第28話 ようやく歓迎会
墜落していた軍機の羽。
それには恐るべき力を秘めている何かが使われていた。
明晰夢で見た、というものの
現実的にみて頷き難いディアードだった。
隕石の次に飛行機の羽、一体何を示しているのか。
復興支援としての任務にあたる中、
偶然見つけた部品はディアードの欲する物。
それには訳がある。相手側の文明のレベルと
使用した兵器の詳細を明らかにできるのが
該当品としての尻尾であり、武器になる。
「どうしても知りたかったのは
コレがそもそもどうやって造られたか…」
自国の物とは変わった組み方と
ジョイントと思わしきパーツ、
あとは周囲に落ちていた物で組み合わせて
どのような構造になるのかわかる。
焼け落ちて焼失した部分をスルーしつつ、
プラモデル感覚で付近の残骸から元を辿っていくと
内燃機関らしき物も落ちていた。
しかし、魔術を駆使した器官は一才見つからない。
あってもおかしくない無いだろうけど、思いすぎなのだろうか。
昼休憩を終えて次のエリアに行く時に気付いた事がある。
それはコドクが連絡した場所以外には、何一つとして
証拠品となる物が落ちていない事だった。
一機だけなんとか陸に墜落したのかもしれないが、
それなら海岸沿いにまで舵が切れると断定できる。
証拠をあからさまに残すのは情報漏洩みたいなもの。
ディアードはますます今回の奇襲について、
原因がわからないと悩むことになった。
「魔国出身とはいえ、そんな重要参考人を
一般兵として…雑に扱う筈がない。
寧ろ私なら貴族階級を与えるくらいだ」
任務完了。ワープポイントで帰還する。
「…おっつかれした〜
そだ、リュシオ今日空いてるな?」
「何よいきなり?」
「メンバーは暫くこれ以上増やさないって
あいつが言ってたから、今日食堂で晩飯な」
「…あー、はいはい。いいわよ」
「ストルム、集合は1時間後にしてくれ。
コドクと話がある」
「あいよー」
司令室の側の会談スペースで面を合わせる2人。
「…君は…一般の家の人間だよね?
まずは構成を聞きたいのだけれど」
「まあ、多分…と言っても、
兄と姉がいて、2人とも大学を卒業していますけど
僕だけ受験に失敗したので、高卒なんです」
「なるほど…3人の中で自分はおよそ下の方と言うところか」
能力においては勝る身内がいる。
国が目をかけるならそっちの方だ。
なら覚醒者か、それを自覚していないかのどちらか。
「悠久潜在能力を見て…
どう思った?」
「え…?いや…羨ましいとしか」
ここでは自覚無し、或いは該当しないと断定。
まさか予知夢だろうか。次の質問でディアードは
落下機体の原因と同時に
隕石の正体に近づくことに成功した。
「輪廻転生を…君は信じるかな?」
「…これに関しては明確に経験があります。
よく夢を見た後に、起きていつまでも覚えている
物があって、それが工房にいる夢なんです」
「…つまり君は自分の前世は武器職人だった、と」
「はいとは言えませんけど、
それに関係する仕事をしていたのかなって」
「今回の翼もその方が?」
「そうです」
なるほど…なら合点が行く。
前世での行いが今になって帰ってきた。
そして夢の中でコドクがあう誰かが、
それを教えてくれた、ということなんだと。
ただそれなら何故墜落した敵機なのか。
時計を見るとまだまだ時間はある。
今回の任務で持ち出しを許可されて
今は保管室においてある残骸を一緒に見に行った。
「わあ…これが全貌…」
「この手袋をつけてから、いろいろ触っていいよ」
「ありがとうございます」
コドクが色々な部位を観察していると
ここは開けられないかと打ち出してきた。
燃料庫のようだが、まだ使えそうなオイルの臭いがするという。
爆発や炎上の危険性があるため、治癒や再生の力を持ち、
燃焼を防ぐ、或いは消滅させるアクアマリンの加護を付与して
解剖をした。
「これは…ガソリンか…?」
「あ、これ良いです。すごく良い燃料ですね。
あれだけ燃えたのに液体は無事だなんてすごいや」
「(まさか…解るのか…!?
だとしてもアレほど傷んだ機械から出てきたこの燃料も一体…)」
研究対象として上層部と研究科に報告を急いだ。
劣化してわからなくなる前に緊急で調べてくれと申告した。
「んじゃ…弥栄〜」
「初手8:2ハイボールとか、アンタ碌な死に方しないわよ」
「いーの!おいしーから!
(とか言いつつアンタも和酒のロックかよ)」
夕飯は懐石料理で蟹を使ったものをベースに
豪華に並んでいる。寮の食堂は高級レストランの様な
雰囲気を出しており、黒を基調としたモダンなデザイン。
観葉植物にも余念がない。
保管していた買い物の中身も提供されている。
普段から彼らが何を飲んでいるのかがわかるだろう。
「未成年が居るのによくはしゃげるな」
「力仕事の後だぜ?コドク!大人になったら
宴会誘われる人間になれよ〜!」
「流れからしてアルハラね」
「スピリタスでも飲ませるか?」
「言っとくが俺の好物はpa○式烏龍茶な」
「言っとくが暴れたらスタンさせるからな。
この白ワインスパークリング一滴で痺れる思いを提供するぞ」
コドクは終始苦笑いでしかいられなかった。
ちなみに18歳なので未成年。当然ジュース飲料で弥栄。
閲覧ありがとうございました
ちなみに筆者は乾杯よりも弥栄派です。
そして…このストルム、酒にめちゃ強いという設定を盛ってます。
まあ例のダイビングサークルで出る火が付く烏龍茶が好みだなんて…
ともあれ次回もお楽しみに♪




