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守護者となり主人のために戦い抜く  作者: 城猫
第三章 夏の修行
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今までのことの有り難み

「ふー、やっぱりばぁちゃんの飯は最高だな」

「本当に、凄く美味しかった。カズトもいつか、あの味を再現して」

「無理かな。あんな優しくて温かい飯、今の俺には作れねぇよ今の俺っていうか、一生掛けても無理だから」

「子供とかできて、今よりも丸くなれば、少しは近付けるんじゃない?(笑)」

なんだよ、今の俺が角ばかりみてぇな言い方しやがって」


「え?(笑)」


「お前ら、後で絶対に泣かしてやるからな。イロハは可愛いから許すけど」


マリア&シン「それは不公平!」


「主人の特権」

「その通り」

「なんだよ甘々空間は……」

「おーい、そろそろ始めるぞー」


移動して離れにある道場に着き祖父が、皆にそう声をかけると、みんなの表情が一変し、一気に真面目な雰囲気になった。


「はい!」

「え、あ、はい!」

「イロハちゃんは、家の門下生じゃないから、普通にしてて良いよ。まずは準備運動!その後に道着に着替え!」


「はい!」


祖父の一喝により、準備運動を済ませて、早足で道場の裏で道着に着替えてくるカズトたち



10分ほどで道着を着て、竹刀を持った2人が戻ってきた。

そして、師範である、祖父の前に並んで、一礼する。


「よろしくお願いします!」


「よろしくお願いします!まずは上下素振り180本!始め!」


「はい!」


ビシッと一礼をして、竹刀を構えて素振りを開始する2人。

その後、他種の素振りを行い、切り返し、打練習、技練習など、けっこうハードな内容をこなす。ウズウズしていたイロハも混ざり素振りわ始まるが



「ハァ……ハァ……ハァ……ふ、3人とも、なんで平気なの………もうダメ……ハァ……ハァ……」


あまりのハードな練習内容に、体力切れして、道場の隅に移動するイロハ。イロハにはきついかな。いつもの特訓の3倍だからな。


「まぁよい。アイシングをして、ゆっくり休みなさい。では、次!模擬試合を行う!」


「!」


模擬試合と聞いた瞬間に、隅に移動中だったイロハがバッと振り返る。


「1対1の模擬試合だ。まずはカズトから」

「はい!」


名前を呼ばれたカズトは、1歩前に出て一礼する。


「ぅーん………ちょっと待っておれ」


カズトを見た祖父は、少し悩む素振りを見せて、急に道場から出て行った。

そして、5分ほどで戻ってきた祖父の手には、2振りの日本刀が握られていた。


「模擬試合は、こっちにしよう。もちろん、真剣だからといって、手加減はするな。全力で来なさい」

「え、いやー、あの……」チラッ


真剣を渡されたカズトは、チラッとイロハの方を見る。

それに気付いた祖父も、イロハの方を見る。

そこには、心配そうにカズトを見つめるイロハの姿が。


「ふむ……イロハちゃん!」

「は、はい!」

「これは模擬試合、練習であって、本当に切り合うわけじゃない!とうぜん、大きな怪我をするような、危険な事はしない!だから、儂とカズトを信じて、見守ってくれんか?」

「解りました」

「すまんな!……という事だカズト」

「解りました。お願いします」


祖父から真剣を受け取り、数歩下がって一礼する。


「お願いします」


祖父も、同じように一礼をする。


「審判はシン、頼む」


「解りました。それでは、これより師範対カズトによる、模擬試合を始めます!両者構えて!」


シンの合図で、お互い抜刀して構える。

もちろんカズトは、抜刀術の構えである。

師範は無の構えをとる。


「では、始め!」


「ハァアァァァッ!」

「ウォオォォォッ!」


キンッ!ギギギギッ!

道場の真ん中で、鍔迫り合いとなり、微妙に押して押されてを繰り返す2人。

二人の技が何度もぶつかり合う。常に修行している皆は真剣に見ている。

そんな中で、師範としての厳しさを残しながらも、祖父としての優しい口調で言った。



「……カズト、強くなったな」


そんな言葉に、一瞬驚くカズトだが、持ってるのは真剣という事を思い出して、押し切られないように、力を入れ直しながら返事をした。


「師範の……じぃちゃんの強さには適わねぇよ。俺はまだ、じぃちゃんの背中を遠くから見てるだけだ」

「そんな事はない。……しかしカズト、手加減はするなと言ったはずだ!ハァッ!」


キンッ!


