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Magic & Cyberpunk -マジック&サイバーパンク-  作者: タナカ アオヒト
8章_堕落の弾丸

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8.16_暴れん坊のサンタクロース

アゲハを救出するため、セントラル南西の海域へと漕ぎ出したはずのエージェント。

そこには、悪夢が待ち構えていた。


サウザントの最高幹部ルフランは、紫色の虚空から、イバラの厄災を呼び出した。

大海原に、悪夢の舞台を創りあげたのだ。


イバラの厄災は、赤龍を呼ぶ。

彼女を止めなければ。


セツナにアゲハの救出を託し、JJとダイナは、空へと伸びるイバラの元へ向かうのであった。





夢戻りのエージェントを、浮き島の頂上へと登らせる。

サウザントの幹部を、止める。


その目的を達成するために、南西海域に集まった面々は、自分たちにできる行動を取る。

エージェントのジャッカル率いるCCCは、イバラ龍の相手。


セントラルの秩序を預かる者として、一番の大物を引き受けた。

CE8機の編成で、甦ったの悪夢を取り囲む。



「啖呵を切ったのはいいが‥‥。」



ジャッカルが呟く。

雑魚は任せろと啖呵を切ったのはいいが、どうにも――。


額を冷や汗が流れる。

CEの操縦桿が、今までになく重く感じる。


イバラ龍の胸から、ツルが伸びる。

CEの装甲すら貫いてしまうツルが幾つも伸び、小さき巨人を穿たんと迫る。


ブースターを噴かし、槍の雨を避ける。

龍の攻撃を凌ぐ。


龍の背後に回り込んだ彼の仲間が、ショルダーグレネードで砲撃。

重い榴撃音が、ジャッカルの機体を震わせる。


龍の背中に、黒い煙が上がる。


――煙を貫いて、イバラのツルが伸びる。


エネルギーシールドを構えたCEが、グレネードを放ったCEをかばう。


シンクロ。

エネルギーシールドの出力を上げる。


イバラが鋼鉄の音を奏で、盾を殴りつける。


5本、イバラの槍を防ぐ。

シールドの表面に、大きな波紋が広がる。


そして6本目。

イバラの槍が、シールドを貫通した。


CEの右肩を貫通する。


シンクロによるフィードバック。

パイロットの右肩に、CEの負ったダメージが共有される。


CEはシールドの展開を閉じ、左手で刺さったイバラを抜く。


追い打ちと言わんばかりに迫る槍衾(やりぶすま)を、高度を上げることで躱す。


ジャッカルのCE「ザンテツ」が、龍の懐へと入る。

軽装の日本甲冑姿をした、軽量級のCE。


ザンテツの名に相応しい、鉄をも切り裂く大刀(おおがたな)を振るう。


シンクロでCEに闘志を流し、龍の胸に、刃渡り6メートルはあろう刀身を、中腹まで捻じ込む。

イバラを切り裂き、胸を掻っ捌く。


龍の胸から、大量の種子が零れ落ちる。


軽量級の加速と最高速で退避。


距離を取りつつ。ザンテツの左肩に装備している大袖(おおそで)(※)で、爆ぜた種子を受ける。

※日本甲冑の、肩の部位。矢や刃を受けるのに使われていたとされる。


肩の装甲を楯として使い、機体へのダメージを受け流す。


ザンテツは、大袖を楯とすることで、軽量級の速度と、準重量級の装甲を両立している。


ザンテツが龍の距離が開き、再び睨み合う。

龍の負った胸の傷が、塞がっていく。



「おいおい‥‥。そりゃ反則だろ。」



目の前の理不尽を目の当たりにして、つくづく、自分の後輩は化け物だと、そう思う。


自分たちは、CE8機で寄って集って、龍を抑えるので一杯一杯。


しかし、後輩3人は、このデカ物をたった3人で殺して見せたのだ。

しかも、赤龍の乱入すら追い返して。


間違いなく、あの3人はセントラルとCCCを代表する最高戦力だ。


だが生憎、その3人には先約が入っている。

人気者の彼らは、龍の相手をしている暇が無いのだ。


ジャッカルの機体に、通信が入る。



