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第17話 最初の任務

囚われの女司令は

ギルドが狙った人材でもあった。

その人物を確保するため、最初の作戦が幕を開ける。

誇り高き(スピリッツオブ)竜の眷属(ドラグーン)、本社ビルのオフィスにて、

応対用の電話で会話を済ませた社員が、メモを纏めると

上司に確認を取って依頼のメールを送った。


通知音が鳴るとディアードは眼の色を変えた。

この瞬間が一番憂鬱を感じる。基本的には個人取引の

類は行わない以上仕事の話はない。

中身がどんなに過酷な内容だったとしても、

質問事項と「わかりました」の返事だけで受け応えなければならない。


「…わかりました。直ちに司令室へ向かいます」

「新入りもいるだろうから今回はCランクの結末でも構わない。

ただとにかくスカウトだけは何としても遂行してもらうぞ」

「引き入れる者が要ですからね、わかっています」

追加の質問事項で掛け直した通話を終了して、ストルムとコドクに集合を掛ける。

余りにも風変わりがすぎるので異常事態を認知せざるを得なかった。


建物の8階部分は司令塔。

小分けにされた司令室の部屋が並ぶ。

歩いて行くとなんの法則性もなくディアードは止まり、

一室の鍵を開けて電源を起こす。

起動した司令室は映像作品でよく見る機材が様々。


「なんだこれ…1人用の…ポッド?」

「遠隔操作ポッド、今日は使わない。

さて、今から2人は私が管轄を敷く第一議席の人材として

活動してもらう。今回の目標は以前訪れた魔国に収監されている

ある人物の強奪だ」

「人質がいるんですか?」

「いや、正確にはスカウト対象といったところだ。

本人を擁護するような行為は必要ない。我々がやるべき事は

潜入と強奪だ。特に人材の確保、これが最終目標だ」

現場に向かうのはストルムとディアード、司令室から周囲の状況を

伝えるのはコドクが担当することになった。


「コドク、この作戦で一番の要は君だ。

間違えても気づいていたのに言わなかった、は絶対にするなよ」

「わかりました(あ、もう部下だから”さん”は無いよね)」


「ストルム、今日も寄せ付け頼むぞ」

「まーた俺が囮かよ、ま、潜入とか交渉は苦手だしな」

指示を出し終えると転送装置に乗る。

後は任せたとアイキャッチを送るとボタンを押して作戦を開始した。


転送完了。

ストルムとディアードは現場に到着した。

司令室のモニターにはしっかりと2人の情報が

映し出されていて、尚且つ周囲の人間や設備の情報まで

細やかに記載されている。まるでfpsだ。


「…各自応答せよ」

「聞こえてます」「あいよー」

「通信良好、これから私は牢獄施設のある

北の方角へ向かう。ストルムは暫く同担する後(のち)

北東へ向かえ、目的地はフィガロ市街地公園だ。

進路などを間違っていたらコドクは教えてやってくれ」

「「了解」」


丁度冬の真っ只中の街はしんしんと雪が降る。

靴底と路面が楽器のように音を立てる中、

本人の顔は真剣である。

ストルムには理解できなかった。


転送先となった魔国の領地はマロネスク領。

比較的治安が良く、風景も洒落たものが多く並び

そこそこ賑わっている。

それらを司令室から眺めるコドク。

マップにはアイコンが振られていて、

ゴミ捨て場や自販機、施設の情報や事件簿までも

記載されている。


「このマークは…ああ、大人のお店…

だから事件簿のマークが少し大きいんだ…」

「コドク、マイク入ってる」

「あー!?業務中になあに検索してんのー?」

「気になっただけです!

それよりこれ…矢印とかアイコンだらけで見づらい…」

「右上のM(ミッション)のマークを押してみろ、

今回の任務に関係ないと思わしき物を非表示にできる」

「先に言ってください…」


しかしそれでも消えない物が多く、

ふと触った物が気に掛かった。

クエスチョンのアイコンと矢印が伸びている。

コドクが聞いてみると、それこそが追っているものと言う。


「あ、そろそろ分岐です!

今目の前の分岐路が5つあるはずですが

ストルムさんが左折、ディアードさんは

右斜め前に進んでください」

「雰囲気はわかったな。

ストルム、頼んだぞ」

閲覧ありがとうございました

魔国の領地マロネスクは並び替えて

ロマネスク、建築様式の一種類です。

次回もお楽しみに♪

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