↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
48/50

第48話 実力者

ミサイルのプラントで罠に嵌められたコドク。

当然、相手が裏社会の人間であれば、

王国政府とて容赦なく手練を用意する。

覚醒者の用心棒が牙を剥き、獲物を目指した。

「捕まえろ!」

合図一つでガスマスクを起動させた警備隊は

ブーツのコツコツと鳴る音を立てて

コドクを追い始めた。


ミサイルプラントは大雑把にいうと

メインとなる階層は通路と個室が幾つかある設計で、

その中でも一層分内の8割の面積を占める開発現場は

井の字みたいな別れ方をした通路から効率よく

それぞれの設置所に辿り着ける。


交差している部分はエレベーターになっていて、

通り抜ける場合は側部の通路を通り抜ければいい。


コドクの現在地は10階ある内の

5階層。なんとしてもワープゾーンがある

2階層まで辿り着かなくてはならない。


「エレベーターは止められたらアウト…

降りるならこれを使うしかない…!」

あらかじめ付けていた超高度鉄線を発射できる

(ワイヤー鞘)を腰の真横にくるようにセット。

あとは某調査兵団のようにガシュン!と発射すれば

ダガーが飛んでいく。


「む…中々やりおるわ…

おそらく新米だろうが、流石は誇り高き竜の眷属」

だが警備兵達もプロ故にすぐにエレベーターを

占領し、システムを一時的にダウンさせる制御室へ

向かう隊とコドクを追う隊に分かれた。


分かれた隊は近接と遠距離のバランスを

一瞬で考慮して3人1部隊を隈なく様々な通路に向かわせる。

4階へ移ったコドクを待ち受けるのは3階層の通路を

先取りした警備兵だ。


「(戦っても絶対勝てない…!

 こんな時ストルムさんがいてくれれば…)」

しかし、いない者を求めている場合ではない。

立ち止まれば液状化した地面のように警備兵が迫る。

2階層のワープゾーンへの道は刻一刻と塞がれきた。


苦肉の策で3階層の通路へダガーを発射。

少し距離が離れるが、安牌を取らなければ

間違いなく戦闘開始だ。


3階層へ軽々と到達。考えるまもなく

ダガーを再装填しようとするが、

居場所を特定されて警備兵が弾丸を撃ち始めた。

思い出す、たった数発で戦場へ駆り出された頃を。


早くなる鼓動。突きつけられる現実(リアル)。

向こうからすれば情報を消すことができるから

デッドオアライブなんてお構いなし。

走る先には警備兵の近接部隊2名のチーム。


ダッシュで近づくとアッパーで腹パン一発。

どむっ、と鈍い音を立てて吹っ飛ばされるコドク。

咳き込む暇だけ与えて、もう1人が

スタンガンのロットで突きを刺す。

ギリギリの回避で後退するも容赦なく詰めがかる。


だったら…だったら、

自分はもう日の当たる世界の人間じゃない。

そう言い聞かせて火薬剤にダガーを納刀し

思いっきり居合一閃で高熱の一撃を浴びせる。


横腹から信じられないくらいの出血をした警備兵。

コドクの目にもう迷いはない。

沈めなければ…なんとしてもここから生還しなければ、

自分は死にきれないだろう。

まるで獲物を定めるヒグマやオオカミのような

野生的な眼差しで警備兵を睨むと、

狂ったように薬鞘に液体を付けて火薬鞘から一閃。

途中睡眠弾を1発被弾したが、

あらかじめ薬鞘の液体を含んでいた為ほぼ効果なし。


「(体の芯から「アイツらを殺せ」って伝わる…

 俗にいうフレンジーってこんな感じなんだっけ。まあ今は…)」

なんだっていいから目の前のバケモノを殺せばいいか。

動きはスローに見える。

バトルセンスを上げる代わりに理性を失わせる魔術、

狂暴(アウト)を会得したコドクだった。


「くぬう…!流石は裏社会の覇者、

まさに化け物と変わらぬ戦いよ。

だが…もういいだろう。アイツを向けてやれ。

これ以上負傷、死傷者を出すな」

「はっ!」

側近に連絡を入れると8階から何者かが飛び降りた。


その女は天使の翼を生やすと一目散に通路を

縫い分けるように舞い、無双するコドクに

音もなく近づくと、一瞬で戦闘不能にさせた。

殺意もなくただスタンさせただけ。

そういう風に首元で電源のスイッチを入れたのだ。

意図なき殺生と言うべきだろうか。

どこかの漫画で書かれているお話だが、

突然現れたゴキブリにショック死する感覚だそう。


バタンと音を立てて崩れ倒れるコドク。

フェードアウトの表情は強い無念を秘めた

歯ぎしりがハッキリと映る。


「ご苦労!

流石は国王陛下直属の騎士…

お前はまるで、生きる天使だ」

「仕事なので」

そういうとすぐに何処かへ飛び去ろうとするが、

そうもいかない。そうもいかなくなった。


「おやおや、ずいぶん頑張りましたが

残念でしたね。まあ、このまま休ませれば時期に目も覚ますでしょう」


無視できないオーラ。

女の目は慈悲深いものからひどく攻撃な眼差しとなる。

傀儡人は恐れ慄(おのの)き、指示の一つも出すか

迷い果てる。


「おやアイリアさん、お久しぶりですね」

「貴方もね…

頭の方も随分寂れたようだけど」

「如何しますか?

戦ってもいいですけど」

「はっ…!…やれ!迷うな!こいつも生死は問わん!」


だとよ…。みたいな笑みを浮かべてアイリアは2丁拳銃を構える。

コドクを担いだまま仏の様なにこやかな顔を崩さない男。

この男は以前ストルムにアドバイスをしていたあの男だ。


戦いの結末は書かなくても良いくらい圧倒的だった。

覚醒者なんのそので男が一方的に叩きのめす。

どの射撃もまるで通用しない。

投げ渡されたメダルをつかむ様に掴むと

そこからは武術のオンパレード。

瞬間移動まで使えばもうアイリアは何もできなかった。


「う…」

「貴方もどうでしょう?

サービスで5秒の間にすべて片付けますけど?」

「帰れ…!クソが…!」

「おやおや、どうやら上手くいったよう…

では仕事ですので失礼」


ボロ布の様に嬲(なぶ)られたアイリアを前に

皆呆然とするしかなかった。

一部の警備兵は圧倒的すぎて憧れる始末だ。

閲覧ありがとうございます

範馬勇次郎とは違ったベクトルの強さ。

なんというか、議席に在する者はほとんどがそういう強者です。

次回もお楽しみに♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。