「へいへい、ビビってんのか? ジャッカル?」



僚機のパイロットが、冷や汗ダラダラのジャッカルに軽口を叩く。

別のパイロットも便乗して、通信に混ざる。



「今日は早退しとくか? ドーナツの食べ過ぎってことで。」



イバラ龍が、ジャッカルを睨む。

大口を開き、口から発火性の花粉を吐き出す。


――シンクロ。


ザンテツの機体が青く光り、龍のブレスを回避。

ノロマを振り切り、素早く背後へ回る。


刀を下から上へ、押し上げる。

ブースターを噴かし、龍の片翼を、両断。


勇敢な戦働き(いくさばたらき)を、僚機に見せつける。


汗を拭い、力強く操縦桿を握る。



「ビビる? 早退? 冗談キツイぜ。

 こんなの、局長のシゴきに比べたら、準備運動にもならねぇぜ。」


「はは。違いない。」

「まだ、肋骨が無事だからな。」



確かに、自分たちの後輩はスゴイ。

‥‥だが、セントラルのヒーローは、アイツ等だけじゃない!



「気張れよ野郎ども! 死ぬ気で食らいつけ!

 このウスノロに撃墜されるようなマヌケは、一週間禁酒だ!」


「やっべ!? マジかよ。」


「ちょっと本気だすか‥‥!」



厄災を前に、エージェントは奮起する。

セントラルのヒーローは、3人だけじゃない。


彼らだって、強きを挫き、弱きを助ける。

一流のヒーローなのだ。





ダイナたちの乗るクルーザーは、オラクルの操舵により浮き島の麓までやってきた。


サウザントの戦艦。

戦艦からは太いイバラが何本も絡み合い、空へと伸びている。


この遥か高み。

空にいくつも連なる、浮き島の山頂に、ルフランは居る。


だが、浮き島の頂上へは、かなり遠い。

生身で登るには、時間が掛かり過ぎる。


CEは、昨日の戦闘の影響で整備中。

JJのテストウドに至っては、大破してしまっている。


現在、エンジニアが不眠不休で整備しているが、作戦には間に合わなかった。


CEは、整備中で使えない。


かと言って、味方の手を借りるの方法も、微妙だ。

この乱戦、手すきのCEやヘリコプターなどは、望むべくも無く‥‥。


JJとダイナは、空を見上げて思考を巡らせる。


一行は、途方に暮れている。


そんな時。

頼りになるのが、この男。



「こっちだ! Come on!」



ファンキー☆ヤマダが、BBBの潜水艦の上で両手を振っている。


彼は、非戦闘員だったはずだが‥‥。

BBBの幹部として、デカい祭りを前に、出張って来たらしい。


ヤマダの通信に応えて、取り舵いっぱい。


戦艦の左側へと舵を切る。


潜水艦と合流。




「上に行くんだろ? いい方法があるZE☆」



ヤマダが、JJとダイナに手招きをする。

言われるまま、潜水艦に飛び移る。



「Welcome。」



2人は、ヤマダに肩を組まれ、潜水艦のハッチの方へと歩いていく。

すでに開いているハッチから、船員のチンピラさんが出てくる。


ヤマダの言う、「いい方法」を携えて。



‥‥‥‥。

‥‥。



「準備はいいな? 待ったは無しだぜ?

 3(スリー)‥‥2(ツー)‥‥1(ワン)‥‥、Good luck!」



JJとダイナは、空に向かって飛んで行った。


BBB謹製、ジェットパック!

戦闘機に積むミサイルみたいなジェットパックを背負えば、気分はスーパーマン。


目的地まで、重力を振り切って、ひとっ飛び。

保険は適応外だが、丈夫なシートベルト付き。


2人は、ヤマダにまくし立てられるまま――。

若いチンピラさんたちの、慣れた作業に流されるまま――。


2人は、空に打ち上げられた。


チンピラさんたちが、手際よくシートベルトを取り付け、安全確認。


ヤマダのカウントダウンを合図に、ジェットパックに点火。

オレンジ色の炎が灯り、白い煙が潜水艦のデッキを覆う。



あっという間に、2人は空のお星さまになった。(!?)



火傷しそうな煙を浴びながら、ヤマダは白い歯を覗かせる。

ご機嫌な拍手を、星になった2人へ送る。



「Yeah! どうだ見たかお前ら!

