第39話 創成期の鉱物
絶体絶命のストルム。
しかしそれでも彼は笑う。
彼はこの攻防で弱点を見つけ出していた。
それは…
岩の礫は無情にも放たれた。
時速80キロで地面に突き刺さる攻撃は、
その後の静寂ですら余韻が残る。
「はいごくろうさん。
いやー、まるで流星ショーだったわ!ド迫力!ってね」
じゃあ頂きますかといつのまにか背中に乗ってたストルムは
剛落雷を落とす。しかし皮膚は堅く雷を物ともしなかったが、
やがて力尽きた様にばたりと崩れ落ちた。
まずどういう経緯で背中まで移動できたのか、
これは後に書かれる訓練による物。
瞬間移動の魔術こと瞬動を使っただけ。
距離は実に50メートルはあったのでそれなりに
鍛錬を積んでいた。1メートル移動するだけで
ようやく会得となるが、50メートルとなると
更に瞬発力を鍛えなければならない。
そしてグランドヒュドラは背中に脊髄があるが、
なんとその近くには人間同様に脳がある。具体的には
首に繋がっているのが小脳、本体の大脳は背中にある。
メインコンピューターに高圧電力を流して、
神経の大元が体全体に電気を流したのだ。
ぐったりと目を瞑ってピクリと痙攣を起こすヒュドラ。
ストルムは美味そうな食事を前にした様な表情で、
お目当ての鉱石を頂戴した。
「っしゃー!(ブリリアントダマスカネル)、
略してブリマスゲットお!…いや、ブリダマ?ブリネル?
まあええか!」
あとはこれを加工するだけ。
そうすればストルムは今以上に強力な
魔術を扱う事ができたり、魔力を解き放つ事が
できる様になる。
しかしこのヒュドラは感電してこそいるが
まだ普通に生きている。鉱石を抜き取って弱体化したが、
それでもあと数時間もすればブランクは抱えながらも
戦える様になるはずだ。ゆっくりはしていられない。
大広間から脱出したあとにまずは栄養補給。
ストルムはリュックから焼き芋を取り出した。
これはタイムリミットの連絡が来る前に、
取れたタイガーアイをリュシオが調理した物。
「ホントに食えんのかな…
ダメなら岩食うことになんのか。
バカみてえだな!ダハハ!」
そうは言いつつガブリつく。
するとどうか、ホックホクの甘くて
ねっとりとした金色の焼き芋だった。
「うまああああ!
マジか!すげえ!こんなとこでこんなモン食えるなんて!」
すかさず頬張る様に喰らい付いては水で流しを繰り返し、
あっという間に鉱石だった焼き芋は無くなった。
その頃一方で当たりを引いていたのはリュシオの方だった。
入り組んだ迷路みたいな通路は天然の洞窟で、
人の手が入れられていない。作業の安全を理由に
壁が壊されていなくても、そもそも見つけられなかった
通路だって存在しえる。
進む程歪になって行く道は途端に2つに分かれており、
レーダーを確認すると、どちらからでも目的地らしき
場所に辿り着ける様だ。
辿り着いた部屋。
そこに眠るのは最終目標である
(ジェネシスダイヤモンド)だった。
回収できなくてもよかったが、できれば探して当てて欲しいと
指示があったのはこの鉱石である。
白く輝く天然のダイヤモンドの中でも、
莫大な種類の魔素や要素を取り入れてようやく
人の目に見える程度の大きさに成長する魔石。
「どうしてこんな人工物みたいな場所に
わかりやすく生えていたのかしら」
本来なら発掘してようやく見つかる代物だが、
どうしてこんなに一方的に発掘できたのか
さっぱりわからない。寧ろありえない事だ。
普通のダイヤモンドですら広大な砂場から
変わった粒を探すような物なのに。
偽物の可能性も否めないまま回収し、
通路を抜け出して後ろを振り返ると、
あったはずの通路は無くなっていた。
この時、回収した鉱石が本物だったと勘付く。
条件を満たした者にしか姿を表さない物だったと。
着信音。
ストルムから連絡が入った。
こちらはハズレだと聞くと
こちらが当たりだったようねと言い、
即座に脱出を開始した。
入り口に辿りつく頃には既に時間ギリギリで、
調査隊らしき人達が集まってきていた頃だった。
目的は怪獣の進行方向にあった坑道故に
何か希少物があるのではないかという推測。
あながち間違ってはいないけれど。
閲覧ありがとうございます
ジェネシスダイヤモンド…名前の通りこの世界が
始まったと頃に発生した物と考えられています。
悠久の時を経る中で蓄積された魔力も絶大。
ギルドはこの鉱石を何故欲しがっていたのか。
その理由は…!多分本編で書いてなかったかも⭐︎
次回もお楽しみに♪




