第30話 最初の相棒
「まずは…形を造ってやろう」
そう言ったおじさんは武器の形を聞いてきた。
まるで夢に出てきた工房のおじさんそっくりに
コドク達3人が武装品店を巡る中、
リュシオは1人自室に篭って研究を行っている。
それ以外にも信頼する部下に秘匿通信を飛ばして、
自宅にいるペットにはシッターを延滞させる契約を
締結しておいた。
リュシオはこの組織を信頼した。
理由はただ一つで、自分が最も信頼を置く人間が
本来勤めている先がここだと分かったからである。
その人物は科国軍事兵器技術顧問で
リュシオが出身となった大学の教授である。
悠久潜在能力学科というオブリビオンに関する
研究を行う科目に席を置いていたが、
素性は不明で生徒も粗探しする物はいても
その正体は掴めないままだった。
そんな時に拉致被害から更に拉致られた先で、
偶然の再会を喫したのと、当の本人からは
こんなことを聞き出した。
「この組織は戦争屋を語る秘密組織だ。
ダークウェブの監視から、世界情勢の掌握も
全て取り仕切っている」
「ということは…先のヴェルサイス侵攻も
この組織がバックにいたと?」
「如何にも。
まあ、関わったのは人材の確保としてだがな」
そうなると自分はたかだか知らない組織の
人員のために大義を背負って戦った、ということになる。
そんなもののために戦う事を嫌ったのは教授の方だ。
何故この組織のために必要以上の雲隠れをしたのか、
答えを聞いた時にリュシオの中で使命が目覚める。
「悠久潜在能力の原典は知っておるな」
魔術は元々奇跡の力として、科学の発展の一介に
偶発的に生まれたものだった。
次第に広まるにつれてそれを神の加護と崇められた。
偶発を拒絶する科国において存在のないものを
認めるわけにはいかない、そんな時にある発見があった。
覚醒者として発見された者が居て、
実験に協力するといった。早速能力を披露するうちに
規模は大きくなっていく。このままでは隠しきれない
と判断し、中断を促す直前に奇跡が起こる。
遂に正体を表した魔術の祖、我々はそれを神と呼ぶ。
意志が顕現し人格を乗っ取って会話に成功した。
このことから魔術百柱の存在とそれぞれに原素として
神がいることが証明されたのだった。
「ヤツらは政治よりも神になることに
今、最も関心を置いておる。
貴族の慣れ果てが信仰対象ならと思うと大分考えたろうな」
「ヤツらというのは…私達人間の敵でしょうね」
「もう時期ここも狙われる。
気をつけろ、最後の素材に気づく時、
大陸規模での大虐殺が始まるだろう…」
戦争すら手駒になる恐ろしい事件が始まっている。
リュシオはなんとしても止めに掛からねばと急ぎ対策を始めた。
コドクは持っていた隕石を素材に自分だけの得物を
入手するため、ルーツとなる武器を探しにいった。
色々な商品があり、剣だけでも何百種とある。
「コンセントブレードはどうかな」
「二刀流って憧れますよね!
でも木の枝を振った時になんか上手く出来ないんです…」
剣の柄にあるコンセントで魔素電気をチャージして
刺突や斬撃で電流を流し込む双剣、コンセントブレード。
「鎖剣はどう?」
「無理!絶対無理ですあんなの!」
「そう?でもこの…龍鎖剣は初心者にもお勧めだよ」
先端の攻撃部分が龍の体の一部にしか変形できない分、
絡まったり、絡まれても復帰しやすい龍鎖剣。
「衛本…良いかも…」
「え!?それ持ちたいなら
ストルムと同じくらい腕力がいるかも…」
「魔術で浮かせないですか?」
「人間の器で持ちたいなら…これだと18000リットル位はいるよ」
盾に魔導書物という事典や図鑑レベルの厚い本を嵌めて、
それをベースに守りや魔術を使う衛本。
色々探したけど見つからない。
そんな時、訪れたレギオンの店員が気を掛けて相談に
乗ってくれた。コドクが訳を話すと少し質疑応答を
交わすだけで最適解な物を用意してくれた。
「これはシンプルなダガーだけど、
付属の鞘がこんな感じで複数個あるんだ」
「どんな効果があるんですか?」
「一つは5回抜き差しするだけでいつでも新品にできる
研磨鞘。二つ目に一回入れるだけで様々な傷を癒す液を付ける薬鞘、
最後に一回入れると5分で無くなる分身体を生む幻影鞘だ」
適応力の高さに感動したコドク。
確かにこれなら仕事に置いて最大級の活躍が見込める。
ディアードに会計を頼んで装着してみた。
「うん、よく似合ってる。
ダガーなら君でも振り回せるよね」
「ゲーム作品で威力の低い玄人向けの武器として
よく見かけたのですが…こうして見るとすごく親近感が湧きます」
すごく心強い相棒にワクワクしてきた。
おじさんに見せると、ふむふむと良い
センスありと笑顔の烙印を推してくれた。
初心者こそ体格に見合わないものを選んで失敗するが、
仕事の相棒として自分に合う物を選んだ心構えに頷いた。
「値段もそうだが、こいつに至っては
自分のこうありたいという姿を表してくれる」
「それは…武器を鏡という風にみるのでしょうか」
「そう、お前さんは…自分の強さを
誰かの仕立てとし表せる道を選んだのじゃな。
ハッキリ言って合格じゃ。
これでもし重量のある武器を持つというなら
目の前で壊してたけどな。はっはっは!」
「(私が支払っていると言った方が良いな…)」
閲覧ありがとうございました
この短剣からコドクの物語が始まると言っても良いでしょう。
強化素材にレアアイテムがいる…まるでモン○ンですね。
次回もお楽しみに♪