 イカしたヤツらだろ?」



彼の部下であるチンピラさんたちは、片手を額に当てて、大空を仰いでいる。



「マジかよ‥‥。」

「ジョークのつもりだったのに‥‥。」

「イカれてやがる。」



JJとダイナが背負っていたのは、BBBの中では「けじめロケット」と呼ばれている代物。


その名の通り、ダセェ奴を縛り付けて、最期に花を持たせてやるためのロケットだ。


空を仰ぐチンピラたちは皆、川の街出身。


物心ついた時から職人の技を叩き込まれて育ち、有り余る若さを表現したくて、悪党をやっている連中だ。


真面目に生きるとか、ダセェと思っていた。

なかでも、正義の味方なんてのは、ダセェの極みだ。


‥‥だが、彼らは今日、知ることになった。






世の中には、とんでもねぇバカがいる。

素面(しらふ)のフリした、とんでもねぇバカがいる。






‥‥‥‥。

‥‥。



けじめロケット‥‥、もとい、ジェットパック。

無事、不時着。


だいたい800メートルくらい上昇したときだろうか?


サウザントの鳥マスクが、ジェットパックの接近を、敵からのミサイル攻撃と勘違い。


ミサイルに対抗するため、EMPフレアを発射。

鳥マスクの乗るヘリからEMPフレアが撒かれ、ジェットパックの電装系がストップ。


コンピューターによるジェット推進の制御を失い、ミサイルは浮き島のひとつに不時着した。


‥‥まさか、鳥マスクも、ミサイルに人間を括っているなんて思うまい。

まんまと彼奴等の警備網を突破して、敵の居ない高度まで来れた。


不時着した地点は、浮き島山脈の7合目。


海からは見えなかった、広くて大きな頂上が、眼上に見えている。


不時着したJJとダイナは、真顔で立ち上がる。

真顔で、浮き島の登山道を登る。


昨日の経験が活きた。


頭のおかしいエンジニアがこさえた、ハイジャンパーとかいう棺桶に比べれば、このジェットパックは素晴らしい。



何よりも気に入ったのは、空の眺め。

狭い棺桶と違い、開放感が素晴らしい。



紫色のイバラで繋がれている浮き島を、JJとダイナは登っていく。

空中ジャンプや、マジックワイヤーを駆使し、頂上を目指す。


そうやって、8合目に差し掛かった頃である。

2人は、スカスカの足場を飛び移り、しっかりとした足場に飛び移った。


平坦で、広さがラグビーコートくらいある浮き島。

島の厚さもしっかりあり、通っても底が抜ける心配も無い。


頂上まで、もう一息。

ノーストップで、足元に青色が目立つ登山道を登る。


――と、その時である。



「ジングルベ~ル♪ ジングルベ~ル♪

 鈴が鳴る~~~♪」



季節外れの、ジングルベル。

もう終わった、クリスマスの歌。


ネタバレサンタの登場だ。


赤鼻のトナカイが引くソリに乗って、空を駆ける。



「サプラァイズ‥‥!」



サンタさんの白い袋から、大小様々なプレゼント箱が投下される。


プレゼントは、良い子の元へ。

JJとダイナに降り注ぐ。


――爆発。


プレゼントが、一斉に爆発した。

爆風と黒い煙を、2人はテレポートで回避する。



「むぅ!? サンタさんからのプレゼントを拒否するとは‥‥。

 ゆるせんッ!!」



芝居がかったセリフをのたまい、ナイスデイはソリから飛び降りる。



「とぉ!!」



シュタ。

ナイスデイが浮き島に着地。


2人の前に立ち塞がり、2人を指差す。



「キサマたちを‥‥、良い子にしてやる!」



ファイティングポーズを取り、シャドーボクシングを披露するナイスデイ。

JJが、火薬籠手を左手に装備する。



「ダイナ、大将は任せた。」



時間が無い。

ルフランを、赤龍が来る前にどうにかしなければ。


JJは、Ultがまだ残っているダイナを、この先に行かせる判断をした。


ダイナが無言で頷き、その場から姿を消す。

テレポートを駆使して頂上を目指す彼女を、ナイスデイはスルーする。


実のところ、ここにはルフランに内緒で出張っているのだ。

ルフランばっかり楽しんで、ズルい!


