第6話「偽物の完成度」
次のコンペに向けた企画が進んでいた。
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「今回はこの方向でいく」
係長・藤堂が資料を見ながら言う。
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「前回よりもインパクト重視だ」
主任・山口も続く。
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(……中身、弱いな)
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北川は静かに判断していた。
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論理が甘い。
データも浅い。
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だが。
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「いいですね、この構成」
「分かりやすいです」
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会議は通る。
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(見えてないな)
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“見せかけの能力”で判断している状態。
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本来なら弾かれるレベルの資料でも、
“良く見えてしまう”。
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(なら、崩す)
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北川は静かに視線を向ける。
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まず、係長・藤堂。
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■藤堂(表示)
【ステータス】
名前:藤堂 恒一(45)
役職:係長
性別:男
判断力 75(+50):A
交渉力 68(+45):B
集中力 72(+48):B
処理力 70(+46):B
回収可能合計(+189)
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次に主任・山口。
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■山口(表示)
【ステータス】
名前:山口 恒一(42)
役職:主任
性別:男
判断力 73(+48):B
交渉力 70(+46):B
集中力 69(+44):B
処理力 71(+47):B
回収可能合計(+185)
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(まとめていく)
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北川は手を握る。
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(回収)
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静かに引き抜く。
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■藤堂(回収後)
【ステータス】
名前:藤堂 恒一(45)
役職:係長
性別:男
判断力 25(+0):E
交渉力 23(+0):E
集中力 24(+0):E
処理力 24(+0):E
回収可能合計(+0)
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■山口(回収後)
【ステータス】
名前:山口 恒一(42)
役職:主任
性別:男
判断力 25(+0):E
交渉力 24(+0):E
集中力 25(+0):E
処理力 24(+0):E
回収可能合計(+0)
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■主人公専用ステータスUI
【ステータス】
名前:北川 聡
年齢:22
役職:平社員
性別:男
振り分け可能ポイント:804
判断力 28(+0):E:[+](0)[-](0)[確定]
交渉力 19(+0):E:[+](0)[-](0)[確定]
集中力 31(+0):E:[+](0)[-](0)[確定]
処理力 14(+0):F:[+](0)[-](0)[確定]
資産:804000円
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その結果。
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「……まぁ、この方向でいくか」
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藤堂の判断が曖昧になる。
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「大丈夫だろ」
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山口も深く考えない。
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精度は落ちる。
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だが誰も止めない。
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結果――
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“それっぽいだけの資料”が完成した。
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数日後。
コンペ当日。
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企画課。
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「今回の同行は――」
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主任・山口。
そしてランダムで選ばれた2人。
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「高橋と……中村だ」
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※神谷は前回発表者のため除外
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「発表は高橋でいく」
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「了解です」
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その瞬間。
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北川は静かに視線を向ける。
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■高橋(表示)
【ステータス】
名前:高橋 恒一(25)
役職:平社員
性別:男
判断力 58(+40):C
交渉力 61(+42):B
集中力 65(+43):B
処理力 60(+41):B
回収可能合計(+166)
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(ここだな)
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まだ出発前。
距離も問題ない。
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北川は手を握る。
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(回収)
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■高橋(回収後)
【ステータス】
名前:高橋 恒一(25)
役職:平社員
性別:男
判断力 18(+0):E
交渉力 19(+0):E
集中力 20(+0):E
処理力 18(+0):E
回収可能合計(+0)
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■主人公専用ステータスUI
【ステータス】
名前:北川 聡
年齢:22
役職:平社員
性別:男
振り分け可能ポイント:970
判断力 28(+0):E:[+](0)[-](0)[確定]
交渉力 19(+0):E:[+](0)[-](0)[確定]
集中力 31(+0):E:[+](0)[-](0)[確定]
処理力 14(+0):F:[+](0)[-](0)[確定]
資産:970000円
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「じゃあ行くぞ」
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山口たちはそのまま出発する。
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北川は社内に残る。
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(これで終わりだな)
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数時間後。
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「……戻りました」
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重い空気。
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「……どうだった?」
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誰かが聞く。
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「……ボロクソに言われた」
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中村が答える。
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「内容が浅いって……」
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「前回よりひどいって……」
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高橋は何も言えない。
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主任・山口も沈黙している。
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(当然だ)
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中身がない。
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そして発表者も理解していない。
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通るはずがない。
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オフィスの空気が冷え切る。
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北川は静かに画面を見る。
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振り分け可能ポイント:970
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(順調だな)
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誰にも気づかれずに。
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確実に、崩れていく。




