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第27話 残骸

襲撃作戦の失敗は魔国にとって手痛いものと

誰もが思っていたが、作戦の考案者はそうでもないらしい。

その頃ストルム達は救援のボランティアに向かって作業をする中、

コドクがある物を見つけ出す。

「風獄(ふうごく)!

…って俺は人間スクラップか!」

「良いじゃないか。

本来、能力(ちから)とはそう言う風に使うべきだぞ」

「科学の力でどうにかなってんの!

って言われても今じゃ俺が一番の利器か…」

集めた瓦礫を風獄で粉々に砕いで処分場へ持っていく。

ちなみに商業用の土資源として再利用される。


惨状を前に喪に伏せる者はいるが、

それでは始まらないと檄を飛ばすと

早々に立ち上がった者達から復旧を開始した。

世界随一の経済効果をもたらす港として

ここで挫けるわけにはいかない。

「潰れたら建て直す!

いつの時代もそうだ!3日後には再開させれるよう

頑張らなきゃ、だな!」

「おーい!国が軽トラくれるそうだ!

ガソスタと道路整備にも内陸から関ってくれるって!」

「ほんとか!よし、まずは瓦礫を撤去!

そうすれば商売を再開できる…」


「次はこのエリアだ、

昼食を終えたら各自で来て欲しい」

「この服で街中行けねーっての」

「誰が街中へ行けと言った、観光じゃないんだぞ。

それに…アレの残骸が埋まっているかもしれない」

科国軍の支援部隊として潜入したストルム達。

コドクは慣れない力作業に疲労困憊だった。

支給の弁当とお茶を貰って先にエリア移動を

済ませることにした。


「あら?これって…」

明晰夢(デジャブ)だ。何故か夢の中で見た物がそこにある。


前日、自室で寝ていた時のことだった。

またあの工房が出てきて近づくと、

前と同様に高齢の男が鉄を打っては

研磨してを繰り返している最中だった。


ただ今回は少し違っていて体の自由も聞いている。

口も聞けそうだし何者なのかを尋ねることにした。

男が質問に答えることはなかったが、

にこやかに指を指すとそこへ行って欲しいと促すように

手話をすると作業に戻っていった。


確かにそこには光が灯る。

そこに合った物は戦闘機の翼だった。

ここで光が差し込むと、時刻は午前7時を回っていた。


夢なら曖昧でも形までも一緒なのが変に思う。

現地と風景もほぼ一緒だった。

「もしもし、リーダー伺い事があるんです。

残骸って持って帰ったらダメですよね?」

「当然だ。スパイ行為と断定されてもおかしくない」

「わかりました、ありがとうございます」

流石に諦めた。…が、ここで不穏に思ったディアード。

電話を掛け直して何が落ちていたのか聞くと、

すぐに駆けつけた。


「コドク、今日の作戦が終わったら残っておくように」

「え…まあ、はい…?」

足早にその場を去りながらどこかへ連絡を入れている。

何か…報告するべき物だったのだろうか。


しかしこれこそがディアードが探していた物である。

今回の仕事を受けた理由は敵機の残骸を、

一部でも良いから回収する事だった。

手取り早く魔国の情勢を知れるのはともかく、

何故魔国が軍用機をわざわざ使うのかが疑問点だった。


一方で魔国では、今回の作戦失敗に関して

議会では考案者であるフォルトに責任条項という名の

詰問責め(リンチ)が火花を散らすように行われている。


「そもそも常識として早すぎるのだ!

どう落とし前をつけるつもりだ!このままでは革命まっしぐらだ!」

「それは我々を魔国貴族(けんりょくしゃ)と認識しての判断か?」

「貴族も貧民も関係あるか!

王朝が滅ぶときは、いつも一瞬なのだぞ!」

「それはそれは…(笑)ならば明日から農夫にでも従事するのは如何かな?」

「貴様…!」

「静粛に!風紀に伴わない発言はお控え頂く」


激昂する国会議員は明日の権力の事で頭がいっぱいだった。

フォルトの発言にまんまと乗せられたものの、

騙す騙される理論は「決定に仇なす物」として一蹴。

論破合戦に持ち込んだ結果禁止用語がとびかう、

権力者の幼稚園が堂々と放送されてしまう。


「おいおい…ウチの権力者ってこんなんかよ?」

「貴族出身って、結局ただの強い世間知らずなのか…」

「税金ぶんどって美味いメシ食って…仕事がコレ…はあ…」

魔国民からはため息と呆れた声がそこらじゅうから聞こえた。

ニュース題名には作戦失敗と書かれて、映ったのはリンチ会場。

そもそも突然攻撃が始まってそれが失敗。

一部情報だけでもわかる政府の体たらくが暴動への灯火に油を注ぐのだった。

閲覧ありがとうございました

服装はあらかじめ調査してコピーを用意。

ボランティアなので怪しまれる事もない…かも?

次回もお楽しみに♪

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