第4話 鋼の天使
現地はまさしく惨状を表していて
すでに多くの死体と故障機体で荒れ果てていた。
そんな中彼らを襲撃する者がいる。
エリーチャーと呼ばれる超兵器が現れた。
種が違えば踏み入る大陸の形が違う。
この世界で自国や世界の形を知るものは
人間とドラゴン、一部ビーストを置いては
一生のうちに知れるかどうかもわからない。
「まさか飛んで行けと言われるとは…
お宅の企業理念はどうなってんだ」
「これでも大企業だからね。
都合の良いように”環境問題への配慮”と言えるのさ」
ストルムはますますギルドのことが信用出来なくなった。
環境に配慮した結果が矛と盾で争う世界になったのに。
権力者ばかりがお金持ちになったのに。
「ところでストルム。
魔術の百柱はどれくらい会得しているんだ?」
「轟嵐以外あんま使った事がないが、
幽体くらいなら扱えるぞ」
「まあ、そうなるな。
今度から20種くらいは使えるようになってもらうぞ」
「厳し!」
この世界の魔術は100種類のカテゴリに分けられている。
1から100まで存在しており、この世界で生きる人々は
それらを鍛錬によって会得する事ができるのだ。
数え方は柱。
また個人には悠久潜在能力と呼ばれる
特殊な魔術の才能を秘めている者がいる。
これに目覚める事ができればそのカテゴリの範囲であれば
圧倒的な影響力で活動を行えることができる。
主人公のストルムは第96柱の轟嵐で、
このカテゴリは気圧を自由自在に操り、範囲的に天候を変える力を持っている。
「幽体は姿を透明に出来たり
ある一定の物理的な効能を無くす事ができる魔術の一柱。
なんでそんなの覚えてたんだ?」
「虫除け」
「ああ、そうなの…(よほど人里離れた所に住んでたんだ…)」
北上するにつれて気温も下がる。
寒空を超えて遂に現場に辿り着いた。
戦場となったヴェルサイス領ではあちこちに遺体や
大破したマシンがゴロゴロ転がって落ちている。
その中には戦争機獣の姿もあったが、
何故か超兵器獣の姿がない。
「なんかすごいガラクタだな…
えーと、ディアード…さん?だっけ。コイツにプラズマ流してい?」
「冗談はよせ。あと以外とさん付けで呼べるんだな」
「俺の事なんだと思ってんだ!?」
「え…、不良。」
ストルムはバツ悪く頭くしゃくしゃと撫でて、
手に持ったアニミスクを放り捨てると
衝撃を与えたせいかブザーが鳴った。
「うわやべ…」「…まあ、いいか。事後処理任せるぞ」
予想通りというか約束通りエリーチャーの一種
(ウリエル)が騒ぎを感知して飛んできた。
…時速300キロで。
「うおわ!」「…」
着地した衝撃で只者ならぬオーラを放つと
戦闘開始のアナウンスを発して剣を振い出す。
二刀流で攻めかかってきた。
(ウリエル)は水陸両用の超戦機獣。
普段は天使のような姿で剣を翼に飛び回るが
標的と対峙すると剣翼からバリアを張って距離を詰め、
臨戦体制をとると相手に合わせて剣を取る。
翼は6枚、戦術は大きく6通り。という事だ。
ウリエルの回転切り。
当然機械なのでその様は扇風機のようだ。
躱してもベイブレードの様に高速で戻って来る。
ストルムは轟嵐を駆使して空中に雲の壁を張り、
忍者の如く回避する。腕は機関銃の如く変形し、
鉛の弾丸を雨霰の如く降り注ぐ。機械とは思えない程の
残忍性、まるで本物の人間が憎悪を向けるようだ。
「ストルム!当たったらミンチになるぞ!」
「誰がどう見てもわかんだろ!」
間を置いてディアードは手持ちのカバンを開けると
ウリエルは油断を感知して急接近した。
…行儀が、悪いな。
瞳で語るとハンドガンを取り出して一発。
顔面に直撃して爆発を起こした。
ストルムは只事では無い雰囲気に目にシワをよせる。
「…ただの弾丸じゃない。
魔弾か?いや、そうだったとしてもそれ以上か…?」
玩具の様に見えるギミック、素性は本物。
火薬も硬さも重さも全て御用達だ。
ディアードはすぐにハンドガンを変形させると
別のパーツを取り出して狙撃銃を完成させた。
タバコを一服蒸してスコープを覗くとすぐにトリガーを引く。
多段命中した音がすると小規模の爆発と
故障時に発生するショートを起こしてウリエルは逃げ去った。
加えていたタバコをストルムが起こせるプラズマで消し炭にすると
カバンに全てのパーツを直して再び歩み始めた。
閲覧ありがとうございました
魔術百柱の設定はくだくだだったので
名称の由来に一定性はありません。
あちゃー