サンタさんだって戦いたい!

サンタさんを信じなくなった悪い子を、ボコボコにしたい!


なので、自分もおこぼれに預かる。


ナイスデイを前に、JJは両肩を交互に回す。

気持ちを、戦闘モードに切り替える。



「クリスマスイベントでは、世話になったな。」



いつぞや、強制参加されたクリスマスイベントに対して、礼を言う。



「礼には及ばんさ。

 ナイスな、イベントだったろ?」


「――ああ。おかげさまでね。」



ブースターオン。

火薬籠手に点火。


蒼い左ストレートが、ナイスデイに向けて繰り出される。

火薬籠手の推進力で加速し、間合いを詰めていく。



「‥‥ふっ。青いな。」



そう言うと、ナイスデイの目が光る。



「目からビーム!」



機械の両目から、レーザーが放たれる。

青い光線が、愚直に突進するJJを狙う。


ブースター停止。

スライディング。


レーザーが、JJの背後を焼いて焦がして溶かした。


ナイスデイが、口を開く。



「口からファイヤー!」



機械の口から、火炎放射が飛び出す。

奇想天外な攻撃を、横に飛んで回避。


ブースターオン。

機械の顔がこちらに向く前に、ぶん殴る!


JJが加速する。

ナイスデイは、火を吹くのをやめる。


彼も、拳を構える。



「ハートは――。」



ナイスデイの胸が、金色に輝く。



「ゴージャス☆☆☆」



なぜか、サンタ服と右拳まで金ピカになる。

蒼い火薬と、金ピカの拳が激突する。



蒼い拳が、金ピカを後退させる。

全クラス最高峰の、火薬の力で押し‥‥、止まる。



(コイツ‥‥。)


「ファイヤー!」



金メッキが剥がれて、火を吹く。


JJはテレポート。

距離を取るように、瞬間移動。



「――からの、ビーム!」



インベントリから、パイルバンカーを取り出す。

主力火器の量産型パイルバンカーで、レーザーをガード。


パイルバンカーは、飴細工のように捻じくれて、溶けてしまう。


ナイスデイの足元で、爆発が起きる。

キレイなフォームで、全力ダッシュ。



「ゴージャス☆☆☆」



全力ダッシュから、金メッキ装着。

渾身の、テレフォンパンチ。


JJは、膝を抜く。

脱力し、予備動作も無く、地面へと沈み込む。


身体の重みと、地球の重力に身を委ね、沈み込むように屈む。


拳を振り抜いたナイスデイの視界から、スーツ姿の筋肉ダルマが消える。

ナイスデイの脚を、刈り取る。


ラグビーのタックルと、プロレスのラリアットの合わせ技。


予備動作なく屈み、ナイスデイの脚を右腕で払う。

テレフォンパンチの勢いを逆に利用され、ナイスデイはすってんころりん。


空中で一回転して、地面に背中から落下した。


JJが、火薬鎚を振り上げている。



「なんの――!」



ナイスデイは、寝転がったまま、腕を交差させる。

それから、脚を上半身側に引き寄せて、畳む。



「――ラッピングバリア!」



深緑のプレゼントボックスに、ナイスデイが包装される。

緑のラッピング用紙に、ピンクのリボンがチャーミング。


火薬鎚が、白い硝煙を撒き散らしながら、プレゼントボックスを殴る。


ラッピングの一部が剥げて、だけどもバリアを抜くには至らない。


攻撃されたプレゼントは、ころころと地面を転がっていく。



JJは、火薬鎚をしまう。

左手を素早く2回握り、火薬籠手のチャンバーオープン。


リロード。

使用した2発分のショットシェルを装填する。


攻撃よりも、リロード優先。


‥‥ちょっと、洒落になってない。

ふざけた攻撃ばかりしているが、洒落になってない。


‥‥‥‥。

ナイスデイを梱包したプレゼントは、転がる力を失い、ピタリと止まる。



「――分身。」



プレゼントが、4つに分身する。

‥‥1つだけ、包装が破れたままだ。


剥がれた包装を、中から確認する術が無いのだろうか?



