第11話 新機能
「クソッ‼」
ドガッ
イスが蹴られ転がっていく。
ーー俺は苛立ちを隠せづにいた。
このデスゲームが始まってもう4週間が経とうとしていた。
「お、落ち着いてください」
「おい、落ちつけって」
声をかけてくるギルドのメンバー。
先週もその前の週も俺は必死にあいつを探した。
そして今日も…。
それでもとうとうあいつを見つけられなかった。
あいつの無事を確認したい。
あいつと会いたい。
あいつとまた笑いあって話したい。
恐らくあいつは生きていると思う。
いや、必ず生きているはずだ…。
「グッッ」
ドンッ
壁を殴った反動で拳が痛い…。
俺はもう一度拳を振りかぶった。
ガシッ
「落ち着けよ…お前が辛いのは分かる。けどよ、このゲームがデスゲームになっちまったのはお前のせいじゃないんだからさ」
「そんなのは分かってるっ、分かっているけどさ…俺があいつを箱庭に誘わなかったら…」
ーーこんなことを考えても仕方ないのに…。
「もういいだろ?また来週も探せばいいさ俺たちも手伝うからさ…」
ーーギルドのみんなにまで迷惑をかけて…
ポーーン
その時気の抜けるような電子音が聞こえた。
どうやらメールが届いたようだ。
俺はその内容を確認した…
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
それから毎日俺はフォル爺と魔改造にロマン武器作成、防具作成などに勤しんでいた。
とても充実していて楽しい日々だったと言える。
そんなある日、今日も新しい武器とそれに揃えた防具なんかを作り終えフォル爺と酒を飲みながら熱く語り合っているとふと思い出したようにフォル爺が言った。
「そう言えばボウズよい、ボウズは冒険者じゃったよなあ?」
「…………」
「おい、どうしたらボウズ?」
「…………」
「何を突然固まっとんじゃ?」
「…………」
「まさかボウズ、忘れとったとか言わんじゃろうなあ?」
ーーやばい…すっかり忘れてたわ。
「あ、ああもちろん覚えてるとも」
「おいボウズ、声が震えとるぞ。大丈夫か?」
俺はこの楽しい日常に浸っていて、すっかりと忘れていたのだ。
ーーこれがデスゲームの最中だって事を。
「ボウズがウチに来てから今日で四週間じゃぞ…ワシもちょっと金がやばそうなんじゃよ」
「えっ‼ マジで、そっか俺にも全部タダで装備提供してんだもんなぁ…」
うんうん、そりゃ赤字になるわ。
「じゃあさフォル爺、俺が金を稼いで来るよ」
「いや、別にそんな事を言いたいわけじゃなくてだな」
ーーケイトとか心配だしな、そろそろ動かないと…。
「俺もそろそろ実戦に移りたいしさ」
「それじゃあボウズはここから出て行くのか?」
フォル爺が少し悲しそうな顔をする。
「いいや、ここを拠点にするんだよ」
「拠点にか?」
「ああ、フォル爺ともっと色々作りたいしさ、武器や防具のメンテも俺じゃできないしさ。いいかな?」
フォル爺の目が嬉しそうに輝いた。
「おう、もちろん存分に使ってくれていいぞ」
「ありがとなフォル爺」
そして俺が明日から出発すると言うと、今日は飲み明かそうとか言い出した。
俺はケイトの無事も確認したいし、色々やる事が多そうだから早く寝たい。
そして俺がフォル爺にそう切り出そうとした時…
ポーーン
そんな気の抜けるような電子音がした。
どうやらメールが来たようだ。
俺はこの4週間の間にできるようになった思考操作でウインドウを操作していく。
ーーちなみに思考操作とはウインドウに指などを触れさせずに思考だけでパネルを操作する事だ。
【ぱんぷきんぼーや:新たな機能を追加したよ、確認してみてね☆】
との内容だった。
メールボックスを閉じてウインドウの項目を見てみると。
死亡者一覧表という項目の横にNEWの文字が光っていた。
試しに開いてみる。
【死亡者一覧表:ここは死亡者を確認する事が出来ます。五十音検索と直接検索の二つを使い調べる事が出来ます。※死亡者一覧は毎週金曜日の24時丁度に更新されます。】
との事だったのでkeitoとtoukaを確認してみたところ名前がなかったのでどちらも無事なようだ。
安心した俺は今日は飲み明かすことに決めたのだった。
今回は短めなので2話連続投稿です。




