第29話 得物を求めて
翼を見つけた先に予定外の発見あり。
大きなダメージを負った機体に保管されていた
燃料は、隕石と大きく共鳴する。
コドクは初めて、自分だけの得物を手に握る。
「この施設には武器工房がある。
ちなみに君の好きなブランドはなにかな?」
「僕はやっぱりレギオンメイクですね。
プロスポーツ選手の道具も手掛けていて
すごく使い勝手が良いんです」
「それならよかった。
レギオンの職人に作って欲しい物があったら相談してね」
誇り高き竜の眷属の本社ビルには
武装工房がある。剣や槍、弓にオーブ…と手掛けられる物は
無限大と言っても良いくらいにある。
それぞれ名うての職人がいて、超がつく大企業の人間だ。
勿論実力史上主義の会社なので、そこからヘッドハントされている、
となると一振り1億円は下らない物を兵器で何ヶ月も掛けて
造り上げているのだ。
レギオンメイクは元々野球で使うバットやグローブ、
サッカーボールやプロテクターを造っていた会社だが、
先の時代で戦争へ加担する一大要素となって、
武装品や戦闘機を作る会社と知れ渡った。
「議員は割り引きとかあんの?」
「あるわけないだろう…
と言うかストルム、君は自分で払ったらどうだ?」
「街の復興で給料引かれてカツカツなんですー」
ちぇ、と口を尖らせるストルム。しかし
「まあ、これからの任務で
絶対必要になるからな。良いだろう、私の奢りで何か一つ選ばせてやる」
「マジ!?ごっそさんでーす!
コドク!すげー高いの頼んでやろうぜ!ぐへへw」
「い、いや僕はどっちかと言うと
司令室で情報を送るのがメインなので…」
「(ストルムはコドクの謙虚さを見習ってほしいな)」
武装工房は2階層のブティックに紛れている。
普通の人が辿り着きづらい場所にずんと構えていた。
最初に立ち寄ったのは黒を基調とした赤の装飾が
高級感を漂わせる店に立ち寄る。
ショーケースには伝説の勇者が持ってそうな剣と盾が飾られている。
「電動変形大斧 6500万円から引き受けます」
と書かれたプレートにうわ…と表情を隠せないコドクとストルム。
「6500万…おい、この…ジョーカー…メイク?
って店、大体どれぐらい出せば造ってくれんの?」
「ああ、ジョーカーなら安物から高級まであるから
お勧めだよ。練習用の真剣7000円から…」
「から?」
「四次元弩弓で15億円とかある
…別にそれでも良いけど」
「ああ!?」
思わずぶっ倒れたストルムを立たせ直すコドク。
四次元弩弓とは
普通の弓矢とは違い、弓と弩を変形させながら、
魔術を駆使してあらゆる可能性という面で敵を撃ち抜く
弓である。素人が手にしても弓か弩かどちらかでしか使えない。
この武器の本質は理解して使う物だ。
「コドク、今のうちに君にだけ伝えておくけど
ここの店で一番高い商品は3980兆円する”あるmgs”だ」ヒソヒソ
mgsはマルチギミックサックという多才な武器に姿を変える
ツールのことを言う。205x年のとあるホビーで猛威を振るった。
「じ…じゅ…ご、おく…
くぁwせdrftgyふじこlp…」
「おお…まさかコイツにも限度という概念があったとは」
「ディアードさん後でどうするつもりだろう…」
話をコドクに振り直すと、君にも何か持っておいて欲しいという。
しかしコドクは自分が戦場で足を引っ張る存在と危惧しているが、
時と場合によって、君はストルムやリュシオよりも頼りになると
説得し、改めて武器のオーダーを取った。
「なら…直で見て決めたいです
一見さんお断りの店はありますか?」
「そんなやぼったい店はない
今日は一日潰せるはずだから
存分に悩むと良い」
そういうとお店巡りを始めた。
レギオン、ジョーカー、それ以外にも
修理何でも屋を自称するヘパイスアーティファクト社、
官軍請負人を自称するデルタプロダクツコンツェルン、
など名だたる大手の物から中小でも強力な技術を持つ店が
出店していた。
そんな中、一店舗だけ閉まっている箇所がある。
「準備中」と書かれているが、どうにも気になってしまう。
「そこは…私もあまり営業している所を見たことがない。
けど…この組織の数名はここを利用している」
「誰なんでしょう」
「例えば…組織のナンバー2とか
というか、ここに目を付けるなんて君やっぱりセンスあるね」
「…なんとなく、たどり着けて嬉しい気がします。
あ、ここがそうなんだって」
「夢に出てきた工房が?」
「はい…風貌は違いますけど」
その時、持っていた隕石が輝いているのを発見した。
ディアードは周囲を警戒しながらカバンからそれを
取り出すのを見つめている。
まるで彗星の如く優雅な青。
煌めく夜空の様に周囲に小宇宙が漂う。
銀河のように透明になると、光が収まって
シャッターの中から音がする。ガラリと開くと
おじさんが出てきた。
「…いらっしゃい…なにかようかね?」
「あ、え、その…」
「…おおう、ソイツは…
ふっふっふ…材料を用意するならタダで何か造ってやる」
「すみません、ここでの取り引きは
有料の物のみお願いしているんです」
「いや、材料が出せないなら、
隕石だけ出してあとは有料にすると言っているんだ。
200垓円だけどな」
「なるほど…失礼しました」
国家予算を超す様なお金は出せないが、
コドクは材料を集めると決心した。
その暁として、隕石とみつけたガソリンが
要求された材料の一角だったからだ。
コドクは自分の中で大きな冒険が始まるのを感じ取った。
大冒険の始まりはいつだって大きな志から始まる。
ただ後ろで見るだけじゃなく
これは自分に課せられた使命なのだと。
閲覧ありがとうございました
200垓円…えーと、数値にして20000000000000000000000…
あーもうめちゃくちゃだよ。
次回もお楽しみに♪




