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第42話 鍛錬と修錬と

ギルド本部の訓練施設は大学のように

様々な施設に分割されている。一般開放エリアと

メンバーのみの施設で、彼らは自らを律していく。

自分の力を伸ばすにはまず自分を知ることから始まる。

訓練のエリアで(無双対極)という訓練に励むストルム。

これは柔道の試合で使われる広さのフィールドに

四方八方から時間制でランダムに人形が出てくるので、

それを倒す、即ち撃破と判定させる訓練だ。


コドクは戦術に関わるテストを受けていた。

お題は「桶狭間の戦いにおける織田家の勝利が

確定した経緯において、今川義元が油断したと

断定できた瞬間を100文字以上で纏めよ」

と言った感じで勝敗に関わる重要な瞬間の勉強に

取り掛かっている。


リュシオは房中術の研究に励んでいた。

スタイルの良さやルッキズムの良さが輝く以上、

敵の懐に忍べる可能性が高い。またこれを

学ぶことでオブリビオンにも直接汎用性が高くなるともいえる。

研究室や司令室に籠っていてばかりだった以上、

淫らな知識を身につける事に抵抗はあったが、

知れば知るほど武器を持たぬ戦いの世界に

引き込まれていく。


ディアードは帝王学を研究している。

新たに優秀な部下が3人付くとなり、

提言に置いてはどんな弱者と思わしき者も

必ず吸収し損ねる事のないよう判断力もいると踏まえた。


ここまでの経緯…

朝のミーティングで納得のための全てを話した

ディアードだった。

「まずは各個人の個性を伸ばす

ストルムは戦闘訓練、コドクは戦術の研究、

リュシオは房中術を研究していくぞ」

「…仕事だからっていうけど、

私かなりの人見知りよ?それこそ

ストルムに殴り込ませれば…ってそうはいかないわね」

「お前俺をなんだと…」

「まあ、思ったとおりだ。

“そういうわけにいかないから我々が請け負っている”。

その為には君の個性を捨てないわけにはいかない」

「どういう目で私を見たのかはわかったわ。

でも命令は絶対。拒否権がない以上は身につけます」

「頼んだぞ」


ストルムには対人における基礎を定着させつつ、

不足の事態の定番とも言える多人数との戦いに備えて貰う。

相手が対マンを張ってくるパターンは稀だ。

普通は何重にも重ねて組み手のように迫るのが普通。

へばらないように、倒れないようにする事が重要だ。


1体ずつの動きが少し変わっている。

癖でもあるかのようにパターンが多いので、

組み手にしては異様にテンポが悪く、尚且つしんどい。

途中、魔術を使ってハメ殺しにしようとしたが、

3体ほど撃破すると既に対応されてしまい

呆気なく負け判定を受けるまでタコ殴りにされた。


「ぐへえっ…この俺が…負けた…

つってもスコアは53人か、良いんじゃないかな?」

ふと横をみると隣でも誰かが挑戦しているのが見えた。

映っていたスコアは87。それでも戦っている人物は

あまり疲れているように見えない。


その人物の動きはとても俊敏だった。

轟嵐(ディザストーム)の力とドラゴンとしてのポテンシャルを

秘めている自分が明らかに劣っていると見えて、

ぎょっとせずにはいられなかった。

回転蹴りを入れた足でそのまま地面を蹴れば、

宙に浮かび上がって大気を蹴っ飛ばして暴れ回る。

引っ張られていないけどひっぱりハンティングしているような

動きは近距離戦闘の真骨頂を感じさせるものだった。


「すげえ…ああいう風に動けば

蹴りも殴りも入れられるのか…」

スコアが100に到達すると終了のコールがなり、

武闘場から出てきた。


「なああんた、どうやってそんな技を身につけたんだ?」

「…ああ、新入りの方。

そうですね、私は元々拳法の道を極めていたので、

その修行の過程で身につけたのですよ」

スキンヘッドの優しそうな男はそう語った。


ストルムは自分のスコアとコツを伺った。

その男が言うにはコツはほぼ無いようなものと言う。

どう言うことか聞くと、そもそも不規則な相手を

前にして適切な技を出すには、結局自分が思うように

動き回るしか方法がない。ただ、瞬間的に相手は

思考を持って攻撃の動作を行っている以上、

そういう隙のようなものは存在すると言った。


「パンチ一発で沈めるではなく、

パンチコンボで線を繋ぐようにするんだ」

「でも全方位攻撃(オールレンジアタック)をしても

隙を取られちまったんだぜ?」

「それがいけないんだよ。

君はその瞬間に慢心しているじゃないか。

当てたら勝てるなんて思うのはそうかも知れない。

ただ、わかってなくても、こうすれば良いだろうが

間違いになるんだ。

こうするからこれをしよう、ていう風にやってみて」


アニミスクとは訳が違う。あの時は風圧とオーラで

全てを蹂躙できたが、あの軍団がエリーチャーなら

一部反撃する機体がいるのかも知れない。

サシの事ばかりで見えなかったが

殲滅においても自分には隙が多いことが理解できた。


次は繋ぐ事を意識して数を無制限から

10体に変更する代わりに、今までよりも少し

強く設定した上でスタート。開幕から3体の人形が

一斉に襲いかかる。


反省の一点に技の強さで殴り倒す事ばかり意識していた。

持久力を求められる戦闘において、決定打以外の全力は

敗北への片道切符のようなもの。

連続で一撃を繋ぐ為に、今と少し先の事実を

結び合わせるように拳の風圧に力が込められる。


気合いの右ストレートが一体目を吹き飛ばすと、

2体の人形には目もくれず次のかかと落としを決める。

猛追する2体にスイライトを突き飛ばすと、

雪を降らせて雪人形を作り、2体2の布陣を作る。


ギリギリで耐えていたもう一体は隙を伺って、

高速移動で距離を詰める右回転蹴りを受けるストルムは

吹き飛ばされてできたチャンスを逃さない。

雷雲を発生させて、それを魔神のように操り始める。


「上手くいくと良いがな…!」

「…なるほど、良い考えです。

そういうやり方なら身につくでしょう」


後にしっかりと習得する魔術に

在る物で人形を作る類いの物がある。

それを再現してるので不完全だが、

相手に応じて数での不利を作らず、

隙の無い連続攻撃を意識した型ができていた。

時間こそかかったが、10体倒し切る事に成功した。

閲覧ありがとうございます

この世界にもちゃんと戦国時代はありましたし、

神話の時代も存在しました。但し、我々の知る物とは少し違っていて、

かの有名なゼウスは女遊びに一切興味を持たない存在でした。

the・仕事人ってかーんじ。

次回もお楽しみに♪

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