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第8話 潜入前の幕間

ストルムは追跡する科国兵器を蹂躙した。

いよいよ本陣へ潜り込むが

お互い満身創痍だった。

超速ダイブ。

「私は宝石(ジュエル)の悠久潜在能力(オブリビオン)のお陰で

どんなにスピードを出しても問題ない。だが…」

青いサファイアをイメージした体色になりながら、

本陣を目掛けてスピードを上げて突貫するディアード。

宣告の速度は超え、現在240キロ。スーパーカー状態だ。

ダイヤモンドの加護を与えているので、空気に混じった

チリなどによる裂傷は避けられているが突起部分で

感じる温度は徐々になくなって行く、

「コドクさん!もう少しだ!頑張ってくれ!」

「っつ…!」

「(派手な着地は追撃の対象になる…

 なんとかコドクさんを休ませないと…)」

かなり減った魔力で使うのは幽体(ゴースト)。

センサーでバレるかどうかはある一種のギャンブルだったが、

バレた時のために自らの体内器官で作られる

輝く炎を吐いて、目眩しを先にしておいた。

運良く気付かれずに着地する時にはお互いズタボロだった。


「うう…あ、ハンド…ガン、返しますね…」

「とにかく火傷が酷い。応急処置をしておくよ」

空の上では遠くにウリエルが見える、

本当なら追われてもおかしくはないが、

コドクが撃ったライフルの弾が超高速飛行のためのウイングを

故障させていた。戦闘重視で判断が追いつかなかったのだ。

追い詰めた獲物に意識が向きすぎて、逃げられるという判断が消えていた。

ある意味、魔国側にとって一矢報えた瞬間である。

「かくいう私も、重症か…

ストルムは無事だろうか…」


ストルムは無事だった。

辺りはアニミスクの残骸だらけだが使えそうなものは

拾って改造している始末である。

「へえ〜、ガン○ムみたい。

んな事よりなんとかして、先方に追いつかなきゃな…」

落ちていたルナスとヴァーチュズを弄っていたら

ホバーボードができた。軽く乗り回すと快適に感じたため、

筋斗雲に乗った孫悟空の如く痛快に移動した。


その頃、科国の本陣では

浮き彫りになったウリエルの弱点と幽体(ゴースト)によって

見失った3人の介入者、魔国側の反応が無いこと…と

問題が次々に現れて対応に追われていた。

「やれやれ…作戦司令はこれだからやりたく無いのだけど」

「司令、ウリエルが帰還しました。

メンテナンスの後は如何しましょう」

「そのまま出撃させましょう。

…と、言いたいですが陥落済みでしたね。本土へ直帰させましょう」

「はい。(司令もお疲れの様子だ)」

こぼれ落ちた落ち着いた笑みは

冷血な司令官の油断をハッキリと表していた。


美しき女傑は白衣の軍服を纏いレポートを纏めている。

黒く長い髪の毛は清流の様に整い、

それを表すかの様に品行方正。部下からの信頼も厚い。

しかし彼女が信頼するのは機械だけ。

人間なんて者はいつ裏切ろうともおかしく無い。

疑心暗鬼な心で仕事をしなければ潰れてしまう。


科国の本陣はもう畳上げを始めていた。

一般兵を初めてとし、コンテナホテルも続々と引き上げていた。

残ったのは一部の精鋭と本部だけ。

どうしても3人の存在だけが気がかりだったため、

残って対応している。


「まるでファンタジー…竜に乗った戦士様なんて…

ドン・キホーテ以外にあまり聞かないわ」

アニミスクが録画していた映像にははっきりと暴れ回る

ディアードとコドク、別の映像にはストルムの台風が映る。

ふと、考えついた。

もしかすれば乗り込んでくるだろう、と。

実際ウリエルの戦闘データには撃滅が確認できていない。

だからこそ…


それから1日が経過して朝を迎える頃、

ディアードは作戦を練っていた。

通信機器を使えば向こう側が必ず反応すると判断した以上、

ストルムと合流できる可能性は少ない。

しかも一番欲しい情報である戦争の原因を探らないと、

本部は作戦の失敗を余儀なくされる。

要はギルドの存在の隠蔽に支障が出て行動しづらくなる。

だから情報を人質にするのだ。故に失敗は絶対に許されない。


「幸い科国は魔国本陣を落とし、引き上げを始めている。

私達は手薄な中侵入できるというわけだ」

「ディアードさん…僕は幽体(ゴースト)を使えません

侵入は困難ですよ…」

「その件だが…少し気がかりだった。

私が幽体(ゴースト)を使った時だが、君もその影響を受けていた」

「え!?僕使えてたんですか?

別に悠久潜在能力(オブリビオン)の覚醒者という訳でも無いんですけど…」


その時、強い雷光が光る。

悪天候になり始めた。ただの自然現象だが

ディアード達は屋外の茂みで休んでいたので、

非常に危険な状況に余儀なく置かれた。


「とにかく乗り込むんだ。

…巻き込んでしまって本当にすまない」

「…僕、今生まれて始めて自分に向けた謝罪を受けました。

だから大丈夫です、ディアードさんのこと信じきれます」

「…ありがとう…!」

とはいえ乗り込むに当たって幽体(ゴースト)無しは厳しい。

だから荒業として授教(スタディーチ)を使い、30分で身につけさせた。


授教(スタディーチ)は魔術提供の百柱の一つ。

99ある術のうち1日一つだけ提供できる、(コピー)みたいな物。

使える期間は何故か日付が変更するまでで、

それを過ぎると強制的に解除される。


「幽体(ゴースト)は姿を透明化出来ても音は消せない。身長に行くよ」

「この声ももしや…」

「消せない」

ちなみに透明にはなっているので分厚い扉もする抜ける事ができる。

扉の構造を見る事ができるのは少し面白い。


「透明化しているのに床はすり抜けないんですね。便利」

「必要に応じてすり抜けられる。よく見るアレとおんなじさ」

フィクションで見る白装束の幽霊になった気分は、なんだか

いけない事をしている様な気分にもなる。コドクは女湯を想像した。


「ストップ、参ったな…

この先はおそらく幽体(ゴースト)が通用しない。

というかもう普通に話して良いみたい」

「なんでですか?」

「もうここには僕たち以外誰もいない。

一番厄介だけど目的達成の為の人間を除いて…」

目の前の扉が勝手に開いた。

天井から吊り下げられた濃ゆい赤色の

球が変形すると天使の姿になる。

まるで船首像の女神の様な胴体と顔造りに、

脚は天井で固定されて伸縮自在でいる。

最後の関門は超兵器獣(エリーチャー)。

ディアードとコドクは武器を構えた。

閲覧ありがとうございました

うおおおおお締め切り(18時)数分前ツッ。

この先多分時間とか忘れるかもしれません。

次回もお楽しみに♪

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