家主と会話をしたであろう顧客がいた。
くせっ毛で冴えない目つきの青年。無地のウインドブレーカーにノーブランドのリュックサックにスニーカー。
幼い顔立ちだが、大人か。
ウインドブレーカーの肩に少し水滴が乗っていた。
外は、雨が降っていた。
黒電話が鳴って、江野本ははっとした。
電話は、注文の本が到着した連絡だ。
そしてその顧客は今、目の前にいる。
「生者?!」
江野本は鳴り響くコール音を無視して、急いで自室へ駆け上がった。
襖を勢いよく開けると、畳の上に小さめのダンボールがぽつんと置かれている。
『ご注文品』の欄には、注文した本のタイトルがあった。
受け取り印を光の速さで押すと、黒電話のコール音は鳴りやんだ。そして、光の速さで階段を降りて青年の元へ戻った。
「よかった!まにあったよ!」
江野本はダンボールから取り出した一冊の本を、青年から近い適当な場所に置いた。チャーハンの食品サンプルが入った中華鍋の中だった。「はい!おまたせ!これね!」
青年は、振り返ると本を手に取った。興味ありげにページをパラパラと捲る。
「どれどれ?俺にも見せて!」江野本は、青年に寄り添うようにページを覗き込んだ。「あ!今の!今のページの四行目の雰囲気が好き!あえて作り出した空気感というかさ、読者を思いや考えに浸る刹那みたいなさ。ね!」
江野本は、文字を目で追う青年の瞳を見つめたり、ページに目を移したりを繰り返した。
「ねね!なんで無視すんの!あ!今のページもいい台詞あるよ!多分に著者の本音みたいなものが表現されてそうだなって、勝手に推測してる、俺」江野本は楽しげに笑った。
「それからさ、著者は違うんだけど、その本好きならこれもいいよ!」
どこから取り出したのか江野本は、別の本をまた適当な場所に置いた。「固定概念を壊す、をテーマにした物なんだけど、新しい目線になれて自分の考え方を見直せると思ったね。評価も高い作品だし、多分好きになると思うよ!」
そしてまた江野本は、どこからともなく取り出した本をパラパラを捲っては適当な場所に置いた。「そうそう!これこれ!これも系統似てる!最初、なんだこれ?って思うこともあるんだけど、中盤から段々繋がっていく感じが読んでて気持ちいいよ!読む作業が好きな人は是非って帯だったと思う。人気のタイトルだね"
次に両手にとった本も適当な場所に置いた。
江野本は次から次へと、本を解説しては青年の手が届く場所に置いた。
「これは名作だねー!著者の無名時代を切り抜けた作品!受賞もいくつか取ったし、今でも読まれ続けてる宝だね!」
それは、蛙の置物の上に置かれたり。
「みて!もうこれは今じゃ手に入らないんだよ!貴重な初版!この著者の作品は、著者が亡くなった後からスポットライトを浴びるようになったんだ。凄いよね!死んだ後にさ、残した作品が全世界を魅了するなんて。凄くて、悔しいよね」
それは、倒れた酒瓶の上に置かれたり。
「あ!これも是非読んでほしいな!俺の好きな本ベスト百入りするくらいにはオススメ!難しくなくて、でも、だからこそかなり奥が深い書き方をしてる!本が好きになる理由を具現化しているといっても過言ではないと俺は思う!」
それは、鉢植えの上に置かれたり。
「これもいいねー!これは、これを読んでから読むと、より一層楽しめると思う!世間では解釈がいろいろある作品で、SNSは考察なんかも調べると面白いんだよー!他の人の解釈をみて、確かになーってなる瞬間たまんないよね!」
それは、陶器でできた灰皿の上に置かれたり。
「今日はありがとね」
智輝は嬉しそうに、本を重ねて抱えた。
抱えた本を店の奥に置いて、領収書を書いた。
店主が普段使う領収書を裏っ返しにして、貸し出しの本のタイトルと日付を書き込んだ。ヒラっとデスクに置くと、青年は領収書に気がついた。
「また会いにきてよ!君なら大歓迎だ!」智輝は、両手を広げた。
青年は本の適当なページに領収書を挟んで、リュックにしまった。
「ねね!君、名前なんていうの?俺たち、友達になろうよ!俺は、智輝!多分君と同じ年くらい!呼び捨てでいいよ!君は?」
「赤い紙の話は覚えているか」
「え?」
赤い紙。
青年は淡々と、テーブルに物を置いていく。
「何?マジックしてくれるの?」
