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第6話 覚醒者の力

降った流星はコドクの掌へ。

しかし、今回のギルドの任務の大半は彼だった。

そこから3人は更なる情報の為に前線へ赴いて行く。

窓からの景色は、冬ならではのオリオン座が主役の星空に、

それを良しとしないくらいに月明かりが眩しい。

夜光無しに眠れないコドクはカーテンを開けたまま眠りに付く。


不思議な夢をみた。

真っ暗な世界。足元には無数の武器、武器、武器。

人の匂いはせず、かといって生臭さすらない。


少し歩くだけで目的地と思わしき小屋が見えた。

中では鍛冶場らしき場所で人が鉱材を叩いている。

しかし、うまくいかないのか首を傾げていた。

だがこちらに気がつくと優しい笑顔でそれを渡してくれた。


目が覚めると雲隠れした月のせいで部屋が少し暗い。

外に何も無いと確認すると窓を開けた。

とても良い香りがする冬の夜風が鼻を撫でると、

夕暮れどきにみた流星がまた見えてきた。

今度は確かにこちらに向かって落ちてくる。


魔法使いを志す少年が受け止めたように

コドクはそれを手のひらに取った。

あまりに強い光にストルムはこちらへ向かって飛んでくる。


「大丈夫か!?」

「あ、ストルムさん。これ…」

見せた鉱石は朧げに輝きを残している。

ダイヤモンドほどでは無いがとても綺麗な輝きを放つ。

隕石と呼ぶにはあまりにも常軌から逸した石だ。


「すごい魔力だな…お前が呼んだのか?」

「そんな!むしろ敵機かなと思ったばかりです」

ストルムが触れようとしても主人以外に敵意があるのか

光を強めて拒絶する。それでも触れると

脳に直接自らの恐ろしさを語るように

得体の知れない何かが伝わってきた。


ストルムはオーラ一つでハッキリと理解できる。

自分が思っていた何十倍も器の広さと収納した魔力で

あまり深入りするにはよろしく無い物。

この世にそんなものがあったなんて。


「なあ、これなんだけど友達にも見せて良いか?

結構この手に詳しいはずのヤツだからさ」

「構いませんが…」

そう言って一晩明かすことにした。


その頃茂みの中でそれを見つめる影が一つ。

聞き覚えのある声で電話を取って報告した言葉は、

「予測通りでした。対象をそのままスカウトします」

そう言って笑みを浮かべるとすまし顔で消え去った。

「これから賑やかになるな」そう呟く様に。


翌朝…

ディアードが隕石を見ると目元を険しくしてこう言った。

「わからん」


「ああ!?お前でもわかんねえのかよ!?」

「ストルム、昨日みたいに”さん”を付けてくれ。

それと…魔力を秘めた隕石みたいだけどあんまり詳しく言えないな」

「そうですか…」


「強いて言うなら

これが普通の魔力量を秘めている訳ではなく、

かといって分析できてしまうと国家秘密に関わってしまい、

なおかつオブリビオン覚醒に繋がる可能性も秘めて

そのうえで」

「いつまで続けんだよその謎理論!」

「話すべきことはしっかりと伝えないと」

「それが理に叶うなら日が暮れるわい!」


とりあえず来てもらおうかと

隊長にも伝えられコドクはギルドの同行者になった。

一部始終のカオスは説明されても理解できるものではなかったが、

流れるままに自己紹介を済ませて旅立った。


「そういえばコドクは人間って事で良いんだよな?

空を飛べない訳でエレメントも吐けないなら」

「はい、招集通知で兵士になった普通の人間です。

ところで…我々はいまどこへ向かっているのでしょうか?」


ストルム達が向かっているのは科国軍の本陣。

アニミスクとエリーチャーはどのようにして整えているのかを

探っていく。ディアードはその調査結果をネタに持ち帰って

説明するつもりでいた。


寒空は今日も変わらず、曇天はまるで演出のように

今日も空を覆い尽くしている。雪は降り、

子供がはしゃぐような日だろうけども、

あいにく道の大半はそんな平和をシャットアウトするぐらい

見るも無惨な光景だ。


戦争の歴史図鑑や研究動画で見たことがあるような、

まさしくそれがそのまんま本物の景色として映る。

低空飛行をしつつ、敵機が見えたら茂みに隠れながら

道を歩き、茂みなどを味方につけて進んでいく。

科国軍の領土に踏み入れるほど人の気配は少なくなって来た。


そしていよいよ分岐点を超えて科国軍の領土に踏み入る。

監視は鋭く、スパイなどの潜入者を1人残らず殲滅するつもりだろ。

陸にはファナ、ドミネイド。空にはヴァーチュズもいる。

それ以外にも援護射撃を得意とする鳥型ドローンのアニミスク、

(ルナス)も空を舞う。進めば進むほど静かに抜けられなくなって来た。


「ストルム、そろそろ従者の方が限界だ。

一網打尽にして吹き飛ばそうか」

「よっしゃ、やっと派手に行けるって訳だな。

コドクはどうする?俺の轟嵐(ディザストーム)はレンジバカ広いぞ」

「一緒に先に進むから囮になってくれ。

なるべく派手にかつ、無慈悲に殲滅してくれよ」

成竜に戻ったディアードはコドクを乗せると

バリアを張って大空へ出発した。

その数秒後に銃撃音がする。ストルムは妙にワクワクして来た。


「オメーらもさあ…こう言う経験あんだろ?

ほら、台風が来るってとき…学校あっても外の非常識が気になってしかたねえ」

右手から台風のたまごを出すと一瞬でその場の気温は夏日となって、

雨が降り出し強風が吹き始めた。


「…エリア5で強大な魔力反応。

これは…、!?信じられません!台風です!」

「魔国貴族か?」

「可能性はあります。アニミスクのカメラから現場中継を流します」


大型のモニターに映ったのはフィクションでよく見る渦巻いた

黒い雲。天気予報の映像でお馴染みの風で波打つ豪雨の姿。

撮影を担当したルナスはあまりにも強い強風により、

安定静止(ホバリング)どころか巡航を保てず、秩序なく吹いた風の圧で

味方機に当たって大破した。


カメラを変えてもすぐに故障。

一個体の機器では映像を撮るだけでも厳しい状況がよくわかる。

やがて監視に回っていた機体のおよそ5割が、

使い物にならないとわかった時には、

そこには台風とその元凶がめちゃくちゃしていたことが判明する。


手刀一つでヴァーチュズの束は押し潰され、

拍手を一つ鳴らせば全方位から近づくアニミスクを

吹き散らす。群れた箇所に正拳突きをすると破片が散り、

その破片を煽って空のアニミスクに影響を及ぼす。

地獄だ。地獄が完成した。

アナウンスは悲鳴にも似た音を鳴らして環境に身を委ねる。

ショートする音、無数に響いても落雷には届かない。

ただ1人激しく踊る中心部には何一つ辿り着けなった。

まさに修羅。破壊を弄ぶ修羅にストルムは変わり果てた。

閲覧ありがとうございました。

ちなみに筆者は台風の中心の最大風速が

どれくらいなのか知らないですw

次回をお楽しみに♪

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