「ッ!?」


カズトの動きに、迷いを感じた祖父は、その一瞬で嵐の真剣を弾き、腹を蹴る。カズトは一旦その場を離れる。

「真剣勝負で手加減とは、どういうつもりだ。ここが戦場ならば死んでいたぞ。」

「す、すみません……もう一度、お願いします」

「次は無いぞ」

「はい」


そう言って、再び構え直すカズトと祖父。

そしてカズトは、目を瞑り、深呼吸をして、意識を集中させる。


「……………」


その様子を、何も言わずにジッと見る祖父。

そして、集中力が高まったカズトは、パッと目を開いて、闘気を剥き出しにする。


「!」

「行きます、師範……」


スーッ……と、流れるような動きで、あの世界で闘う時の構えをとるカズト。

そして、グッと床を踏み込んで祖父に接近する。

が祖父の姿がなく、カズトの頭上に飛んでいた。


「なっ!?」


「神風剣術……静」

「神風剣術……神風」


気付いた時に見たものは、自分の懐で、峰打ちに持ち替えられた真剣を胴に当てている孫の姿だった。


「そ、そこまで!カズトの勝ち!」

「ありがとうございました」


「あ、ありがとうございました…」

「……ごめん、じぃちゃん。この一週間、いや半年間で俺が何をしてたか解ったよな」

「…あぁ」

「ちゃんと説明するよ。稽古は終わりでいい?」


「ぅむ。、お前らの模擬試合は無しだ」

「はい。ありがとうございました」

「ありがとうございました」


一礼をしてから、再び道場の裏で着替えてきて、それから地球での一週間の事の説明を始める。


「何から話そうか……とりあえず、俺たちは今、地球とはまったく違う、俺の好きな、小説とかみたいな世界に居るんだ。」


「また、何とも突飛な話だな」

「そうなんだけど、本当の事だから。その証拠に、ルシファーは名前だけじゃなくて、本当に、天界って所で、天使やってて、堅い役職に付いてるのは似合わないからって理由で、自ら堕天して、堕天使になった。それとイロハは、その別の世界の人だ」


「さっき言っていた、向こうというのは、その世界の事なのかい?」

「はい」

「その世界ってのが、魔法の世界で、ルシファーはマリアの使い魔なんだ」

「使い魔?それは、円やら何やらを書いて、そこから生き物を呼び出して契約するとか何とか」

「スッゲェ簡潔に言うとそんな感じ」


「なるほどな」

「んで、その世界では、場合によっては殺人も許されて、俺らは、そんな世界で生きてる。もちろん、俺達の手は血で汚れてるし、人だって殺めてる。殺らなきゃ殺られる、そんな世界だから」

「………」

「こっちだと、俺達が向こうに行って、一週間くらいみたいだけど、地球と向こうは、時間の流れが違うみたいで、向こうでは半年くらい経ってる。その半年間、俺達は死に物狂いで、その世界を生きてきた。今の強さも、その中で生きる為に身に付けたものだ」

「生きるか死ぬか、殺さなければ殺される、そんな世界で半年か。強くなったのも頷けるわけだ。仕切り直しした時、お前の闘気に違和感を感じたが、やっと解った。いくつもの死線を乗り越えてきたんだな」


「まぁ、それなりには。何度か、死にかけた事もあるし」

「それなら、強くなるはずだ。君らもカズトと同じくらい強くなったのか?」

「俺なんか、カズトの強さには敵わないですよ。カズトは、良いように言ってくれてますけど、僕があっちの世界で生きる覚悟を決めたのは、ほんの少し前ですから。模擬試合で闘う時は、それなりに勝負になりますけど、実戦で、命懸けだったら、足元にも及びません。カズトの剣は、生きる為の剣ですからね」

「稽古でふざけてばかりだったあのカズトが、生きる為に剣を振るうか」

「そうやって戦わないと、向こうでは死ぬから。そのせいで、イロハには心配かけてばっかりなんだけどさw」


「こんな可愛い嫁さんに心配してもらえるなんて、幸せじゃないか」

「まぁね怒らせると怖いけどwww」

「母さんそっくりだな(笑)」


「カズトも、お爺さんとそっくり(笑)」

「カズトを見ていると、若い頃の自分を見ているようだ(笑)」

「ずっと、じぃちゃんの背中を見てきたからなw」

「そのわりには、稽古中は遊んでばかりだったよね」

「だって詰まんなかったからな」

「遊んでばかりで、マリアらに怒られてから、少しは真面目に稽古するようになったが、稽古が飽きると、すぐに遊びだしてたからな」


「それなのに、模擬試合の稽古に入ると、俺以上に強いから、不思議なんですよね」

「見て盗むのが、俺の稽古なのそれに、実戦の方が経験値も高いしな」

「剣を交えてわかったことがある。……迷いがあるな?」


その言葉にカズトは言葉を詰まらせた。祖父には敵わないなと思った。


「だがその迷いはいいと思う。先程の抜刀術は儂が知らない技であった。神風剣術の心髄を知ったか?」

「いえ……俺には何も分かってはなかった……敵に神風剣術を破られました。俺はそれを汚したと思っております。」

「だが前に進もうとしたんだろ。」


祖父は少し考えた結果


「お前らに神風剣術奥義を1から鍛え直そう。」

「いいの?」

「継承は一度きりだが剣技を磨くことは違反しない。」

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