↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/8

第二話 出会いの入学式


 私は無意識に目の前にあるドアノブに手を回す。

 ドアを開けると先ほどよりも音が鮮明に聞こえてきた。


 ピュ〜〜♬!!



「アゲハ!後輩ちゃんがお前の音につられてきたぞ。」


 リコーダーを演奏していた彼の隣に座っていた男子生徒が私の存在に気づきそう言った。


 そこでピタッと演奏は止まり、アゲハと呼ばれていた人がこちらを振り向いてきた。


「すみません。邪魔するつもりじゃなかったんですけど。」


 とっさに誤った。


「別にいいよ。なぁ、アゲハ。たまに音につられてくる人いるしさぁ。」


「うん。全然気にしないで。」


 キーン、コーンカーンコーン!!


「そろそろ教室に戻ったほうがよさそうだね。トモちゃんも、立ってほら。」


 私は緊張と疑問で少しフリーズし、彼らが私の横を過ぎ去る時に咄嗟に声を出してしまう。


「あの……先輩はなぜこんなところでリコーダーを?」


 急に質問されたのに穏やかな表情を変えず、答えてくれた。


「一応僕、吹奏楽部だからね。それにリコーダーが大好きだから。」


 吹奏楽部だからといってリコーダーを演奏することはないだろうとも思ったが、好きなら不思議じゃないのか……


「実は私、吹奏楽部に入ろうと思ってて……いえ、吹奏楽部に入るためにこの学校に来たんです。先輩の演奏とても良かったです………それでは。」


 あまり、人と関わってこなかったこともあり、コミュ障特有の申し立てるような早口とともに、私は、その場から走り出す。


「あ、ちょっと……」


「アゲハ、ちゃんと最後まで言わなきゃ!吹奏楽部員であっても吹奏楽部員じゃないって。」


「………」


ーーー


 そこから始業式が始まり、クラスでの自己紹介が行われた。


 しかし、私の頭の中は先ほどの先輩のことで一杯だった。


「アゲハって呼ばれてたっけ……」


 名前にしては、独特だけどどうなんだろう。

 

 窓の外を見て、考えふけていると……


「貴方、さっき楽器やるって言ってたよね。」


 私の背中を指で突きながら後ろの席の女の子が話しかけてきた。


「えっと……」


 なんて名前だってけ?

 ボーっとしてたから覚えていない。


「私は、兎鞠楓。小鳥遊さんだったよね。下の名前は確か…」


「晴香です。」


「おぉ、そうだった、そうだった。下の名前で呼んでいい?私のことも楓で良いよぉ。」


 余りにも陽キャだ。

 これが高校のコミュニケーションなのか…

 すごすぎる。


「それでさぁ、なんの楽器やってるの?春香は?」


 この子も楽器を、やってるのだろうか。


「オーボエを小5のときから。兎鞠さんも楽器を?」


「だから、楓で良いのに……うん。私、中学の時吹部でトランペットやってたの。それにしてもオーボエか…うちの学校には無かったなぁ。」


 そう、オーボエという楽器は以外にも無い吹奏楽部が多いのだ。


「中学、吹部だった?」


「中学に吹奏楽部無くて、ずっと父の友達にオーボエ教えてもらってたから……」


 高校に入ってからは、学校優先して欲しいとのことであまり教えてくれなくなるみたいだけど……


「それじゃぁ高校では、吹部入る?」


「うん、そのつもり……」


「そっか、ちなみに吹部は、今日から新入生見学あるみたいだよ。他の部は、明日からのところが多いけど……」


 それは、初知りだ。

 吹奏楽部に行けばきっとあの先輩もいるのだろう。


「一緒に行かない?見学。」


 正直、一人で見学とか怖かったし、吹奏楽部に入るうえで一番の難関が見学に行くことだったから、一緒に行くってくれるのは心強い。


「うん、お願い。」


「じぁ、行こっか!!」


 こうして私は、兎鞠さんと一緒に吹奏楽部の見学に行くことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。