第37話 分断
与えられた刻限は24時間からざっと移動で引いて
20時間程。ストルム達はなんとしても調査班の人間に、
気付かれずに脱出しなければならない。
もし見つかれば、希少鉱石は全て没収となるからだ。
そんな中見つけ出したのは…
「ここから先1キロだ!急ぐぜ!」
「ちょっと!?他の壁は良いの!?」
「レーダーの反応はこの先のやつ以外ほぼ一緒!
ならもうこれに賭けるしかねえ!」
ストルムは竜族なので人間の数倍の運動能力を
秘めていても、リュシオは至って普通の人間。
翼を広げても通路は狭く、かと言ってぶつけながら
飛べば崩落してしまう。それ以外でも派手に動けば
該当してしまうので、焦りたくても合わせるしかない。
「(このままじゃ足手纏いね。どうしようかしら)」
「なんて思うなら次のポイントで別れよう」
「!?…どう言う事?」
レーダー反応が進行方向左側にも出ている。
少し小さいが目的の物なら回収して撤収できる。
「200メートル先で別れる
1人でいけるよな?」
「当然よ」
「頼んだぜ、通話出なかったらこっち撤退だかんな」
一方でコドク達は調査を進めて行っていた。
レポートは完了し、残った日は近くの宿舎で過ごす
事になった。遺体は転送済みで解体は本部で行う。
「ありがとうございました。
お陰様で貴重な情報が手に入りました」
「いえいえ…ところで昨日までいた
お二人のことはよろしいのでしょうか?」
「連絡はもう既に入れております故に大丈夫です。
では失礼します。また機会があればよろしくお願いします」
そう言うと足早に街中へ降りていく。
「よかったでしょうか…
なんと言うかちょっと乱雑な感じですが」
「ここで披露しても良くない。
どちらにせよ本部に戻れないからね」
任務完了までは戻れない。
ちなみに司令室には戻れるが
それ以外の場所へ行くには許可が必要である。
入会した時に与えられる会員証にはチップが嵌められていて、
本人が何処にいるかがわかる。付け忘れて任務を開始しても
仲間内で通知が入る。議長は報告を義務付けられるが、
取り帰りに行く必要がなくなる。
もし脱走しようとすれば、全国に冤罪で指名手配が回るように
仕組みが張ってある。当然遊び半分で嵌めたところで
組織はもう縁を切っているので罪人として生きる事になる。
宿が取れたのは深夜を回る直前だった。
疲れを感じたコドクは潰れる前にシャワーを浴びて
寝支度を取る。布団にくるまれば秒で眠りについた。
工房で隕石を叩く夢。
まるで買ってもらったダガーのように形は
瓜二つになって行く。ふと側を見るとレシピが
書いてある石板が置いてある。レリーフだ。
「(読める…これは隕石、隣のは…宝石?)」
美しい女性が穏やかな表情で指輪をかざす
その宝石はまるで光の塊だが、その周りには
意味ありげに竜や獣、悪魔や騎士が探すように
彷徨いている。
目が覚めると深夜だった。
まだ起きていたディアードへ報告すると、
ストルムへ連絡をいれる。
「…あー、なるほどね
おし!なら大丈夫そう。
上がったら何処から帰ればいい?」
「隣街の酒場がいいだろう。
それ以外なら商店街近くの公園とかがいい」
「おっしゃ!任しとけー」
ストルムは大きな反応のする方へいくと
そこは大空洞になっている。
既に探索が入っているような景色だが、
所々に見える歪な跡はそうは思わせない。
「…ハズレってか!」
グランドヒュドラが地中から飛び出してきた。
しかし、案外当たりかもしれない。
土や鉱物を食べて育つドラゴンだが、
希少鉱石を食べると身体にその影響が出る。
見た目は岩蛇だが、沢山食べて育った個体は
表面に現れて出る。
「あれは…(ブリリアントダマスカネル)か…!
おーし、アレだけは傷つけずにいきますか!」
半竜になり肉弾戦を繰り広げる。
ストルムのパンチ一発は黒い風圧を帯びていて、
風速25メートルの衝撃が凝縮されている。
外の岩肌の硬い箇所や鱗はバリバリ剥がされて行く。
「オラァ!もう一丁!」
圧倒するが、危機回避の一手に地中へ潜る。
そこからは死角を突いてのブラインドアタック。
反撃の一手を踏めば防げるが、足場は脆くなり
助走をかけた右脚は蟻地獄になった地面に
ハマってしまった。
好奇を確信するヒュドラ、
しかしストルムは怯える事も無く笑みを出す。
閲覧ありがとうございます
ブリリアントダマスカネル!
みんな噛まずに言えるかな?
次回もお楽しみに!