「ルーレット、スタート。」



外の悲惨な状況を知らないナイスデイは、無邪気にサプライズを続ける。




「ドゥルルルルル――――。」



ルーレットは回り出す。

4つの箱が円を描きながらシャッフルされていく。


ルーレットを無視してJJは、火薬鎚のリロードも行う。

それから、鎚をしまって、パイルバンカーを取り出す。


――ルーレットが止まる。



「さあ、どっからでも掛かって――。」



パイルバンカーが、プレゼントボックスに撃ち込まれた。

火薬銃から、6点バーストの火薬が燃え盛り、銃身に眠る怪物を叩き起こす。



包装が破れたプレゼントボックスを、火薬杭が撃ち抜く。



「ぐはぁぁあぁあ!?!?」



ナイスデイが、トマトケチャップを吐きながら、プレゼントボックスから飛び出す。


JJの追撃。

杭を撃ち出した火薬銃のバレル部分を握る。


鈍器と化した火薬銃で、ナイスデイを殴る。



「大当たりぃぃ!?」



顔面を強打されたナイスデイは、吹っ飛ぶ。

ゴロゴロと、サンタが浮き島を転がる。


転がっていくナイスデイを隠すように、分身したプレゼントボックスが横1列に並ぶ。



「景品召喚。」



分身ボックスのリボンが解ける。

勝手に、封が開かれていく。



「モミの木ドーーーン!」



クリスマスツリーに使われる、モミの木。

それが、分身プレゼントボックスから生える。


生えて伸びて、生い茂り、ナイスデイを見失う。



「メリークリスマス! メリークリスマス!」



掛け声に合わせて、モミの木がJJに向かって飛んでくる。

CEよりも高く生い茂った針葉樹が宙に浮いて、飛んでくる。


1本、2本。


1本目を横に飛んで躱す。

‥‥樹のサイズが大きい。


2本目は、火薬籠手で焼き切る。


スキル ≪黒色飛燕衝≫ 。

EXスキル ≪ダブルバレル≫ 。


ショットシェルを2発消費。


左手に、蒼い炎が集まる。

赤い火花が、JJの周囲に散る。


掌から、火薬の衝撃波が放たれる。

CEのブースターから噴き上がるバーニアのように、火柱が掌から撃ち出される。


JJは、火薬の反動で後退りをしながら、CEよりも大きなモミの木を灰に変えた。



――3本目のモミの木が、地面から引き抜かれる。



「ホームラァァァァン!!!!」



最後の1本は、ナイスデイが腕力で引き抜いた。

樹の幹を抱きかかえるように握り、振るう。


横薙ぎに振るわれたフルスイング。


暴れん坊なスイングは、火薬の反動で動けないJJを、ジャストミート。



「グランドスラム!」



モミの木を振り抜く。


針葉樹の葉をスーツに付けたJJが、吹っ飛んでいく。

浮き島から、放り出される。


ブースターオン。

蒼白い炎で空を飛び、浮き島に復帰する。


満塁ホームラン (グランドスラム)を確信し、モミの木でバット投げを披露して、ドヤ歩きしていたナイスデイ。


浮き島に復帰したJJを見て、指を鳴らす。



「――ちっ! 風があったか。」



フィールドから、モミの木が消える。


‥‥本当に、洒落になってない。

ふざけた攻撃ばかりしているが、洒落になってない。



ナイスデイ。

このサンタは、火薬の攻撃を受け止めている。


火薬籠手による拳を、右ストレートで正面から受け止め、火薬鎚の大上段を、プレゼント箱で受け止めた。


そして、さっきのモミの木だ。

足長ノッポに似つかわしくない、ストロングマン顔負けのパワー。


洒落になっていない。


他のクラスの攻撃が防がれるのとは、訳が違うのだ。


火薬の一撃は、全クラスの中でも最高峰を誇っているのだ。

それを、コイツは何度も防いでいる。


ふざけた戦い方だが、実力は本物だ。


彼だって、巨悪サウザントの幹部。

伊達に、幹部の椅子に座ってはいない。



「サンタクロースは、年中いつだってサンタさんなんだぜ?

 さあ来い! お前を、良い子に叩き直してやるッ!」



‥‥‥‥。

‥‥。




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