赤い紙。
江野本は、思い出した。
女に殺されてからすぐの頃、訪ねてきた老人がいた。老人は、赤い紙を江野本に差し出した。
「いずれここにも、購買人が来るだろう」
老人はそう言って、江野本に書屋の仕事を紹介した。
赤い紙には、こう記されていた。
『購買人は、テーブルの上にサービスに対する代金を提案する。
サービスをした店主は、代金を選択できる。
購買人によってテーブルに置かれる品は、花と金』
「では、提案された代金は花か金か。実はそうではない」老人は言った。「暗示なのだ」
『代金として提案されるのは、みっつ。
一つ目は、生者の殺し。
ふたつめは、亡者の殺し。
三つ目は、金。
このみっつの選択肢から店主はサービスに見合った代金を自由に選択できる』
「花なら暗殺。金なら金。選ぶといい」老人は続けた。「なに、ただの事業さ」
テーブルには、青年によって花と金が置かれた。
青年はテーブルに背をむけ、じっと立っている。
それを見て、江野本は目を輝かせた。
「君が購買人なんだ!すごいよ!唯一無二の逸材だ!」飛び跳ねて喜んだ。
「貸し出し料を、俺が選ぶんだね!」花を指差す。「殺しか」金袋を指差す。「金か」
「君が殺すの?亡者って、殺すとどうなるの?」ワクワクした様子で、ナイフを握ったような拳で心臓を貫く素振りをする。
「俺、知ってるよ!人間として生まれ変わるんでしょ?」
江野本は、青年の背中に向かって訊いた。
「それってどうやってやるの?俺でも亡者を殺せるの?」
青年の背中はぴくりとも動かず、スマホを弄っている。
「あ!でも待って!俺を殺したあの女は亡者だから、殺すと生き返っちゃうのか。前世になるにしろ、殺人犯を現世に戻すことに責任は持てないな」江野本は、頬杖をついた。
「なら、悔しいけど。このお金で本を読もうかな。現世で読めなかった分も、あの世に行く前に死ぬほど読もう!」
赤い紙の記述を思い出して、江野本は手順に従った。
金袋を、そっと床に置いた。
少しして、青年はテーブルに向き直った。青年はテーブルに残こされた造花を鞄にしまった。
「またおいで」江野本は、青年を見送った。
「変わった人だったな。購買人さん」
青年とすれ違いで、店に向かってくる店主に見えない手を振った。
どうして、見えないのかな?
*
『森崎が救急車で運ばれた』
『は』
『車と事故ったって、森崎の兄ちゃんから電話きた』
二十三時過ぎ。
グループメッセージに、一番新しく更新されたメッセージ。楠見と押切のやり取りは、ここで止まっていた。
返信に迷ったまま、どれぐらいたっただろう。
人の死は慣れているはずなのに、いつまで天井を見つめているのだろう。
いつまで、この手の震えはとまらないのだろう。
人の死とは、自らの死をもって解釈するものではない。隣で大笑いしていた人間が、なんの前触れもなく突然消えて、二度と現れなくなって知るのだ。
人間は死ぬ。
スマホが鳴った。押切から電話だ。
病院へ向かっているらしい。
呼吸が荒く、声も震えている。
お前もくるだろ?と、病院名を言って電話は切れた。
心臓の音は早かった。
足が動かないのは、恐怖しているのか。それとも、絶望しているのか。
購買人は、提供された商品やサービスへの代金をテーブルの上に提案する。
店主は、商品の代金を選択できる。
購買人によってテーブルに置かれる品は、造花と金が入った金袋。
では店主に提案する代金は、造花か金か。実はそうではない。
それは、人間が見える情報であるだけ。店主は、人間ではないかもしれない。
代金として提案されるのは、みっつ。
一つ目は、生者の殺し。
ふたつめは、亡者の殺し。
三つ目は、金。
このみっつの選択から、店主は代金を自由に選択する。
金を選ばなかった店主を、以降、依頼人と呼称する。依頼人は、最も恨む人間の殺しを依頼する。
それは生者でも、もしくは、亡者でも。
生者の殺しは簡単。暗殺するだけ。
でも亡者の殺しは、どうするか。亡者はその通り、もう死んでいる。
亡者を殺しは、蘇生だ。
生き返るんだ。人間として。
浴びせられるような悲劇と絶望を伴う豊かな人生を、また最初から始めてもらう。
そうだろ?この自殺願望で咲き乱れた世界で、亡者にとってそれが一番の殺しだろ?




