第4話「崩れた発表」
コンペ当日の朝。
企画課は静かに動いていた。
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「今日の同行メンバーは――」
主任・山口が資料を見ながら言う。
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コンペに向かうのは、
山口(主任)
そしてチームから選ばれた2人。
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「神谷と……中村だな」
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ランダムに選ばれた2人。
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「発表は神谷でいく」
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「……はい」
神谷が頷く。
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(決まりだな)
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北川は静かに視線を向ける。
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■神谷(表示)
【ステータス】
名前:神谷 玲奈(24)
役職:平社員
性別:女
判断力 60(+42):B
交渉力 55(+40):C
集中力 78(+60):A
処理力 62(+45):B
回収可能合計(+187)
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(ここでやる)
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まだ出発前。
距離も問題ない。
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北川は、ゆっくりと手を握る。
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(回収)
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一瞬で、引き抜く。
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■神谷(回収後)
【ステータス】
名前:神谷 玲奈(24)
役職:平社員
性別:女
判断力 18(+0):E
交渉力 15(+0):E
集中力 18(+0):E
処理力 17(+0):E
回収可能合計(+0)
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■主人公専用ステータスUI
【ステータス】
名前:北川 聡
年齢:22
役職:平社員
性別:男
振り分け可能ポイント:430
判断力 28(+0):E:[+](0)[-](0)[確定]
交渉力 19(+0):E:[+](0)[-](0)[確定]
集中力 31(+0):E:[+](0)[-](0)[確定]
処理力 14(+0):F:[+](0)[-](0)[確定]
資産:430000円
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「じゃあ行くぞ」
山口の一声で、3人は出発した。
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北川は社内に残る。
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(結果は見えてるな)
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数時間後。
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「……戻りました」
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神谷たちが帰ってくる。
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空気が、重い。
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(失敗か)
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「……どうだった?」
高橋が聞く。
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神谷は答えない。
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代わりに中村が口を開く。
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「……ダメだった」
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静かな声。
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「途中で詰まって……」
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「流れも崩れて……」
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神谷が続ける。
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「……上手く説明できませんでした」
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俯いたまま。
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(当然だな)
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北川は何も言わない。
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その時。
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「……どういうことだ?」
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主任・山口の声が低くなる。
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「準備はしてたんだろ?」
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「……してました」
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「しててあれか?」
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鋭い言葉。
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「……すみません」
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神谷はただ謝る。
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「お前が崩れたせいで全部ダメになったんだぞ」
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空気がさらに冷える。
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誰もフォローしない。
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(責任、全部そっちか)
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北川は静かに見ていた。
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“能力が抜けた”だけ。
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それだけで、ここまで変わる。
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「……課長に報告する」
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山口は短く言う。
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そのまま課長席へ向かう。
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黒瀬と藤堂がいる。
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「戻りました」
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「結果は?」
黒瀬が聞く。
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「……失敗しました」
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簡潔な報告。
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「原因は発表の崩れです」
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黒瀬が眉をひそめる。
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「……神谷か?」
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「はい」
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短いやり取り。
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「……そうか」
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それ以上は言わない。
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だが、評価は決まった。
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神谷は席に戻る。
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誰とも目を合わせない。
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北川は静かに画面を見る。
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振り分け可能ポイント:430
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(順調だな)
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誰にも気づかれないまま。
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確実に、崩れていく。




